パンチラインで観る映画『mid 90s』|ストリートのヘッズのバイブル Vol.95

スケートボードを通して描かれる少年たちの心の繋がりの物語

ライター:TARO

みんな文化ディグってる?
「ストリートヘッズのバイブル」ではヒップホップ好きにオススメの映画を、作中に登場するセリフを通して紹介していくよ!今回取り上げるのは『mid 90s』。今回は『mid 90s』から君のマインドをインスパイアするセリフを3つ取り上げるよ!

『mid 90s』ってどんな映画?

舞台は1990年代半ばのロサンゼルス。母と兄と暮らす13歳のスティーヴィーは兄からいつもボコボコにされている小柄な少年。日々の生活に嫌気がさしているスティーヴィーは、ある日、街のスケートボード・ショップの前でスケートをしてる少年たちを見かける。彼らの何ものにも捉われない生き様に惹かれたスティーヴィーはスケートショップに通い始め、次第にスケーターたちと仲良くなっていく。

『mid 90s』の名言

①オレはワルだぜ。お前はガキ。

“ I’m a fuckin’ baddass. You’re a little ass kid.”

スケートボードショップで溜まるようになったスティーヴィー。歳の近いルーベンと仲良くなった彼はルーベンからタバコを教えてもらう。年下のスティーヴィーに対し、先輩風を吹かせるルーベンのセリフがこちらだ。スティーヴィーに対し、「オレはタバコを吸う、スケートができて、女とヤる」と自分がいかに“baddass(ワル)”かをアピールするルーベン。自分を強く、大きく見せようとする気持ちは誰しもが持っているものだし、特にストリートではそれが求められる時もある。そんなストリートのキッズの気持ちが垣間見えるセリフだね。

②サンバーンはイカれてる。

” Sunburn is fucking insane! “

次第にスケーターたちと仲良くなり、スケーターネームも“サンバーン”に決まったスティーヴィー。ある日、仲間たちと屋根の上のオープンセクションをスケートでジャンプして飛び越えるトリックにチャレンジしていたのだけど、ジャンプに失敗、地上にあったテーブルに叩きつけられ、大怪我をしてしまう。しかしトリックに挑戦したその勇気がかわれ、年上のスケーターから認められることに。“サンバーンはイカれてる(Sunburn is fucking insane)”はスティーヴィーにとっては最大の褒め言葉ってわけだね。

③オレたちは自分の人生が最悪だと思う。けど他のやつらの生活を見ると、それよりマシだと気づく。

“A lot of the time we feel that our lives the worst, but I think that if you looked in anybody else’s closet, you wouldn’t trade your shit for their shit.”

自分の人生に嫌気がさしているスティーヴィーに対して、先輩スケーターのレイがかけた言葉。日々なにものにもとらわれず、自由に生きているように見えるスケーターたちも一人一人いろんなものを抱えている。貧乏すぎて靴下を買う余裕するすらないやつ、親から殴られているやつ、ドラッグや酒に溺れているやつ。それぞれが持つ悲しみをスケートボードを通してお互いが共有し、癒やされていく。それがスケートボードというカルチャーが持つ力なんだ。

スケートボードを通して描かれる少年たちの心の繋がりの物語『mid 90s』、まだ観てない人はぜひチェックしてみてね!

画像出典元:A24

配信先:U-NEXT

 

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