今回紹介するスラング
bitch
性格の悪い女、女、親しみをこめた女性同志の呼び名
目 次
WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.239。
今回取り上げる英語は「bitch(ビッチ)」。日本では「あばずれ女、尻軽女」という意味で使われている言葉だけど、実はこれは間違い。
アメリカでは「性格の悪い女、女、親しみをこめた女性同志の呼び名」など日本とは違った意味で使われているんだ。
今回はUSラッパーたちのリリックから、「bitch」の使い方をチェックしていこう!
まず紹介するのは Post Malone(ポスト・マローン)の大ヒットソング 「Rockstar」!
Post Malone「rockstar ft.21 Savage(2018)」
Green hundreds in my safe, I got old racks (Old racks)
L.A. bitches always askin’, “Where the coke at?” (21, 21)オレの金庫の緑の数百枚、古いラックスも持ってるぜ
LAの女どもはいつも聞いてくる、“コカインはどこ?”って
「rockstar」から21 Savage(トゥエニーワン・サヴェージ)のリリック。
「ビッチ」は“L.A. bitches always askin’, “Where the coke at?(LAの女どもはいつも聞いてくる、“コカインはどこ?”)”のラインで出てきてるね。ここでの“bitch”は「女の子」という意味で、日本語の「ギャル」みたいな感覚の使われ方だ。トゥエニーワン・サヴェージはもともとドラッグ・ディーラーとしても活動していたラッパー。つまりLAのギャルたちが彼にドラッグのことを聞いてくるというのは、トゥエニーワンならではのハードな自虐ネタというわけだ。
“green hundreds(緑の数百枚)”はアメリカのドル紙幣を意味する英語。ドル紙幣は緑色であり、USラップの世界で“green(緑)”という単語はドル札を表すスラングとしてよく使われているんだ。また“ I got old racks(古いラックスも持ってるぜ)”で歌われている「古いラックス(札束)」とは2013年に発行された新紙幣(真ん中に青色のストライプが入ってるもの)以前のドル札のことだ。
つまり「I got old racks(古い札束を持っているぜ)」というのは、昔のドラッグを捌いてた時の金をまだ持っているぜという意味にも取れるよね。
続いては、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)とCity Girls(シティ・ガールズ)がコラボした一曲、「Do It On The Tip ft. City Girls」!
Megan Thee Stallion「Do It On The Tip ft. City Girls(2020)」
Top-notch bitch, I’m A-listed (Huh?)
This City Girl shit, can’t flex like this一流のビッチ、私ならAリスト
シティ・ガールズのやり方、こんな見せつけ方できないでしょ
「Do It On The Tip」 から City Girlsのヴァース。
ここでのビッチはかなり肯定的な使い方だ。top-notchは「一流の」という意味で、
“Top-notch bitch”で「一流の女、ギャル」といった意味になるんだ。そして最高級ランクであるAリストのビッチでもあるシティ・ガールズたちのやり方は他の人にはなかなか真似できないってわけだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送るラスト「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.239は最強ビッチ、Cardi B(カーディ・B)のCardi Bの「I Like It」でビッチの使い方をチェキ!
Cardi B, Bad Bunny & J Balvin「I Like It(2018)」
Flexing on bitches as hard as I can.
Eating halal, driving the Lam’.
Told that bitch I’m sorry thoughビッチたちにガチで見せつける。ハラルを食べて、ランボルギーニでドライブ。
あのビッチには言ってやったけどね。ごめんねって。
カーディ・Bからヘイターの女の子へ向けての挑戦状的なリリック。
今はUSラップシーンでもトップクラスの稼ぎ頭となったカーディは自慢の愛車、ランボルギーニでハラルを食べながらドライブする。ちなみにカーディ自身は運転はしないそうなので、ランボルギーニにはしっかり運転手付きってわけだ。そして出てくるのが「bitch」。最初の“Flexing on bitches as hard as I can(ビッチたちにガチで見せつける)”と“Told that bitch I’m sorry though(あのビッチには言ってやったけどね。ごめんねって。)”で出てくるけど、どちらかと言うと、自分の嫌いな子に対して言っている感じなので、これは「性悪女」の意味に近いよね。
こんな感じで「ビッチ」は状況に応じてさまざまな意味に変わる単語。
みんなも英語で話す時は、相手や状況を考えて、気をつけながら使ってみよう!
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。