ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のお気に入りの曲を毎月紹介していく「あの人の勝負曲」。今月はプロ・バスケットボール選手、牧全(まき・ぜん)さんをゲストにお迎えし、試合直前に聴く曲や家でチルする時、そして車で流す曲や初めてヒップホップに触れた思い出の曲について深堀りしていきます。第3回目の今回は「車で流す曲」です。
父親として
レペゼン:
牧さんは今北海道にお住まいということで、普段の移動は車ですか?
牧全:
車ですね。
北海道はやっぱもう車じゃないと移動できないです。
レペゼン:
その時に何か聴いてる曲とかあります?
牧全:
Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の新しいアルバム「Mr. Morale & The Big Steppers」はめちゃ聞いてますね。曲でいうと「Father Time ft. Sampha」。
去年娘できたんで、それがめっちゃしっくりきます。
レペゼン:
おめでとうございます!
牧全:
ありがとうございます。1歳になったんですけど。娘ができたタイミングであの曲を聴くと、やっぱり人生への親の影響力を感じます。親の影響力って、ほんと人の人生を変えるなと思うし。
甘やかしすぎてもダメだと思うし、ただ愛がなくてもダメだと思うし。
そういうのをすごく感じさせられるケンドリックのストレートなリリックが好きですね。
レペゼン:
リアルですね。
牧全:
リアル・リリック、リアル・アメリカすね。アメリカに住んでる黒人のルーツを持っている人だけがわかって、日本人には伝わらない部分もあるかもしれないですけど。そういうところがやっぱりリアルだなって思います。
レペゼン:
確かにそうですね。お子さんはもう立ったりしてるんですか?
牧全:
もうめちゃめちゃ立つし歩くし登るし。超かわいいっす。10か月ぐらいからもう歩いてるっすね。
意外に早いっすよ。
レペゼン:
はやっ!
さすが牧さんの娘さんですね。
牧全:
なんかすごいアクティブだし、そういう意味ではアスリートみたいになんのかなとか思っちゃいますね。
レペゼン:
バスケさせたいとかあります?
牧全:
全然ないっすね。そこは自分の好きなことをやって。っていう感じですけど、バスケやったらやったで、僕は楽しいと思いますけどね。
レペゼン:
一緒にできますもんね。
牧全:
教えることもたくさんある。
自分の娘にはたぶん、すごい甘々になっちゃうすね。
牧全の家族のルーツ
レペゼン:
お子さんといる時は何か音楽をかけてますか?
牧全:
大体ボブ・マーリーしかかけてないですね。
レペゼン:
笑
汚い言葉とかあんまりないですもんね。
牧全:
そうそう。
ようやく俺のお母さんが言ってたことよくわかるっていうか。
うちのお母さんもレゲエ好きだったんでね。
レペゼン:
そうなんですね。お母さんはどんな方だったんですか?
牧全:
アメリカ人で、フィラデルフィア出身すね。
レペゼン:
アメリカの方なんですね。
お父さんとはどうやって出会ったんですか?
牧全:
それが結構ぶっ飛んでて。
お父さんは日本人だけど、ヒッピーなんです。
それこそ昔はブラックパンサー党(*1)の人とも関わりがあったらしくて。
(*1)1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人解放闘争を展開していた政治組織
レペゼン:
ええ!結構活動家ですね。
牧全:
そうそう。
で、ある時、ネイティブ・アメリカンの人たちの抗議活動に参加して、アメリカのサクラメントくらいからワシントンDCまで徒歩で半年間歩いたらしいんです。
お父さんとお母さんは、そのネイティブ・アメリカンの抗議活動を通じて出会ったらしいです。
【お父さんとの一枚】
レペゼン:
なかなかすごい出会いですね。
ご両親は音楽好きなんですか?
牧全:
音楽好きですね。まあやっぱレゲエが好きかな。
ポップなのも好きですね。
家族の音楽センスは良いと思います。
レペゼン:
なるほど。
音楽好きなのもご両親の影響なんですね。
牧全:
ホントに。センスがよくて、ありがたいです。
牧全さんが移動中によく聴く曲はKendrick Lamar「 Father Time ft. Sampha」。
7月26日アップの第4回では初めてヒップホップに触れた曲を紹介します。お楽しみに!