ザック・エフロン主演! EDMシーンのトップを目指すDJを描いた『We Are Your Friends』とは?

DJにとって大切な技術やマインドも必見!

ライター:Lee

みんな文化ディグってる?
「ストリートヘッズのバイブル」ではヒップホップ好きにオススメの映画を紹介していくよ。

今回取り上げるのは映画『We Are Your Friends』。地元でくすぶっていたDJが成功をめざす成長譚だ。

『We Are Your Friends』ってどんな映画?

EDMシーンのスターになることを夢見ている主人公のDJ・コールは、日々仲間たちとクラブに繰り出していた。仲間4人でしけた地元から抜け出すために頑張るが、なかなか芽が出ずに燻っていた。

そんなある日、カリスマDJのジェームスと出会い、彼からDJの指導を受ける幸運に恵まれる。ジェームスの前座としてビッグフェスへの出演が決まるが、夢に近づく度に仲間との距離は離れていき…。

『We Are Your Friends』を観るべき5つの理由

①くすぶっている若者の、地に足のついたサクセスストーリー

「何者かになりたい」「成功してお金を稼ぎたい」という思いは誰もが一度は持ったことがあるはず。この映画に出てくる若者たちはそんな気持ちを抱えながら、夢と希望が溢れるロサンゼルス中心部のハリウッドから遠く離れたバレー地区で、くすぶりながら暮らしている。

パッとしない現状から抜け出そうとするも、なかなかうまくいかないもどかしさを抱えた彼らの言動は、若い人はもちろん、そんな時代を乗り越えた人にも響いてくるものがある。登場人物たちが大成功を収めるかと言えば、そうでもないところがさらに映画のリアルさを高めているんだ。

ぜひ、いまの現状に満足していない人には見てほしい。主人公たちが少しでも前に進んでいこうとする姿に、背中を押されること間違いなしだ。

②DJの基礎講座としても必見?!

DJが主人公のこの映画では、DJという職業について、普段知ることができない側面が描かれているよ。

会場で音楽が鳴っているだけで、人は気持ちよく踊れるわけではない。いかに場をアゲて、人を気持ちよく“踊らせる”のか。ヒップホップのDJだと場の空気に合わせた選曲が大切になってくるが、EDMの場合はいかに体が乗れるリズムを刻めるかが重要だ。ただ曲と曲をスムーズに繋げるだけではないDJの場のアゲ方のノウハウが、人体の構造に則ったロジックで説明されている。

「まずは体に意識をむけさせるためには、原始的なリズムがいい」「リズムを掴んだら次は心臓にアプローチしていく」など、BPMを心臓の鼓動数になぞらえて、実際のリズム刻みながら披露されている。センスとノリだけではない、DJの観察眼や技術力を知ることができるんだ。

DJについて知らない人はもちろんのこと、DJ初心者であれば勉強になること間違いなしなこの作品には、DJという職業に対するリスペクトが溢れているよ。

③DJにとって最高の1曲とは?

さらに場のアゲ方だけではなく、DJとしてスターになるために必要なことも、この映画では教えてくれる。

カリスマDJ・ジェームスに、作曲した音楽を聞かせるコールだが、彼の音楽は誰かの二番煎じの音を流行に合わせてアレンジしたもの。ジェームスは「人まねは命取りだ」とし、「自分の“しるし”を見つけろ」と言う。それは、どんな音が自分のアンテナに引っ掛かるのか、まずは世界と向き合うことから始めることだった。自分は何が好きなのかを知らない限り、人の心を揺さぶれる物は作れないのだ。

「パソコンは忘れて実世界の音を聴け」とジェームスのアドバイスのもと、コールは日々、音を採取していった。好きな女がジッパーを上げ下げする音、いつも通る店の鈴の音、友人たちとの会話。自分の身の回りにある自然音を取り入れることで、彼だけの音楽を作り上げていった。それは、DJにとっての原点であり、最高の1曲になるんだ。

これはDJだけにはとどまらない芸術哲学。表現を扱っている人なら、唸る要素が満載だ。

 

④世界的なトップDJ陣が全面協力!

この映画がただのパーティー音楽映画になっていないのは、アレッソやニッキー・ロメロなどのEDMシーンのトップDJたちが全面協力していることが大きい。彼らの叡智が集まることで、DJにとって大切なことがふんだんに詰まった映画になったんだ。

主演のザック・エフロンはヒップホップもよく聴いている大の音楽好きで、特にラッパーのロジックがお気に入り。EDM界の貴公子と呼ばれたアレッソに直接DJを指導してもらい、説得力のある技術を映画内で披露していた。本作の監督を務めたマックス・ジョセフが「最高のDJ陣と仕事ができて幸せ」と語るくらい、DJたちの功績は大きい。

さらにアレッソやニッキー・ロメロは本編でも本人役としてカメオ出演しているから見つけてみてね。一時代を築きあげたEDMシーンの熱狂を感じとるなら、この映画をぜひみてほしい。

⑤スクリーンを彩る魅惑の俳優陣

俳優陣が魅力的なのも、この映画を盛り上げている。主人公のコールを演じたのは『ハイスクール・ミュージカル』でティーンエイジャーたちの心を鷲掴みにしたザック・エフロン。地元でくすぶるイケてない青年役だが、DJブースで客を盛り上げるときには、彼のかっこよさが爆発しているよ。

カリスマDJのジェームスを演じたのは、『インターステラー』などに出演しているウェス・ベントリ。カリスマにふさわしい、余裕のある男の色気を振り撒いていた。そしてジェームスの恋人でありながら、コールとも惹かれ合うソフィ役のエミリー・ラタコウスキ―も、迷いながらも自分の道を見つける女性を魅惑的に演じていた。

ただの音楽映画ではなく、DJ哲学が詰まった『We Are Your Friends』。DJに興味のある人はマストチェック!

画像出典元:REGRNTS

配信先:U-NEXT

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