ドキュメンタリー『Hip-Hop Evolution』を観るべき理由|ストリートヘッズのバイブル Vol.127

50年以上に渡るヒップホップの歴史を深く理解できるドキュメンタリー

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは『Hip-Hop Evolution』。ヒップホップ音楽の歴史を、ニューヨーク、ロサンゼルス、アトランタなど各重要地域のキーパーソンたちとなるアーティストへのインタビューか掘り下げて行くドキュメンタリーだ。

『Hip-Hop Evolution』とは?

ヒップホップ音楽の誕生と進化を4シーズンに渡って描いたドキュメンタリー。カナダ出身ラッパーのシャッドが、アメリカ各地を周り、ヒップホップ音楽のレジェンドたちに直接インタビュー。1970年代のニューヨーク・ブロンクスでの誕生から、各地域での進化、そして現在に至るまでのヒップホップの歴史を辿る。

①50年以上に渡るヒップホップの歴史を深く理解できる

現在ではアメリカで最も聴かれている音楽のジャンルの一つとであり、世界的にも音楽の主流となっているヒップホップ、ラップミュージックだけど、元々は1970年代のブロンクスのブロック・パーティーから始まった文化。『Hip-Hop Evolution』ではその歴史をレジェンド・アーティストたちのインタビューから体系的に知ることができる貴重なドキュメンタリーだ。

②オリジネーターから時代を彩った
あのヒットメイカーも。超豪華な出演陣

 『Hip-Hop Evolution』の魅力はなんといっても、その豪華な出演人。Grandmaster Flash、DJ Kool Herc、Afrika Bambaataaといったオリジネーターから、Run-DMC、Snoop Dogg、Ice Cube、Mos Defといったレジェンド、そしてTimberlandやLil Jonなど時代を彩ったプロデューサーまで実際に本人が出演し、当時のシーンを語っているんだ。

③地元をレペゼンする
音楽であるヒップホップ

ラップミュージックは地域ごとに全く音楽性が違うもの。ニューヨークのリリシズムやブーンバップサウンド、そしてロサンゼルスのギャングスタ・ライフやドクター・ドレーのG-Funkサウンド、そしてサウス(アトランタ、ヒューストン)のパーティ・バイブスやリル・ジョンらによるクランクミュージックなどの形成過程をその土地の地域性や風土から解説してくれることでより音楽に対しての理解を深めることができる。

④ブラック・ミュージックへの理解

ヒップホップ文化はアメリカの黒人奴隷制、そしてそこから発展したジャズやファンクなどブラック・ミュージックがベースとなって生まれたもの。例えばシーズン4で紹介されるニューオーリンズのラップシーンの形成では、現地の音楽カルチャー“ガンボ”の紹介や、奴隷制時代の状況などを含めながら紹介されている。

奴隷制やブラック・ミュージックの歴史的背景を知らずして、ヒップホップ文化を本質的に理解することはできないし、やっぱり背景を知れば、自分が今聴いている音楽をより楽しむことができるよね。

⑤カルチャー革命、ヒップホップのリアル

今では音楽だけでも留まらず、ダンスやアートなどあらゆる側面で大きな影響を与えてるヒップホップ。まさにカルチャーの革命と言えるヒップホップ文化だけど、1970年代の誕生以降、さまざまな段階を経て、現在の隆盛につながっている。そしてそれはその時代時代で死に物狂いで新たなアートを築き上げてきた先人たちの功績があってこそ。

時代を築いたアーティストたちの努力や発想などを学べるのはヘッズとしてはたまらないよね。

画像出典元:Netflix

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