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「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは実在のドラッグ・ディーラー、ジョージ・ユングの破天荒な人生をジョニー・デップが演じた映画『Blow』。
『BLOW』とは?
“ボストン・ジョージ”のニックネームで、1970〜80年代のアメリカをコカイン漬けにした 伝説のドラッグ・ディーラー、ジョージ・ユングの人生を描いたクライムムービー。
主演はジョニー・デップ。さらにペネロペ・クルス、レイ・リオッタら名優が脇を固め、シンプルなギャングスタストーリーではなく、そこにある家族の絆や裏切りなども描き出す。
①ジョニー・デップが熱演!
伝説のドラッグ・ディーラーの栄光と転落
『BLOW』は、実在の麻薬密売人ジョージ・ユングの半生を描いた作品。1970〜80年代のアメリカやメキシコを舞台に、コカインで一大帝国を築き上げたジョージがやがて破滅へと向かうその波乱万丈の人生はギャング映画好きならどうしてもロマンを感じてしまうもの。ジョージを演じるジョニー・デップの圧倒的な色気はもちろんだが、“悪党”ならではの腹を括った生き様に否が応にも惹かれてしまう人も多いんじゃないかな。
②アメリカのコカイン依存と
史上最大のギャングスタ、パブロ・エスコバル
物語の舞台である1970年代〜1980年代は近代史における最大のギャングスタ、パブロ・エスコバルが麻薬王としてコロンビアに君臨していた時代。実はその麻薬王、パブロ・エスコバルからコカインを仕入れ、大量にアメリカに密輸していたのがこの映画の主人公、ジョージなんだ。当時のアメリカは”コカイン・ブーム”と言われるほどコカインが大流行しており、そのブームを作り出したジョージは巨万の富を築き上げるんだ。
③ペネロペ・クルス、レイ・リオッタ….
ジョニー・デップを支える名脇役たち
主演のジョニー・デップを取り巻くのは、ペネロペ・クルス、レイ・リオッタなどの実力派俳優たち。特にジョージの父親を演じるレイ・リオッタの演技は秀逸。ジョージが幼い時の働き盛りの壮年の姿から、物語後半での老年の姿まで見事に演じきっている。レイ・リオッタと言えば、マーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』でのマフィア役が有名だけど、今回は全く違う立場で、売人として裏社会で成り上がって行く息子に対して常に愛を持って接し続ける優しい父親を演じているよ。
④サウンドトラックから溢れ出る
哀愁のヒッピーバイブス
物語の舞台である1960年代から70年代のアメリカは、ヒッピー文化やロックミュージックが若者の間で大人気だった時代。『BLOW』ではRolling Stones (ローリング・ストーンズ)「Can’t You Hear Me Knocking(1971)」や、Cream(クリーム)「Strange Brew(1967)など60年代、70年代のアメリカ文化を彩った往年のサウンドが多く使われている。ファンクやヒップホップ以前のロックのサウンドを映画を通して知ることができるよ。
⑤犯罪映画だが
同時に家族の絆の物語
『BLOW』はドラッグディールを描いた犯罪映画なのだけど、その一方で主人公ジョージと彼の父、そして娘との絆を描いた物語でもある。映画内で、ジョージの父であるフレッドはジョージがどんな状況になっても、息子を信じ、愛し続けており、その存在はギャングの世界で生きるジョージにとって大きな支えになっている。また物語後半ではジョージ自身の娘、クリスティーナとの関係も見所のひとつ。映画内では刑務所を出たり入ったりしているジョージがなかなか娘と良好な関係を築けずにいる様子が描かれている。悪名高きドラッグディーラーとしての破天荒なライフだけでなく、息子として、そして父としてのジョージの葛藤や内面の変化を見せていることで、破天荒なアウトローのドラマでありながら、人々の共感を呼ぶ映画になっているんだ。
画像出典元:Netflix