「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回紹介するのは昨今空前の盛り上がりを見せるアルゼンチン・トラップ・シーンの帝王 Duki( デュキ)の成り上がりストーリーと知られざるパーソナリティーに迫ったドキュメンタリー『ロックスター: デュキ、フロム・エンド・オブ・ザ・ワールド』!!
『ロックスター: デュキ、フロム・エンド・オブ・ザ・ワールド』は?
ヒップホップ史上最強クルー、ウータン・クランの実話に基づいたドラマシリーズ。ドラッグが蔓延していた90年代初頭のニューヨークを舞台に、RZA(レザ)ことボビー・ディグスを中心に、音楽と犯罪の間で揺れ動く12人の若者が一つのクルーとなっていき、世界的なラップグループとして成功していく様子を描く。
『ロックスター: デュキ、フロム・エンド・オブ・ザ・ワールド』を見るべき5つの理由
①アルゼンチン・トラップとは?
サッカー大国として有名なアルゼンチン。サッカー界の生きる伝説・メッシを筆頭に、“神の手”で知られるマラドーナなどサッカーファンならずとも一度は名前を聞いたことがある名プレーヤーたちを多く輩出してきた国だ。
実はそんなアルゼンチンで近年大きなムーヴメントになっているのがヒップホップ。特にトラップ・ミュージックなんだ。元々ヒップホップ文化自体は1980年代に映画『ワイルド・スタイル』などを通してアルゼンチンには伝わってきており、ラップ文化自体はずっとあったものなんだけど、それが特に巨大化したのが2010年代。
若者たちの中でフリースタイルラップバトルが大流行、次第に大きな大会が開催されるようになり、さらにそれがYouTubeなどの動画サイトで拡散。バトルでの優勝者が絶大な人気を得るようになっていっていったんだ。そんな2010年代のフリースタイルラップバトルのムーヴメントが生んだ最大のスター、それが今回のドキュメンタリーでフィーチャーされているラッパー、デュキだ。
②フリースタイルラップバトルから
成り上がったスーパースター、デュキ
アルゼンチンのトラップ・シーンにおいて名実共に“帝王”として君臨するスーパースター、デュキ。彼がその名をシーンに知らしめたのがブエノスアイレスで開催されていた伝説的ラップバトル・イベント「El Quinto Escalón」だ。
元々ラップ好きのキッズたちによって公園で開催されていた100人程度のイベントだったのだけど、回を重ねるごとに参加者と観客が増え、最終的には2,500人を超えるブエノスアイレスのラップシーンを代表するイベントに。インターネットで公開されるラップバトルの動画もバイラルヒットし、このイベントから多くの人気ラッパーたちが生まれることになる。現在世界的な人気を得るラッパー/ シンガーであり、A Boogie Wit da Hoodie(エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディ)とのコラボ曲「Party」でも知られるPaulo Londra(パウロ・ロンドラ)なども元々は「El Quinto Escalón」出身だ。
デュキはこの「El Quinto Escalón」で2016年に優勝。オリジナリティ溢れるフローで当時の若者たちから絶大な人気を得た彼はその後楽曲制作に着手し、「No vendo trap」「She Don’t Give a FO」「Hello Cotto」などヒット曲をリリース、アルゼンチン・トラップシーンのスターになっていったんだ。
③スーパースターを支える
家族や仲間たちの絆
アルゼンチンのヘッズたちが憧れるスーパースター、デュキ。『ロックスター: デュキ、フロム・エンド・オブ・ザ・ワールド』ではそんなスターのパーソナルな部分にも迫っている。特にデュキを支える家族のメンバーたちへのインタビューは超貴重。デュキの実の兄であり、アートプロデューサーとしてコンサートのアートワークと制作の調整を手がけるナウエルいわく小さい頃から“気難しいヤツ”で、“反抗的”で“問題児”だったというデュキ。
ラッパーとして売れてからもドラッグへの依存などで度々精神的、フィジカル的に困難な状況に直面していた彼を常に支えてきたのが家族のメンバーだ。デュキの母サンドラはマネージャーとして、そして父のギレルモはツアーに帯同するなどしてデュキを献身的に支え続けてきた。この家族の絆、そして支えがあったからこそデュキはアルゼンチンを代表するアーティストになることができた。
『ロックスター: デュキ、フロム・エンド・オブ・ザ・ワールド』はビッグになっていく青年を支え続けた家族の物語としても見応えのある作品なんだ。
④アルゼンチン最大のライブ会場
「リーベル・プレート・スタジアム」でのワンマン
今回の『ロックスター: デュキ、フロム・エンド・オブ・ザ・ワールド』ではそんなデュキのキャリア最大のチャレンジとなった「リーベル・プレート・スタジアム」でのワンマンライブに密着。「リーベル・プレート・スタジアム」は約8万人を収容できるアルゼンチン最大のライブ会場であり、などの世界的スターがコンサートを行う場所だ。デュキはアルゼンチン出身のトラップ・アーティストとして初めて「リーベル・プレート」でコンサートを行い、さらにチケットをソールド・アウトさせるという偉業を成し遂げる。まさに歴史的偉業と言えるワンマンライブ開催までの徹底した準備や、デュキが大きなプレッシャーを乗り越えていく様はマストチェックだね。
⑤アルゼンチン・トラップシーンのチェックに
デュキを筆頭に空前の盛り上がりを見せるアルゼンチン・トラップシーン。デュキを輩出したフリースタイル・ラップ・シーンもここ数年大きなムーヴメントを作り出しており、アルゼンチンを含む南米では数千人の観客を集めた大規模なフリースタイル・ラップ・バトルの大会が多く開催されている。
特に南米全域から選ばれたラッパー達がスペイン語圏最強の称号をかけて行うラップバトルである、FMS Internacional(Freestyle Master Series)やBatalla de los Gallosなどの観客は1万人以上。そのバトルのライブストリーミングの視聴者は数百万人を超えるなどまさに桁違いのスケール感なんだ。
デュキと同じようにバトルシーンで活躍し、プロップスを得るラッパーがいる一方、元グラフィティ・ライターで、ハイパー・ポップ的なエッセンスを取り入れたサウンドでカリスマ的な人気を得るフィメール・ラッパー、Saramalacara(サラマラカラ)などシーンの奥行きがとても深いアルゼンチン・トラップシーン。ぜひこのドキュメンタリーと合わせてチェックしてみてね!
出展元:Netflix
配信先:Netflix
