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「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは2010年代後半のアジアン・ヒップホップの盛り上がりを捉えたドキュメンタリー『Asia Rising: The Next Generation of Hip Hop』。
『Asia Rising:
The Next Generation of Hip Hop』とは?
2010年代後半のアジアン・ヒップホップの躍進にフォーカスしたRed Bullのドキュメンタリー。
当時シーンを席巻していたレーベル・メディア「88rising」のメンバーである Rich Brian、Higher Brothers、Jojiなどから、現在も絶大な人気を誇る Awich や Jin Dogg といっラッパーまでアジアをレペゼンするアーティストたちを取材。彼らのバックグラウンドから当時のシーンの状況までを掘り下げた貴重な映像作品だ。
①アジアという新たなヒップホップの震源地
1973年8月、ニューヨーク・ブロンクスで誕生したヒップホップ。誕生から約50年、そのカルチャーは全世界に広まり、今では世界各国で地域や国の特性を活かしたヒップホップカルチャーが盛り上がりを見せている。中でも特に近年大きなインパクトを残しているのが、アジアのヒップホップカルチャー。特に2016年頃からの「88rising」の快進撃だ。
②「88rising」が起こした革命
2015年、アジア系アメリカ人であるSean Miyashiro とJaeson Ma によって立ち上げられた音楽レーベル&メディアカンパニー「88rising」。インドネシアのただのラップ好き青年だった Rich Brian の発掘と「Dat $tick」の世界的なヴァイラルヒット、さらに Higher Brothers や Niki、そしてJojiなどのプロデュースやマネジメント。それらが巻き起こしたアジアン・ヒップホップの旋風は凄まじく、特にRich Brianのデビューアルバム「Amen」はビルボード200で18位、Jojiのアルバム『Ballads 1 (2018)』 『 Nectar (2020)』にいたっては両方とも3位にランクインするいう快挙を成し遂げたんだ。従来アジア系ヒップホップアーティストがなかなか食い込むことが難しかったビルボードチャートの上位にランクインしたことは歴史に残る偉業。ヒップホップ産業における地図に”アジア”という地域を書き加えたのと同時に、ヒップホップを愛するアジア系の人々のための新たな居場所を作ることに成功したんだ。
③ Awich や Jin Dogg への
貴重なインタビュー
幅広い層から絶大な人気を誇るラッパーである、AwichとJin Dogg。彼らがシーンを席巻し始めたタイミングもこのドキュメンタリーが撮影された2010年代後半だ。そんな時期の貴重なインタビューを観ることができるのもこの作品の大きな見所。彼らのバックグラウンド、そしてヒップホップへの熱い思いなどを知ることができる。特にAwichは今年はFERGやLupe Fiascoとコラボ、Wu-Tang Clan・RZA全面プロデュースによるアルバム『Okinawan Wuman』をリリースするなど海外での展開を本格化。そんな彼女の現在の動きのルーツとなる思いにぜひこの作品を通して触れてみて欲しい。
④ 現在のアジアヒップホップの
盛り上がりの起点
今年10月には横浜で巨大ヒップホップフェス『FORCE Festival』が開催され、大成功を収めるなど大きな盛り上がりを見せる日本のヒップホップシーン。千葉雄喜の「チーム友達」の世界的なヒットなども含め、日本とアメリカ、そして海外のシーンが近くなってきているよね。そんな今だからこそ、この「Asia Rising」で改めてこの数年間のアジアンヒップホップの流れを振り返ってみると現在の盛り上がりに繋がる新たな発見があるかも?
⑤ 世界に目を向けるきっかけに
日本にいると、日本とアメリカのメインストリームシーンだけに注目しがちだけど、すでにヒップホップはグローバルなカルチャーだし、ラップに限らず、ダンスなどもアジア圏で大きな産業になってきている。「Asia Rising」では日本、韓国、中国、インドネシア、ベトナムなどアジア諸国のシーンの状況が紹介されており、それぞれの特色を見るだけでもめちゃおもしろい。
これからのアジアンヒップホップのさらなる盛り上がりにキャッチアップしていくためにも、必見の作品だね。
画像出展元:Red Bull
