WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.364の今回はラッパー、YZERR氏が手がけるヒップホップ・フェス『FORCE Festival』開催記念特集の第5弾。日本ヒップホップ史に残る素晴らしいフェスティバルとなること間違いなしの『FORCE Festival』に出演する世界的なアーティストたちのリリックを紹介していくよ!
今回取り上げるのは10月3日に出演予定、2010年代後半のEmo Rap(エモ・ラップ)ムーヴメントを牽引したラッパーの一人である Trippie Redd(トリッピー・レッド)。XXXTENTACION(エックス・エックス・エックス・テンタシオン)やJUICE WRLD(ジュース・ワールド)らとのコラボ作で数々のヒットソングを世に送り出してきたエモ・ラップの最重要人物だ。
まずは紹介するのは、彼の名前をシーンに知らしめたミックス・テープ『A Love Letter to You』のリードシングル、「Love Scars」!
「Love Scars(2016)」
Playin’ games with me, shawty, this is not no scrimmage, scrimmage
Swear that I did it, did it, I do it, I does this, I does it, ayy
Shout out my bloody, my whoadie, lil’ nigga, and shout out my bousinsオレとしてる試合、ベイビー、これはスクラムじゃない
誓うぜ、オレはやってきた。今もやってるし、やれるんだ
ブラッディーや仲間たちにシャウトアウト、ちびたち、そしてボズンたちにも
トリッピー・レッドのフロウの幅広さを感じさせる一曲。 “scrimmage”はアメフトのスクラムを意味する単語だ。実はトリッピー・レッドはアメフトをやっていた時期があるらしく、恋愛はスポーツじゃないよってことを歌っているって感じだね。また後半で出てくる“bloody”は本来「血まみれの」といった意味の単語なのだけど、“my bloody(オレのブラッディー)” という使い方から、トリッピーの出身ギャングと言われているBloods(ブラッズ)を暗示しているともとれるよね。Bloods のメンバーは赤色の服を着用することに加えて、対抗組織であるCrips(クリップス)の頭文字「c」の使用を避けることで有名であり、実際にこの歌詞でも本来 “cousins(カズンズ:いとこ達)”と思われる単語が、“bousins”と表記されているよね。
ランダムな言葉の配置ながら、実は様々な要素を入れ込んでいるトリッピー。それを成立させれているのも、彼の高いヴォーカル能力があってこそって感じだね。
続いては2019年リリースのXXXTENTACION、PnB Rock(PnB ロック)との一曲「bad vibes forever」!
「bad vibes forever(2019)」
I said, “Hey, put your pride right to the side”
I can waste your time or I can change your life, I said now
Oh-oh-oh, shawty, where you goin’?
I just need one moment, so baby, keep your focus
I said, stay, stay, babe
Stay, stay with me「ねぇ、プライドは脇に置いときなよ」オレはそう言ったよな
君の時間を無駄にすることもできるし、君の人生を変えることもできる、そう言ったよなベイビー、どこに行くんだい?
一瞬でいいんだ、集中してくれよ
ここにいてくれよ。そう言ったんだ
オレと一緒にいてくれよ
エモいぜ…。従来のラップソングではなかなか歌われなかった男性の弱い部分をオープンにかつエモーショナルに歌い上げているトリッピー・レッド。会場で歌われたら、ぜひ一緒に合唱したい一曲だ。
ラストは2023年の一曲、「Took My Breath Away ft. Skye Morales」!
「Took My Breath Away ft. Skye Morales」
Uh, party promoters look at me differently now
Any nigga taxed me, probably payin’ me, triple it now
Brodie got me workin’, get a bag and we dip out of town今はパーティーのプロモーターもオレを違う目線で見てるぜ
みんな税金をかけてきたし、多分支払いもしてるし、今や三倍だぜ
あいつらはオレを働かせる、バッグを持って、こっそり街を出ようぜ
1970年代から80年代にかけて活躍したシンガー、Melba Moore(メルバ・ムーア)の 「Livin’ For Your Love」をサンプリングしたメロウなトラックが心地良い一曲。
10代でデビューして以来、ラッパーとして着実にキャリアを築いてきたトリッピー・レッドは今も人気ラッパーとして大忙し。働くのも良いけど、たまにはこっそり街を出て旅にでも出かけたいぜって感じだね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。
こんなスラングも知ってる?
boo
愛しい人

番外編
2000年代名盤特集「T.I. - KING 」

stunna
いつもおしゃれな服や高価なジュエリーを身につけてるイケてるやつ
