茶導師・梅原宗直「お茶でチルする時のラップソング」|あの人も実はヒップホップ

元レゲエDJ!?異色のキャリアを持つ高野山茶導師のお茶の楽しみ方とは?

ライター:TARO

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人にインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月は和歌山県・高野山を拠点に活動する茶導師・梅原宗直(うめはら・そうちょく)さんに4回に渡ってお話を伺います。第1回目は『お茶会でチルする時のラップソング』と梅原さんのお仕事について話して頂きました。

レゲエDJから茶導師へ 異色のキャリアを持つ梅原宗直

レペゼン:
自己紹介をお願いします。

梅原宗直:
和歌山県にある世界遺産の高野山でお茶の師範をしております、高野山茶導師の梅原宗直(うめはら・そうちょく)といいます。

レペゼン:
どういったお仕事をされてるんですか?

梅原宗直:
メインは高野山での茶道体験です。
国内の観光客とインバウンド(海外からの観光客)向けに行なっています。あとは出張でいろんな場所にお茶を教えにいきますね。
例えば小学校などの学校関係、または企業さんにも茶道体験として出張に行かせてもらってます。

レペゼン:
元々レゲエのDJもされてたとお伺いしたのですが。

梅原宗直:
そうですね。
若い頃に横浜・元町とかでDJをしてました。
東京のクラブにもよく行ってましたね。

【レゲエ・アーティストとして活動していた頃の梅原さん】

レペゼン:
ご出身は横浜なんですか?

梅原宗直:
いえ、出身は和歌山です。
22歳で大阪の大学を卒業して、東京の方に出ましたね。
ちなみに大学はET-KINGのコシバKENくんと一緒やって。
彼は大学の1個上の先輩なんですよ。一番初めにレゲエのクルー組んだのがコシバKENくんでしたね笑

レペゼン:
すごい!笑
じゃあもしかしたらET-KINGにいてたかもしれないですね笑

梅原宗直:
タイミングが合えば、入っちゃってたかもしれないです笑
今でも彼とは連絡を取り合ってます。

レペゼン:
梅原さんみたいにレゲエやカルチャーが好きな茶道家の方っているんですか?

梅原宗直:
興味のある人とか、DJやってる人とかもいますよ。
ただそれを全面に出してる人って言うのは、あまりいないかもしれないですね。
僕はもう全面に出ちゃってるので笑

レペゼン:

お茶会で流すNujabes

レペゼン:
今回は「お茶会でチルする時のラップソング」をお伺いしたいです。
お茶とヒップホップというと相反しているように思われそうですが、何か合いそうな曲はありますか?

梅原宗直:
そうですね。考えたんですけど、やっぱりJazzy Hip Hopかなと。
なのでやっぱりNujabesです。

レペゼン:
良いですよね。

梅原宗直:
これはもうベタなんですけど、自分的にはめっちゃ好きやし、ヒップホップを普段聴かない方でも馴染みやすいんですよね。
結局Nujabesの「Luv(sic)」がすごくお茶の席の雰囲気には合うと思います。静かにほんのり流すみたいな感じです。

レペゼン:
良いですね〜。

梅原宗直:
Nujabesはどんな場所でもすごい使いやすくて、雰囲気に馴染むんです。
もっとハードコアなやつもたまに流したりするんすけど、お茶よりも音楽の方が勝っちゃうんですよね。
どっちかというとお茶を勝たせたいので、その意味でNujabesはすごく良いですね。

レペゼン:
Nujabesはお茶にも合うんですね。

梅原宗直:
僕は高野山で「和真庵」という飲食店をしてるんですが、そこでもずっとNujabesを流してたんですよ。
そしたらNujabesの写真を撮ってる人がたまたま高野山にいらっしゃって。
そこで「僕この写真撮ってるんですよ」みたいな交流が生まれたりしましたね。

レペゼン:
すごい!

梅原宗直:
あと海外の方がお店に入ってきたら、いきなり「Nujabes!」って言いながら、そのままめっちゃお酒飲んでうどん食べてるみたいな。

レペゼン:
ヒップホップが最初のコミュニケーションのきっかけになるってことですよね。

梅原宗直:
そうそう。それはかなり助けられましね。

Jazz Rapを流しながら体験するお茶の世界

レペゼン:
お茶の世界って技術を高める練習とかってするんですか?

梅原宗直:
しますね。
僕の場合は生徒へ教えることが自分の練習になってます。何人かいて、年齢も20代から50代まで様々なんですけど。

レペゼン:
そういうときって音楽って流したりします?

梅原宗直:
時と場合によりますね。
普通の稽古では基本流さないですが、今日はフランクにしたいなって時は流します。
例えば、お茶の世界では「初釜(はつがま)」って新年会みたいなものがあるんですけど、
その時は音楽をかけて、お酒を飲みながらお稽古してます。

レペゼン:
おもしろいですね。

梅原宗直:
正式な場で音楽かけるとしたら、三味線とかになるんですけど、それやと面白くないんでね。
現代的な音楽をかけるとか、ゆったりしたJazzy Hip Hopかける方が若い子らも馴染みやすかったりするんで。

レペゼン:
そんなお茶会だったらぜひ参加してみたいです!

 

プロフィール

  • 梅原宗直(うめはら・そうちょく)

    梅原宗直(うめはら・そうちょく)

    茶導師。世界遺産である高野山を拠点に国内外で活動している。 大学卒業後、横浜でレゲエDJとして活動した後、茶道の道へ。2009年には武家点前流派最⾼位免状「皆伝」を取得。その後は全国各地で茶席を担当する。 2018年には高野山真⾔宗総本⼭⾦剛峯寺の奥殿にて、 ⾼野⼭参与会員限定での茶席 を⼀個⼈にて初担当。奥ノ院にて⽇々執り⾏われる「⽣⾝供(しょうじんぐ)」の抹茶を 奉納・給仕監修する。 現在は高野山にてカフェ「和真庵 」を営む傍ら、海外にも活動の幅を広げており、タイやシンガポールなど東南アジアでの茶席体験も行っている。

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