映画『インセプション』を観るべき理由|ストリートヘッズのバイブル Vol.122

夢か、それとも現実か?圧倒的映像美と実力派俳優陣が魅せる至極のSF映画

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回はクリストファー・ノーラン監督のSF対策『インセプション』。

『インセプション』とは?

鬼才クリストファー・ノーラン監督、レオナルド・ディカプリオ主演のSF映画。
夢の中に入り込み、他人の潜在意識から情報を盗み出すという独創的なアイデアと複雑に入り組んだストーリー展開、そして圧倒的な映像美、さらに哲学的な会話劇で第83回アカデミー賞では作品賞、脚本賞などの8部門にノミネートされ、撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞した作品だ。

①夢の奥へ潜れ!
意識の深層で繰り広げられる究極の攻防戦

『インセプション』の大きなテーマは他人の夢、潜在意識に潜り込むことで、通常は手に入れることができない情報を盗み出すということ。個々の潜在記憶が混ざり合い、混沌とする意識の“階層”の中で、登場人物たちが繰り広げる“夢の中での戦い”、そして過去と現在、現実と夢を複雑に交錯するそのストーリー展開は、『インセプション』を歴史に残る唯一無二の映画たらしてめている要素であり、何度見ても新たな発見や気づきがある物語になっているんだ。

② 実はCGを使っていない!?
徹底的なこだわりで魅せる夢の世界

最近はSFやファンタジー映画ではCGやVFXを使うのが一般的だけど、ノーラン監督は実はCGが嫌いで、できるだけ実際のセットやカメラワークの工夫で自分の世界観を表現するタイプ。“潜在意識”の中で現実世界の物理法則を無視した状態で展開される『インセプション』の映像表現でも、その多くがまさかの実写で撮影されたものなんだ。 実写を使ったシーンの中でも特に衝撃なのが、ジョセフ・ゴードン=レビットが演じる“アーサー”が廊下で敵と格闘するシークエンス。 設定としては無重力となった夢の世界で敵の男と戦いながら、廊下の床、壁、天井をふわふわしながら移動するという「どう見ても絶対CGでしょ!」って映像なのだけど、なんとこれが実写。 ノーランはこの設定をビジュアライズするために、実際長さ30メートルの廊下を作り、その廊下を回転させるというとんでもない手法を実践。今まで誰も見たことがない映像表現を作り出したんだ。

③ ノーラン組大集合。
実力派俳優たちの極上の演技バトル

『インセプション』では主演のレオナルド・ディカプリオを筆頭にハリウッドを代表する実力派俳優たちの演技バトルを楽しむができる。特にクリストファー・ノーラン監督作品の常連ともいえる、“ノーラン組”の演技は必見。後に『ダークナイト ライジング』でバットマンと敵対する“ベイン”を演じることになるトム・ハーディ、『オッペンハイマー』でアイルランド出身の俳優として初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー、さらに『ダークナイト』シリーズでもお馴染みの名優マイケル・ケインなどノーランが信頼する実力派俳優たちが総出演しているよ。そしてもちろん物語の鍵を握る最重要人物、“サイトー”を演じる、日本が誇るスーパースター、Ken Watanabeこと渡辺謙さんの圧倒的な存在感と重厚な演技もマストチェックだね。

④ 一つ一つのセリフがパンチライン

映画の大きな要素であるセリフ。良い映画には必ず観るものの心に残るセリフ、そして示唆的なが多く埋め込まれている。『インセプション』は一つ一つのセリフが哲学的な示唆に富んでおり、まるで良質な哲学書のように僕たちのマインドをインスパイアしてくれる。特にディカプリオが演じる主人公“コブ”が言う、

What is the most resilient parasite? Bacteria? A virus? An intestinal worm? An idea. 最も強靭な寄生体とは何だと思う? バクテリア? ウイルス? それとも腸内寄生虫? “アイデア” だよ。 Resilient… highly contagious. Once an idea has taken hold of the brain it’s almost impossible to eradicate. アイデアはしぶとく… そして非常に感染しやすい。ひとたび脳に定着すれば、取り除くことはほぼ不可能だ。 An idea that is fully formed – fully understood – that sticks; right in there somewhere. 完全に形成され、完全に落としこまれたアイデアは、くっついて、決して離れないのさ。

の言葉は映画の世界観を表した最もアイコニックなセリフだ。

⑤ 僕たちが見ているのは現実か、
それとも夢か

現実とは何か?僕たちが見ているもの、感じているのははたして現実に存在しているものなのか、実態のない虚構なのか。『インセプション』の主人公のコブはこんな言葉を残している。

夢は、見ている間は本物のように感じるよな でも、目が覚めたときになって初めて、何かが奇妙だったと気づくんだ。ひとつ質問させてくれ。 夢の始まりをはっきり覚えていることってあるか? たいてい、気づいたときにはもう夢の途中にいるだろ? じゃあ、俺たちはどうやってここに来たんだ? 考えてみろ。 どうやってここに来た? …今、お前はどこにいる? 実際には、今お前はワークショップの真っ最中ってわけさ。

僕たちが見ている世界は現実か、夢か。 この瞬間、僕たちはすでに夢の“インセプション(始まり)”に立っているのかもしれない。

画像出典元:ワーナーブラザーズ
配信先:Amazon Prime

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