みんな文化ディグってる?
「ストリートヘッズのバイブル」ではヒップホップ好きにオススメの映画を、作中に登場するセリフを通して紹介していくよ!今回取り上げるのは『ドゥ・ザ・ライト・シング (1990)』。今回は『ドゥ・ザ・ライト・シング』のパンチラインを3つ取り上げるよ!
『ドゥ・ザ・ライト・シング』ってどんな映画?
舞台はブルックリン。猛暑が続く夏のある1日の話。主人公のムーキー(スパイク・リー)が働くイタリア系親子が経営するピザ屋に、バギン・アウト(ジャンカルロ・エスポジート)がやってくる。バギン・アウトは店内の壁の写真がイタリア系の有名人ばかりで、黒人の有名人の写真が一枚も貼られていないことに怒り、ピザ屋を後にする。やがてそれが大きな問題に発展していく。
当たり前の日常が、人種問題という火種によって、一瞬の内に狂気と化す。そんなヒリヒリするような夏の日をヒップにホップに描いたスパイク・リーの代表作だ。
『ドゥ・ザ・ライト・シング』の名言
①お前、オレの新品のエアジョーダン踏んだだろ?
“You stepped on my brand-new white Air Jordans.”
「お前、オレの新品のエアジョーダン踏んだだろ?」
『ドゥ・ザ・ライト・シング』の登場人物で最もインパクトの強いキャラといえば、やはり名優ジャンカルロ・エスポジート演じる“ Buggin’ Out(バギン・アウト)”。
自分の主張がかなり強いバギン・アウトは常に身の周りのいろんなことに憤っているのだけど、そんな彼が特にブチ切れたのが、自分の新品のエアジョーダンを見知らぬ通行人に踏みつけられて、跡をつけられた時。「お前、オレの新品のエアジョーダン踏んだだろ?謝れ!」と強気でくってかかるバギン・アウトの態度から、「スニーカーってそんなに大切なんだ…」と学んだヘッズも多いはず。ちなみにバギン・アウトを演じるジャンカルロ・エスポジートは最近TikTokで「35years later, Buggin’ Out is still getting his Jordan’s scuffed!!(35年後、バギン・アウトはいまだに靴踏まれてます)」というタイトルで、このシーンを再現した動画を投稿。『ドゥ・ザ・ライト・シング』を一度でも観たことがある人なら思わずニヤッとしてしまう楽しい動画になっているので、ぜひ映画と合わせてチェックしてみてね。
②いつだって正しいことをしろ
“Always do the right thing.”
「いつだって正しいことをしろ」
スパイク・リーが演じるピザ屋のバイト“ムーキー”に声をかける飲んだくれのおっちゃん“The Mayor(メイヤー:市長)”のセリフ。この映画のタイトルにもなっている言葉だね。ピザの配達中で急いでいるムーキーの足をわざわざ止めてまでどうしても伝えたかったセリフだ。
ただ正しいことって人それぞれ。このセリフの後、メイヤーは自分の信念の通り、自分が正しいと思ったことをするんだけど、以外にもそれがあまり認められなかったりする。
またムーキーやピザ屋の店主、そしてブルックリンに住むそれぞれの人種はそれぞれの正しさを持っており、それが原因で衝突をしていたりする。
タイトルにもなっている“ Do The Right Thing(正しいことをする)”って意外に難しいことっていうのを考えさせられるセリフだ。
③憎しみ:これが原因で人間は殺し合う。愛:この5本の指が人の魂に触れる。
“ Hate: It was with this hand that Cain iced his brother. Love: These five fingers, they go straight to the soul of man.”
「憎しみ:これが原因で人間は殺し合う。愛:この5本の指が人の魂に触れる」
常に大きなラジカセを抱え、Public Enemy(パブリック・エネミー)の「Fight The Power」を大音量で流して街を歩いているラジオ・ラヒームのセリフ。左手にHATE、右手にLOVEのリングをつけたラヒームがその意味をムーキーに説明する場面だ。
『ドゥ・ザ・ライト・シング』の中でも特に印象深いセリフであり、スパイク・リー監督の多くの映画で描かれる人種差別について考える上でも重要な言葉だね
コミカルでファッショナブルな部分とスパイク・リー監督ならではの示唆的な部分が融合した『ドゥ・ザ・ライト・シング』。まだ観てない人はぜひチェックしてみてね。
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