「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回紹介するのは『ルイ・アームストロング Black & Blue』!
『ルイ・アームストロング Black & Blue』とは?
Louis Armstrong(ルイ・アームストロング)は20世紀初頭のジャズ草創期から活動したミュージシャンであり、ジャズという音楽を世界に知らしめた最重要人物の一人。『ルイ・アームストロング Black & Blue』はそんな伝説的なアーティストの人生に迫ったドキュメンタリー・フィルムだ。
『ルイ・アームストロング Black & Blue』を見るべき5つの理由
①ルイ・アームストロングとは?
天才的なトランペットの演奏とアイコニックなダミ声での歌唱、そして強烈なカリスマ性でアメリカのみならず世界で絶大な人気を得たジャズ・ミュージシャン、ルイ・アームストロング。現在でもクラシックとして名高い「What a Wonderful World」など多くの名曲を生み出した音楽史に残るアーティストであり、同時代を生きたDuke Ellington(デューク・エリントン )、Cab Calloway(キャブ・キャロウェイ)といったジャズ草創期のミュージシャン、そして Miles Davis(マイルス・デイヴィス)など彼の後に登場する音楽家たちにも大きな影響を与えた偉大なアーティストだ。
②ジャズとは?
今では現代音楽の一つとして世界中の人に愛されているジャズ。ヒップホップでもジャズの要素が取り入れられたり、有名なジャズの曲をサンプリングした「Jazzy Hip Hop/ Jazz Rap」と呼ばれるジャンルが人気だったりするよね。そんなジャズのルーツは19世紀末から20世紀初めのアメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズの黒人コミュニティ。19世紀末から段階的に起きていたアフリカ的リズムとヨーロッパ的音楽との融合の流れの中で生まれてきた音楽とされている。ルイ・アームストロングはそんなジャズが発展していく時代に、その誕生の地であるニューオーリンズで生まれ育ち、第一線のプレーヤーとして活躍したジャズという音楽を象徴する人物なんだ。
③ルイ・アームストロングが生きた時代のアメリカ
ジャズ草創期の1920年代頃からトランペッターとして活動し、様々なバンドでプレイした後に自身のバンド“Louis Armstrong and His Hot Five”を結成。全米で人気を獲得した後、次第にヴォーカリストとしても活動の幅を広げ、世界的なアーティストとなっていったルイ(実は日本にも数回公演のために来日している)。これだけ聞くと順風満帆な人生に思えるけど、実際には彼が生きた時代は現在よりも遥かに黒人差別が激しかった時代。アメリカ南部で施行されていた人種隔離政策 ジム・クロウ法により、ツアーでショーを行う劇場で白人と入り口を別々にされたり、ツアー先のホテルで黒人であることが理由で宿泊を拒否されるといったことが日常的に起きていた時代だったんだ。『ルイ・アームストロング Black & Blue』ではそんな過酷な状況の中でも必死に”エンターテイナー”としての生き方を貫いたルイの生き様を貴重な録音データやアーカイブ映像を通して知ることができる。
④ ナズによるナレーション
作中で取り上げられるルイ本人のエッセイの音読を担当するのはヒップホップ史上最高のリリシストと称されるラッパー、Nas(ナズ)。ナズ自身、彼のファースト・アルバムである『Illmatic(1994)』に代表されるように、ジャジーなサウンドを取り入れた音源で多くラップしているし、彼の父Olu Dara(オル・ダラ)もジャズ・ミュージシャンだ。時代は違えど、ナズもルイと同じようにブラック・カルチャーを世界的に広めた偉大な音楽家。Robert Glasper(ロバート・グラスパー)が “Jazz is the mother of hip-hop(ジャズはヒップホップの母)”と言ったように世代を越えて、紡がれている文化の重みがナズの音読を通して伝わってくる。
⑤ ブラック・ミュージックのルーツを知る
現在のヒップホップに至るブラック・カルチャーの礎を築いたムーヴメント”ハーレム・ルネサンス”。1920年代〜1930年代のニューヨーク・ハーレムでアフリカ系の人々による文学・芸術・音楽などが大きな盛り上がりを見せたムーヴメントのことであり、この流れを牽引したのが当時のジャズシーンの中心人物だったルイ・アームストロングだ。ジャズの発展が、その後のファンクやソウルに、そして1970年代以降のヒップホップ文化に繋がっている。『ルイ・アームストロング Black & Blue』を通してルイの人生や当時のジャズシーン、その背景にある歴史や文化を学ぶことは、僕たちが愛するヒップホップをさらに深く知ることに繋がるはずだ。
出展元: Apple TV+
配信先:Apple TV
