「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!
今回はラッパーたちに影響を与えた映画やアニメのキャラシリーズ「Pulp Fiction – Mia Wallace 編」。クエンティン・タランティーノの名作映画『パルプ・フィクション』の大人気キャラ、Mia Wallace(ミア・ウォレス)とラップミュージックのリンクについてチェックしてみよう!
『パルプ・フィクション』とは?
奇才クエンティン・タランティーノ監督の代表作『パルプ・フィクション』。
ロサンゼルスを舞台に、殺し屋、ボクサー、強盗といった個性豊かな登場人物たちが繰り広げる4つの時系列のストーリーが複雑に絡み合い進んでいく犯罪映画だ。
本来犯罪映画といえば、派手な撃ち合い、アクション、ハラハラドキドキするよう展開が見せ場であることが多いが、『パルプ・フィクション』は全くその逆。
ダラダラした意味のない会話がひたすら続くのだけど、なぜかその会話が全く飽きない。サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ジョン・トラボルタ、 ブルース・ウィリスという超実力派俳優たちの極上の会話劇が最高な映画だ。
今回はそんな『パルプ・フィクション』の中でも屈指の人気キャラがユマ・サーマン演じる謎の美女 “ミア・ウォレス” だ。
ユマ・サーマンが演じたクレイジー美女 “ミア・ウォレス”
『パルプ・フィクション』といえば誰もが思い浮かべるタバコをくわえて、寝そべる謎の女性のメインビジュアル。あの女性こそ街を仕切るギャングの大ボス、マーセルスの妻、 “ミア・ウォレス”だ。
そのミステリアスな雰囲気と、自由奔放な振る舞いで、『パルプ・フィクション』の登場人物の中でもアイコニックな存在になっている大人気キャラのミア。特にジョン・トラボルタ演じる”ヴィンセント”とのレストランでの会話、そしてダンスシーンはタランティーノ映画における屈指の名シーン。またミアはドラッグ中毒でもあり、コカインでぶっ飛んでる演出もかなりインパクトが強いよね。
そんなクレイジーだけど、同時に超イケてる女性、ミア・ウォレスにインスパイアされたのが、USを代表するラッパーである、Wiz Khalifa(ウィズ・カリファ)だ。
ウィズ・カリファのチルな一曲「Mia Wallace」
ウィズの2012年のミックステープ「Taylor Allderdice」収録の一曲、「Mia Wallace」。タイトルからもわかるように『パルプ・フィクション』の“ミア・ウォレス”にインスパイアされて作られた一曲だ。
Room full of expensive bags, still all the shit on the flo’
But that’s just how you live when your wife’s a model
Smoke a pound soon as we touch down, do the same thing twice tomorrow高いバッグでいっぱいの部屋、床は散らかり放題
それがモデルの妻を持つ暮らしってこと
着陸した瞬間に一袋吸って、明日も同じことするぜ
という感じで、当時のパートナーであったモデルのアンバー・ローズとの生活を歌ってるもの。「あれ?ミア・ウォレスのこと歌ってるんじゃないの?」って感じかもだけど、実はそこはウィズ。しっかりとした意図が込められている。
ウィズは地元でピッツバーグでインディペンド・レーベル、「Taylor Gang」を主催している。つまりピッツバーグという街のヒップホップシーンを仕切る”ギャング”のボスなわけだ。それは『パルプ・フィクション』の登場するギャングのボス、マーセルスを連想させるよね。つまり彼の当時のパートナーである、アンバー・ローズは大物ギャングの妻はまさにミア・ウォレスの立ち位置ってわけだ。
ミア・ウォレスをテーマにした曲としては他にもヒップホップシーンとのコラボレーションで知られるFall Out Boyの「Uma Thurman」などもあるので、ぜひチェックしてみてね。