ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについてインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月はBリーグ・宇都宮ブレックスに所属するプロバスケットボール選手、遠藤 祐亮(えんどう・ゆうすけ)さんに4回に渡って、お話をお伺いしました。
前回までの記事はこちら→ プロバスケットボール選手・遠藤 祐亮のヒップホップ・バスケ道とは?
ヒップホップなバイブスを感じた大東文化大学バスケ部
レペゼン:
今回は大学時代についてお伺いします。
大東文化大学に進学されたということですが、スカウトなどはあったんですか?
遠藤 祐亮:
正直、大学でバスケを続けようという感覚はあまりなくて。
レペゼン:
そうなんですね!
遠藤 祐亮:
大学には行こうと思っていたんですけど、大学の部活って激しいイメージがあるし、高校時代の練習よりきついのはもう無理だなと笑
レペゼン:
なるほど笑
遠藤 祐亮:
でも高三の時に大東文化の試合を見て、みんなちょっと悪そうな雰囲気で、凄いカッコいいなと思ったんです笑
レペゼン:
悪そうな雰囲気ですか?笑
遠藤 祐亮:
高三の時、今は「ライジングゼファーフクオカ」でプレーしている阿部友和(あべ・ともかず)さんとかが4年生にいて、めっちゃ悪そうでカッコいいなと笑
今では結構多いですけど、髪を結んでたり、アームスリーブをつけている人がいたり。あと試合前に大東文化だけヒップホップ流してたんです笑
レペゼン:
まさにヒップホップ・バイブスを感じたわけですね笑
遠藤 祐亮:
それで大東文化に行くことを決めましたね笑
年間20試合でたったの2勝…弱小底辺チームで脅威の成り上がり
レペゼン:
当時の大東文化大学は、大学リーグでどういった位置にいたんですか?
遠藤 祐亮:
ちょうど2部から1部に上がったぐらいですね。
レペゼン:
実際に入ってみてどうでした?
高校時代と比べて、厳しいとかあったんですか?
遠藤 祐亮:
大学時代は全然なかったですね。結構フレンドリーでした。
レペゼン:
1年生から結構活躍されてたんですか?
遠藤 祐亮:
活躍はしてないですけど、たまたま僕のポジション、ポイントガードの選手がその時期にあまりいなくて。空いてたところに自分が入ることができて、試合に使ってもらえた感じですね。
レペゼン:
なるほど。
実際、成績はどんな感じだったんですか?
遠藤 祐亮:
最初は全く勝てなくて。
大学リーグって年間20試合ぐらいあるんですが、1年生の時は、1部で2勝しかできなくて…。その年で2部に落ちてしまったんです…。
レペゼン:
きついですね。
2部での成績はどうだったんですか?
遠藤 祐亮:
その2部に落ちた年も最下位で…。そこでも2勝しかできなくて。
だから2年間、勝った記憶がほぼないんです。
当時は試合に行くのが本当に嫌でした笑
レペゼン:
そりゃそうなりますよね。
遠藤 祐亮:
公開処刑でしたね笑
半端じゃない大差で負けるんですよ。
しかも僕たちはベストメンバーで出てるけど、相手はサブのサブとかだったので。
レペゼン:
その後はどうなっていったんですか?
遠藤 祐亮:
もう負けすぎて、やる気もなくなって、だらだらしていた時期もあったんです。
ただそれじゃダメだと言う先輩や同級生も多くいて。
普段の練習での質を上げようとか、個人の力を上げようということで凄い量の自主練をみんなが始めたんですね。全体練習よりも自主練の方が長い時間使っているような感じで。
レペゼン:
すごいですね!
遠藤 祐亮:
その辺りから個人が伸びて、チーム力も上がっていって。どんどんビルドアップされていく感じがあって、段々と試合でも結果を出せるようになったんです
レペゼン:
では3年生以降は、試合に勝てるようになってきたと?
遠藤 祐亮:
そうですね。3年生の時は2部でほぼ負けることがなくなって。
2部から1部に昇格することができました。
レペゼン:
すごい成り上がりです。
そんなことってあるんですか?
遠藤 祐亮:
一回底辺まで行って、4年という短期間で這い上がったというのはあまりないかもしれないですね。
レペゼン:
遠藤さん的に、強くなれた一番の要因は何だと思いますか?
遠藤 祐亮:
やっぱり1、2年生の時に悔しい思いをしている選手が多くいたことですかね。
みんながその悔しさを胸に、高いモチベーションで努力することができたんで、結果に結びついたんだと思います。
バスケで勝てなかった時に励まされたラップソング
レペゼン:
大学時代のバスケ生活で励まされた曲はありますか?
遠藤 祐亮:
大学のチームメイトに、日本語ラップを好きな人が多くて。
僕も日本人のラッパーも聴くようになったんです。なので結構日本語ラップに励まされていたかもですね。
レペゼン:
一曲あげるとすれば、いかがでしょうか?
遠藤 祐亮:
SEEDAの「花と雨」かな。
レペゼン:
名曲ですよね。
どういった点が好きだったんですか?
遠藤 祐亮:
SEEDAの曲は全部そうなんですが、「花と雨」は特にストーリー性があって。どこっていうよりも、ストーリー性がすごく好きなんですよね。
レペゼン:
間違いないです。
やはり日本語ラップだとそういったストーリー性の部分もより響いてきますもんね。
遠藤 祐亮:
ラッパーって、アンダーグラウンドでやってて、苦労して成功した人が多いじゃないですか。曲もそういった曲が多いし。自分も結構そういった部分に共感するというか。
レペゼン:
遠藤さんも高校、大学でかなり苦労されてますもんね。
遠藤 祐亮:
やっぱり高校でも全然通用しないところから這い上がったりしたし、大学でも結果が出ないところから結果を残せるようになったりしたので。日本語ラップからはそういう這い上がる力をもらってますね。
屈辱の時代を乗り越え、大学バスケシーンで頭角を表してきた遠藤選手。次回はプロ入り時の苦労、そして宇都宮ブレックス入団、プロの洗礼などについて聞いていくよ!お楽しみに!
プロフィール
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B.LEAGUE 宇都宮ブレックス所属のプロバスケットボール選手。ポジションはポイントガード・シューティングガード。千葉県出身。小学校からバスケを始め、中学校では千葉県大会2位、関東大会に出場する。高校は千葉県屈指の強豪校、船橋市立船橋高校に進学。3年生の時にはウインターカップベスト8を成し遂げる。大東文化大学を経て、2012年にリンク栃木ブレックスと育成契約を結び、TGI D-RISEに入団。1年目でコールアップされ、リンク栃木ブレックス(現 宇都宮ブレックス)に所属する。以後、強靭なフィジカルを活かしたリーグトップクラスのディフェンス力で、宇都宮ブレックスの中心メンバーとして活躍している。