映画『マトリックス』のパンチライン|ストリートヘッズのバイブル Vol.101

SF映画の最高傑作のパンチラインをチェック!

ライター:TARO

みんな文化ディグってる?

『ストリートヘッズのバイブル』では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは大ヒットSF映画『マトリックス』。1999年公開の第1作目だ。今回は『マトリックス』に出てくる名セリフを紹介するよ!

『マトリックス』とはどんな映画?

仮想現実空間を舞台に人類とコンピュータとの戦いを描いたサイバーパンクSF映画。

ソフトウェア会社でプログラマーとして働くトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーヴス)に、実はネオという名前の凄腕ハッカーとして活動する男。彼は起きているのに夢を見ているような不思議な感覚に悩まされており、「今生きているこの世界は、もしかしたら現実ではなのではないか」という自分でも上手く説明できない違和感を抱いていた。

そんなある日、トーマスのパソコンの画面に「起きろ、ネオ(Wake up, Neo.)」「マトリックスが見ている(The Matrix has you.)」「白ウサギについて行け(Follow the white rabbit.)」という謎のメッセージが表示される。

その後トリニティ(キャリー=アン・モス)と名乗る女性から接触を受けたネオは、ネオが探し求めていた答えを知る人物、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)と出会う。モーフィアスは、人類が現実だと思っている世界が実はコンピュータにより作り出された「マトリックス」と呼ばれる仮想世界であるという驚きの真実をネオに明かす。

現実の世界で目を覚ましたネオは、モーフィアスやトリニティとともに、コンピュータが支配する世界から人類を解放するために戦いに乗り出す。

『マトリックス』のパンチライン

①「赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまる。このウサギ穴がどれだけ深いか見せてあげよう。」

This is your last chance. After this, there is no turning back.
これは君の最後のチャンスだ。このあとは、もう戻れない。

You take the blue pill – the story ends,
青い薬を飲めば、お話は終わる。

you wake up in your bed and believe whatever you want to believe.
君はベッドで目を覚ます。そして信じたいものを信じればいい。

You take the red pill – you stay in Wonderland
赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまる。

and I show you how deep the rabbit-hole goes.
このウサギ穴がどれだけ深いか見せてあげよう。

シリーズ随一の名場面であるモーフィアスがネオに初めて出会うシーンで、映画史に残る名台詞。

元々この台詞のサンプリング元はイギリスの作家、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』。

『不思議の国のアリス』はアリスが白ウサギを追いかけて、不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や動くトランプなどと出会いながらその世界を冒険するさまを描いた児童小説であり、映画冒頭でネオのパソコン画面に表示される「白ウサギについて行け(Follow the white rabbit.)」もそのストーリーを引用したものだ。

現状に留まるのか、勇気を出して今まで見たこともない世界に飛び込むのか。人生の岐路に立たされた人には響く言葉だよね。

②「無知は幸福」

Ignorance is bliss
無知は幸福

映画中盤、モーフィアスのクルーの一員である“ Cypher(​​サイファー)”は敵であるエージェントに秘密情報を売って、自分を再び仮想世界の中に戻してもらうということを企む。そのサイファーの台詞がこちらだ。マトリックスから出て、現実世界で戦うことを選んだ結果、その過酷さに疲れ果ててしまったサイファー。現実を知らない方が良かったってわけだね。

実はこの台詞は欧米では古くからあることわざで、イギリスの詩人、トマス・グレイが著書の中で、述べているもの。例えば、世の中にはさまざま過酷な状況の人がおり、苦しんでいる人も多いわけだけど、その事実を知らずに、なんとなく生きてる人ってある意味幸せだよね。サイファーは裏切り者ではあるのだけど、ある意味彼の台詞は世の中の人々の偽善や無知を暗に揶揄するものになっているんだ。

ちなみにSF映画史上屈指の裏切り者キャラである、サイファーを演じているのはハリウッドを代表する名脇役、ジョー・パントリアーノ。1970年代から活動するベテランであり、テレビ、映画、舞台などで150以上の役を演じてきたとされる演技派俳優だ。ウィル・スミス主演の大ヒット映画『Bad Boys』でもウィルも上司役を演じているので、ぜひチェックしてみてね。

③「信じ始めてるんだ」

He’s beginning to believe
彼は信じ始めているんだ

映画後半、最強の敵、エージェント・スミスと戦うことになるネオ。それまでモーフィアスのクルーたちは、圧倒的強さを持つエージェント・スミスと戦うことを避けてきたのだが、ネオは対決することを選ぶ。驚く他のメンバーたちに向けて、モーフィアスが言った台詞がこれ。信じることで救世主、“The One”として覚醒していくんだ。

画像出典元:WarnerBros.com

配信サービス:Netflix

 

 

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