WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.121は、女性として、そしてアフリカとインドにルーツを持つアメリカ人として、史上初めてアメリカの副大統領候補に選出されたカマラ・ハリス特集。
今回は、今世界が最も注目する女性であるカマラのヒップでホップな魅力をチェックしていくぜ!
生い立ち
1964年10月20日、カフリフォルニア州オークランドでインドからの移民で乳がんの研究者だったシャーマラと、カリフォルニア大学バークレー校で経済学を学ぶために渡米していたジャマイカ人のドナルドの元に生まれたカマラ。カマラの名は、ヒンドゥー教の女神ラクシュミーの別名から名付けられたもので、サンスクリット語で「蓮の女性」を意味するんだって。
その後、彼女が7歳のときに両親は離婚。妹とともにお母さんに育てられることになる。お母さんのシャーマラは当時盛んだった公民権運動にもよく子供たちを連れて参加していたみたいだね。 アメリカでの生活の後、家族はカナダのケベック州モントリオールに移住。母シャーマラは病院でで研究を続けながら、現地の大学で先生として働いて子供たちを育てたんだ。
カマラはモントリオールで高校を卒業した後、アメリカに戻り、ワシントンのハワード大学で政治学と経済学を専攻。さらにカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロー・スクールを進み、1989年に法務博士号を取得する。ロー・スクール卒業後は、カリフォルニアの地方検事局で検事としてのキャリアをスタート。2004年には第27代サンフランシスコ地方検事に選出される。その後、2011年には女性・アフリカ系・インド系のアメリカ人として初めてカリフォルニア州司法長官に就任。2014年には再選を果たし、その後2017年に政治家に転身するまでカルフォルニア司法府のトップとして働いたんだ。
ヒップでホップな魅力
音楽好き
検事として活躍してきた経歴を持つカマラの魅力はその知性や弁論の確かさはもちろんなんだけど、やはり一番の魅力はなんといってもその気さくさとノリの良さ。 見ている人をハッピーにする素敵なスマイルに陽気でポジティヴなヴァイブス、そして時折見せるチャーミングさが彼女の魅力だ。その親しみやすい人柄からインタビューでは政治以外の事もよく質問されるカマラなんだけど、そこでよく話題に上がるのが、彼女の音楽の好みについての話。 なんと彼女の一番のお気に入りのアーティストはP-funkのレジェンド、ブーツィー・コリンズなんだって。(激アツ!)
また彼女のお母さんがスティーヴィー・ワンダーのファンで彼の全アルバムを持っていたという事もあって、小さい頃はスティーヴィーやアレサ・フランクリンなどをよく聴いててみたいだね。
そして彼女が青春時代を過ごした80年代〜90年代はヒップホップの黄金世代と言われる時代であり、ヒップホップも昔からよく聴いているそう。特に2パックやスヌープは若い頃によく聴いていたみたいで、最近のインタビューでは、「生きてるラッパーの中でベストのラッパーは誰か?」という質問に対して「2パック」と答えており、レジェンドは死なないという考えを表した発言としてヒップホップファンの間で話題になったりもしたんだ。また昨年USのヒップホップ系ラジオ番組「The Breakfast Club」に出演した際には、最近のお気に入りのラッパーはカーディ・B と発言しており、Youtubeにもカーディにノリノリなカマラな様子がアップされているよ。
カーディ・Bにノリノリな様子のカマラ
ダンスもしちゃうカマラ
ソウルやファンク、ヒップホップで育ってきたカマラは音楽がかかれば、当然ダンスもしちゃう。
良いね〜。みんなと一緒にダンスしてくれる政治家なんて、最高だよね。
勝利スピーチ
11月7日、バイデン氏が大統領戦の勝利を確実にし、カマラも勝利を祝うスピーチを行った。スピーチの入場の際には入場曲が流れるのだけど、カマラが選んだのは、以前から入場の際に使用しているメアリー・J・ブライジの「Work That」。カマラ、選曲アツすぎだぜ。
There’s so many girls I hear you been running From the beautiful queen that you could be becoming You can look at my palm and see the storm coming Read the book of my life and see I’ve overcome it
「多くの女性たち。あなた達が走り続けてきてるのは聞こえてるよ。 あなたがなれるかもしれない、美しい女王からね。 私の手のひらを見て、嵐が来るのを感じて。 私の人生の本を読んで、乗り越えようとしているのを感じて。」
ブライジの世の中の女性へ向けた熱いメッセージが込められたリリック。 この入場曲のチョイスからカマラのメッセージ性が伝わってくるね。
女性として、そしてアフリカとインドにルーツを持つアメリカ人として初の副大統領候補としての勝利スピーチを行ったカマラ。このスピーチは歴史に残る名スピーチとして多くのメディアで取り上げられている。ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.121、カマラ・ハリス特集のラストはアメリカを、そして世界を次の時代に導く最高にヒップでホップな女性、カマラ・ハリスの勝利スピーチから間違いない”パンチライン”を抜き出して紹介するぜ。
<カマラの勝利スピーチからの抜粋>
And to the woman most responsible for my presence here today — my mother, Shyamala Gopalan Harris, who is always in our hearts.
「さて、今日、この時のために最もお世話になった女性に向けて。 私の母、シャーマラ・ゴーパラン・ハリス。彼女はいつだって私の心にいます。」
When she came here from India at the age of 19, maybe she didn’t quite imagine this moment. But she believed so deeply in an America where a moment like this is possible.
「19歳で母がインドからやってきた時、彼女はこんな瞬間を多分夢にも思っていなかったでしょう。 しかし、彼女はアメリカを深く信じていました。こんな瞬間が実現する可能性のある場所としてのアメリカをです。」
So, I’m thinking about her and about the generations of women — Black women. Asian, White, Latina, and Native American women throughout our nation’s history who have paved the way for this moment tonight.
「だから、私は彼女を、そして何世代もの女性たちのことを考えているのです。 黒人。アジア系。白人。ラテン系。ネイティブアメリカン。今夜のこの瞬間への道を切り開いた、私たちの国の歴史の中の多くの女性たちのことを。」
Women who fought and sacrificed so much for equality, liberty, and justice for all, including the Black women, who are too often overlooked, but so often prove that they are the backbone of our democracy.
「すべての人々に平等、自由、正義をもたらすために闘い、多くのことを犠牲にしてきた女性たち。黒人女性たちはあまりにも見過ごされ過ぎてきました。しかし、同時に民主主義の屋台骨である大切な存在だと証明してきたのです。」
<中略>
And what a testament it is to Joe’s character that he had the audacity to break one of the most substantial barriers that exists in our country and select a woman as his vice president.
But while I may be the first woman in this office, I won’t be the last.
「そしてジョーの大胆な性格を表すなんという証しでしょうか。 この国に残る最も頑丈なバリアを壊し、女性を副大統領候補に選ぶだなんて。
私が最初の女性の副大統領になるかもしれません。でも最後ではありません。」
Because every little girl watching tonight sees that this is a country of possibilities. And to the children of our country, regardless of your gender, our country has sent you a clear message:
「なぜなら今夜の出来事を見ている全ての幼い女の子たちはわかったはずだからです。 この国は可能性に満ちた国であるということを。ジェンダーは関係ないということを。 私たちの国ははっきりとしたメッセージを送ったのです。」
Dream with ambition, lead with conviction, and see yourself in a way that others might not see you, simply because they’ve never seen it before. And we will applaud you every step of the way.
「大志を持って夢を抱いてください。信念を持って周りを導き、他とは違った見方で自分を見つめましょう。なぜなら他の人たちには見つける事ができていないかもしれないから。 私たちは皆さんの道のりの一歩一歩を支持していきます。」
アメリカという国が可能性の国 “a country of possibilities”だということを示したカマラ。 これから彼女の活躍が楽しみだぜ!