WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.256の今回取り上げる英語は “boombap(ブーンバップ)”。「ハードなベースドラムに強いスネアやハイハットが組み合わされたビート」のことだ。特に80〜90年代のニューヨークのラップでよく使われていたビートジャンルだね。今回も人気ラッパーたちのリリックから”boombap” の意味を学んでみよう!
まず紹介するのは、Logic(ロジック)の「Wu Tang Forever」!
Logic「Wu Tang Forever(2018)」
Ayo, ayo, Wu-Tang forever, who rhyme better?
We too clever, the boom bap’s back, harder than everウータンよ、永遠に。ライムがうまいやつは誰だ?
オレたちは賢すぎるのさ、ブーンバップが戻ってきた、これまでになくハードだぜ
ロジックがリスペクトしてやまないWu-Tang Clan(ウータン・クラン)とコラボした一曲。ぶっといブーンバップビートに乗せるロジックのラップはbetter(良い)、clever(賢い)、ever(これまで)でこれでもかというほどに固い韻を踏んでいるね。やっぱりハードなブーンバップビートにはハードなライミングが合うぜ。
続いては9月に日本公演を控えるJoey Bada$$(ジョーイ・バッドアス)の「FromdaTomb$」!
Joey Bada$$「FromdaTomb$(2012)」
Young villain hop up on the track then the track doomed
Click-clack-boom, resurrecting boom-bap from the tombs若い悪党がトラックに飛び乗る、そのトラックは破滅する運命にあるのさ
カチカチ、ブーン。ブーンバップ墓場から蘇らせるぜ
ジョーイ・バッドアスの高次元なライミング。
まず“Young villain hop up on the track then the track doomed(若い悪党が線路に飛び乗る、その線路は破滅する運命にあるのさ)” の“Young villain(若い悪党)”とはバッドアス自身を指すと同時にレジェンドラップ・デュオ“Madvillain”を指す言葉。
“Madvillain”はラッパーのMF DOOM(MFドゥーム)とプロデューサーのMadlib(マッドリブ)によるデュオであり、特にMFドゥームのリリックはラップ詩の最高峰とされている。
つまりここでバッドアスがラップしてるのは、彼がtrack(ラップのトラック)に飛び
のれば、まるでMFドゥームがラップしてるようにかませるぜってことなんだ。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」Vol.256のラスト飾るのは、Boom-bapと言えばこの人、KRS-One(ケアレス・ワン)の「Sound of da Police」!
KRS-One「Sound of da Police(1995)」
Now here’s a likkle truth, open up your eye
While you’re checkin’ out the boom-bap, check the exerciseさぁ真実のお披露目さ、目をしっかり開けときな
ブーンバップをチェックしながら、このエクササイズもチェックしときな
1993年のアルバム「Return of the Boom Bap」で「ブーンバップ」という言葉を世の中に認知させたとKRS-Oneのクラシック。リアルを語るケアレスのブーンバップをしっかり聴きながら、彼の言葉のエクササイズもチェックしときなって感じだね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。