みんな文化ディグってる?
「ストリートヘッズのバイブル」ではヒップホップ好きにオススメの映画を、作中に登場するセリフを通して紹介していくよ!今回取り上げるのはブラジルの貧困街に生きる子供達を描き、世界に衝撃を与えた映画『シティ・オブ・ゴッド(2002)』。ヒップホップのリリックでもよく出てくる “ゲットー”を描いた映画の中でも最もリアルな映画の一つだ。今回はヘッズのMUST WATCH映画『シティ・オブ・ゴッド』のセリフを紹介していくよ!
『シティ・オブ・ゴッド』ってどんな映画?
ブラジル・リオデジャネイロのスラム、 “シティ・オブ・ゴッド”が舞台。
強盗や殺人が毎日のように起き、子供が平気で銃を手に取り、殺し合う街で生きるブスカペは写真家になることを夢見る青年だ。ある日、彼は街を仕切るリル・ゼのギャング団と警察の衝突に鉢合わせる。「逃げたら、殺される。逃げなくても、殺される 」子供の頃から覚えてきたその言葉と共にブスカペの脳裏に蘇るのは“神の街”での記憶。
家族、犯罪、ドラッグ、抗争、そして甘酸っぱい恋。彼が見てきたのは毎日のように誰かが殺される地獄のような街で必死に生きぬく人々の姿だった。
『シティ・オブ・ゴッド』の名言
①神の街では逃げたら負け。立ち止まってもだ。
『シティ・オブ・ゴッド』の中でも特に映像的にも見応えのある映画冒頭の場面。街を仕切るリル・ゼのギャング団と警察の衝突に鉢合わせたブスカペが自分の街でのルールを思い出し、観客に語りかけるセリフだ。子供が銃を手に取り、簡単に人を殺すこの街では、
観客たちの常識は一切通じない。観客たちがこれからを垣間見るその世界の過酷さを一言で伝えている名セリフだ。
②どっちか選んで撃ち殺せ
物語中盤、リトル・ゼのギャング団が敵対する少年ギャング団に制裁を加える場面。少年ギャング団のアジトで2人の男の子を捕まえたリトル・ゼたちは自分のギャング団に所属する少年に2人のどちらかを撃ち殺せと命令する。本作品の中でも最も残酷で目を背けたくなるような場面だが、これがブラジルや世界のスラムで起きていること。映画を観ることができている自分たちが生きている世界とスラムという過酷な世界の違いを最も強く感じるシーンだ。
③子供?ハッパもコナも吸う。殺しも盗みもやった。大人だ!
物語中に登場する少年ギャングが敵対する組織に捕まった際に、言い放った言葉。
まだ小学校低学年くらいの子供がマリファナやコカイン、そして殺人や強盗に手を染める。そしてそれが“大人”の定義であるとする世界。それがブラジルに実在したスラム街“”Cidade de Deus(神の街)” の現実なんだ。
画像出典元:Globo Films