『You Got Served』を観るべき理由|ストリートヘッズのバイブル Vol.151

2000年代ストリートカルチャーに大きな影響を与えた伝説のダンスムービー

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは世界に大きな影響を与えたストリートダンス映画『You Got Served』!

『You Got Served』とは?

ストリートダンスに人生を賭ける若者たちを描いた青春ダンスムービー。ロサンゼルスで暮らすデビッド(オマリオン)は、親友エルジン(マーカス・ヒューストン)とクルーを組み、ストリートダンスバトルに明け暮れる青年。彼らのチームはアンダーグラウンド・ダンスバトルの常勝チームで、地元では一目置かれる存在だ。ストリートの様々なトラブルに巻き込まれながらも、ダンサーとして成り上がるために日々切磋琢磨する二人の元に、大きなチャンスの話を舞い込んでくる。MTV主催の大きなダンスバトルコンテストが開催され、なんと優勝チームには賞金5万ドルと超有名ラッパーのミュージック・ビデオ出演権が与えられるというもの。果たしてデビットとエルジンはライバルチームを倒し、賞金とMV出演権を勝ち取ることができるのか?史上最高峰のダンスバトルの火蓋が今、切って落とされる!

①世界が衝撃を受けた
超絶スキルのストリートダンス映像

この映画の魅力は何といっても、その超絶スキルのストリートダンス。出演しているダンサーたちは皆アメリカを代表するスーパーダンサーたちであり、アンダーグラウンドのレジェンドから、世界的アーティストの振り付けを務めるトップコレオグラファーまで、当時のシーンにおける最高峰のダンサーたちが集結しているんだ。特に冒頭のダンスバトルシーンは圧巻。2000年代のクラブバンガーには欠かせなかった最強 “Hype Man(ぶちあげ担当)”、Fatman Scoop(ファットマン・スクープ)の野太いシャウトが、2000年代最大のプロデューサーの一人、Timbaland(ティンバランド)のビートに乗ったハイエナジーな一曲「Drop」に合わせて、2組のダンスチームが半端ない振り付けのバトルをかましあう場面は、当時のキッズたちの心を鷲掴みにした名シーン。ストリートダンスのことを全然知らなくても、一気に魅了されてしまうこと間違いなしだ。

②2000年代を彩った
スーパースターたちの共演

2000年代を席巻したシンガー、ラッパーたちが多く出演しているのもこの映画の見所。
まずはR&Bグループ、B2K。リードシンガーである、Omarion(オマリオン)を中心に、J-Boog(J・ブーグ)、Raz-B(ラズ・ビー)、Lil’ Fizz(リル・フィズ)というダンサー顔負けの踊れるメンバーを集めたスーパー・グループだ。本映画では主演も務めたオマリオンはその後2005年にソロデビューすると、デビューアルバム『O』が大ヒット。R&Bアイコンとして不動の地位を築いたよね。そしてオマリオンとW主演を務めたのがこちらも2000年代R&Bを語る上では欠かせないシンガー、Marques Houston(マーカス・ヒューストン)。 「That Girl」や「Circle」のヒットソングなどで知られるスーパー・スターだ。この2人がダンスグループのリーダーとして登場するのだが、とにかくダンスが上手いのよ…!この二人のダンスだけでも必見の価値ありだ。ちなみにクライマックスのダンスバトルコンテストで審査員として登場するフィメール・ラッパーの先駆けとして当時絶大な人気を誇っていたラッパー、Lil’ Kim(リル・キム)。本人役として登場しているので、ぜひチェックしてみてね。

③ヒップホップ、ブレイク、ロック、ポップ…
様々なストリートダンスにフィーチャー

今では日本でもポピュラーになったストリートダンスだけど、映画が公開当時の2000年代初頭はまだそこまで一般への認知度が高くなかった時代。そんな時代にストリートダンスの各ジャンル、ヒップホップ、ブレイク、ロック、ポップなどをここまで正面から取り上げたダンス映画はなかったんだ。そんな中で公開された『You Got Served』は世界中で大きな話題に。日本でも『You Got Served』観て、ダンスを始める人が多くいたんだ。まさに今のストリートダンスの盛り上がりの火付け役となった映画ってわけだね。

④ダンスだけではなく、
ストリートのハードな部分も

『You Got Served』が素晴らしいのは、ただのダンス映画ではなく、しっかりヒップホップ、ストリート的な側面も描いているところ。主人公のエルジンとデビッドはダンサーとしての食べていくことを夢見てはいるが、実際はなかなか稼げず、時折ドラッグの運び屋として金を稼いでいる。また彼らのダンスチームのマスコット的存在だった少年ダンサーのLil Saint(リル・セイント)はストリートでの銃撃に巻き込まれて亡くなってしまう。そういったアメリカのフッドで起きている現実もしっかり描いているからこそ、“ストリートダンス”を取り扱った映画としての説得力がある作品になっているんだ

⑤ 踊りまくりたいサウンドトラック

ヒップホップ映画、そして何よりダンス映画ということで、そのサウンドトラックはもちろん踊りたくなるDOPEなダンスチューンばかり。冒頭ダンスシーンで使われている「Drop」はもちろん、 Aceyalone「Find Out」やJoe Budden「Pump Up」、そして2000年代を代表するラップスター、M.O.P.のブチ上げソング「Ante Up」など映画内のダンスに合わせて思わず身体が動き出してしまいそうなダンサブルな曲が盛りだくさん。主演を務めるB2K、そしてマーカス・ヒューストンの曲なども含めて音楽的にも2000年代のブリンブリンバイブス満点のヒップホップソングを楽しむことができる。まだ観たことがない人はぜひこの機会に2000年代最高峰のダンス × 音楽のエンターテイメントをチェックしてみて欲しい。

 

画像出展元 :ソニーピクチャーズ
配信先:Amazon Prime

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