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ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについてインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月はBリーグ・宇都宮ブレックスに所属するプロバスケットボール選手、遠藤 祐亮(えんどう・ゆうすけ)さんに4回に渡って、お話をお伺いしました。
前回までの記事はこちら→ プロバスケットボール選手・遠藤 祐亮のヒップホップ・バスケ道とは?
プロを目指すも、周りからは無理だと言われ…それでも受け続けたトライアウトが切り拓いた活路
レペゼン:
大学卒業後は、現在も所属されている宇都宮ブレックスに入団されると思うのですが、大学生時代からプロになりたいという気持ちはあったのですか?
遠藤 祐亮:
元々は何も考えてなかったです。プロになりたいと思うようになったのは、大学3年生の頃で、次第に関東の選抜チームに選ばれるようになったのがきっかけですね。そこに選ばれる人はその先もバスケを続けていく選手が多くて、頑張ればオレもいけるんじゃないかと思い始めたんです。
レペゼン:
なるほど。
その後はスムーズにプロになれたんですか?
遠藤 祐亮:
全然ですね。僕の世代はバスケで食べていくとしたら、大体実業団に行くか、Bリーグが統一されていなかった時のbjリーグ*とJBL*のどちらにいくかって感じだったんですが、僕はそもそも全く声がかからなくて。
*日本初のプロバスケットボールリーグ「日本プロバスケットボールリーグ」の通称。日本のバスケットボールを活性化することを目的として設立され、2005年から2016年まで開催された。
*2007年から2013年まで開かれた男子セミプロバスケットボールリーグ「Japan Basketball League(日本バスケットボールリーグ)」の略称。
レペゼン:
つらいですね…。
当時、宇都宮ブレックスの前身である「リンク栃木ブレックス」はJBLに所属していたと思うのですが、どうやって入団できたんですか?
遠藤 祐亮:
JBLから声は掛からなかったので、自分でトライアウトを受けにいってたんです。
ただ結局どこも決まらなくて。どうしようと思っていた大学4年生の2月ぐらいにブレックスの下部チームだったTGI・Dライズのトライアウトを受けて、やっと引っかかったんです。
レペゼン:
入団にあたってもかなり苦労されてるんですね。
遠藤 祐亮:
いやーもう色々な人に無理だと言われてました笑
実際、僕の周りも実業団に行く人がほとんどだったんですが、企業に勤めるのは自分的にしっくりこなくて。ずっと粘って粘って、たまたま「こういうトライアウトあるよ」っていうのを監督から言われて、行ったら受かったって感じですね。
レペゼン:
4年生の卒業ギリギリまで決まらなかったわけじゃないですか。
決まらなかったら、普通に働こうとか思ってたんですか?
遠藤 祐亮:
いや、あんまり深く考えてなくて笑
次の年のトライアウトを受けたら良いかなと笑
あと当時付き合っていた今の妻に背中を押された感じはありましたね。
レペゼン:
奥さんに?
遠藤 祐亮:
正直、自分、勉強ができるわけじゃないし、仕事もあんまり要領良くないんですよ。高校も大学もバスケの推薦で入ってて。妻は逆で勉強を頑張って、しっかり受験してってタイプだったんですけど、僕に「人より長けてるものがあるなら、それをどんどん使ってステップアップしていくべきじゃないの?」って言ってくれて。
レペゼン:
素敵な奥さんですね!
遠藤 祐亮:
そうですね。当時もかなり進路のことを相談してたし、今も応援してくれているので、感謝していますね。
憧れのプロの舞台。しかし突きつけられた現実に再び心をへし折られる
レペゼン:
Dライズに入ってからは、試合に出られたのでしょうか?
遠藤 祐亮:
シーズン入って以降何試合か出させていただいて。そしたら6試合を終えたぐらいで、ブレックスからコールアップされて、「ブレックスでプレーしてください」って言ってもらえたんです。
レペゼン:
すごい!
順風満帆ですね!
遠藤 祐亮:
それがブレックスに入ってから、全く出場できなくなったんです笑
レペゼン:
せっかく上がったのに…。
これまた心を折られますね…。
遠藤 祐亮:
正直、Dライズでのプレー期間、人生でかつてないくらい調子良かったんです。
だからブレックスに呼んでもらった時、「自分がカマすぞ」って思っていたんですが…結果出られないっていう笑
めっちゃ悔しかったですね。
レペゼン:
それはどのタイミングで、どういう努力をして出られるようになっていったんですか?
遠藤 祐亮:
2年目ぐらいから今もチームメートの田臥勇太(たぶせ・ゆうた)選手や渡邉裕規(わたなべ・ひろのり)選手が入ってきて。二人とも日本トップクラスの選手なのに、めっちゃ自主練習するんですよ。自分より全然長い時間やっていて。
レペゼン:
やはり皆さんプロ意識が高いんですね。
遠藤 祐亮:
そういった選手を間近で見ていて、こういう人たちが凄くなるのかと思って。自分もそれにくっついて練習するようになったんです。その期間が2年ぐらい続いて、やっと試合に出られるようになってきた感じですね。
レペゼン:
正直、遠藤選手、かなり下積み長いですよね。
遠藤 祐亮:
そうですね笑
下積みの方が長いかもです笑
レペゼン:
ふてくされて、もう辞めたいとはならなかったんですか?
遠藤 祐亮:
いや、1年目はふてくされてましたよ笑
ただやっぱりすごいチームメイトの背中を見て刺激を受けたのもありますし、やっぱり僕はバスケをするのが楽しかったんですよね。だから続けることができたんだと思います。
試合に出られない時に励まされたヒップホップソング
レペゼン:
そういった、試合に出られない時に励まされたヒップホップソングはありますか?
遠藤 祐亮:
THE GAME の「IT’S OKAY」ですね。
レペゼン:
懐かしいですねー!
どの辺がお気に入りだったんですか?
遠藤 祐亮:
なんだろう。すっごい熱くなる感じというか。聴いていて、なんかバスケしたくなる曲なんですよ。なので自主練の時にイヤホンで、バスケしながら聴いてました。
レペゼン:
バスケしたくなる曲ってやっぱりあるんですね。どういった曲がバスケしたくなる曲なんですか?
遠藤 祐亮:
何なんですかね笑
何がそうさせるのか笑
レペゼン:
例えばギャングスタ系がいいとか、
ウェスト・コーストかイースト・コーストかとか。
遠藤 祐亮:
リラックスしている時は結構ウエストコーストかもしれないですね。
やっぱりギャングスタ系かな。バスケしたくなるのは。
レペゼン:
50 Cent(フィフティー・セント)は?
遠藤 祐亮:
フィフティー・セントもしたくなります笑
レペゼン:
やっぱりムキムキな感じの方がバスケしたくなるんですね笑
遠藤 祐亮:
そうかもしれないです笑
周りから無理だと言われても、諦めずに食らいつき、辿り着いたプロの道。次回はいよいよ最終回。長い下積み期間を経てレギュラーの座を掴んだ遠藤選手の現在、そして目標に向け頑張る人たちへのメッセージについて語ってもらうよ!
プロフィール
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B.LEAGUE 宇都宮ブレックス所属のプロバスケットボール選手。ポジションはポイントガード・シューティングガード。千葉県出身。小学校からバスケを始め、中学校では千葉県大会2位、関東大会に出場する。高校は千葉県屈指の強豪校、船橋市立船橋高校に進学。3年生の時にはウインターカップベスト8を成し遂げる。大東文化大学を経て、2012年にリンク栃木ブレックスと育成契約を結び、TGI D-RISEに入団。1年目でコールアップされ、リンク栃木ブレックス(現 宇都宮ブレックス)に所属する。以後、強靭なフィジカルを活かしたリーグトップクラスのディフェンス力で、宇都宮ブレックスの中心メンバーとして活躍している。