映画『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を観るべき理由｜ストリートヘッズのバイブル Vol.131

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ！今回取り上げるのはNetflix最大のヒット作、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とは？

1980年代のアメリカ・インディアナ州を舞台に、架空の町ホーキンスで起こる超常現象とその謎を解こうと奮闘する人々を描いたSFホラー・シリーズ。

①圧倒的な80年代ノスタルジー

『ストレンジャー・シングス』の魅力はなんといっても1980年代のSF映画のバイブスをぎゅっと詰め込んだストーリーと映像。当時のアメリカ映画界はスティーヴン・スピルバーグ監督が作り出す『E.T.（1982）』や『グーニーズ(1985）』などのSF映画が大人気であり、

“少年少女が超能力や不思議な体験をしながら、冒険をして成長して行く”

というストーリーに全世界のキッズたちが夢中になっていた時代だ。そんな80年代SF映画の鉄板を現代の映像技術と緻密なストーリーテリングによって、現代的に再構築したのがこの『ストレンジャー・シングス』だ。

80年代に子供だったミドル世代は、「こんなシーンあったー！」と懐かしい気分で楽しめるし、ティーン世代はフレッシュな感覚で観ることができる。まさに世代を超えて、楽しめる作品になっているってわけだね。

②ハリウッドの絶対アイコン、
ウィノナ・ライダー復活

出演している俳優陣の中で圧倒的な演技を見せているのが、行方不明になった男の子、ウィル・バイヤーズの母、ジョイス・バイヤーズを演じるウィノナ・ライダー。

ウィノナは1986年に13歳でデビュー後、『ビートルジュース（1988）』『シザーハンズ（1990）』など話題作に次々出演、ハリウッドを象徴するアイコンとして絶大な人気を誇っていたスーパー俳優だ。

しかし、2000年代以降は精神状態が悪化。2001年にはビバリーヒルズの高級デパートで衣類を万引きしたとして、重盗罪、器物損壊罪で有罪判を受けることになる。また逮捕時、モルヒネなど数種類の鎮痛剤を所持していたことから、鎮痛剤中毒の可能性も指摘され、リハビリ入院をすることに。その後退院するも、俳優としてはなかなかキャスティングされず、事実上、過去の人扱いされていたんだ。

そんなウィノナが復活を果たしたのが、この『ストレンジャー・シングス』。

息子の失踪に取り乱しながらも、決してあきらめずに真相を追う母親を見事に演じ、その圧倒的な演技力で映画ファンはもちろん、業界内でも高い評価を受けたんだ。

どん底を経験したからこそできる、ウィノナの鬼気迫る演技は必見だよ。

③ダファー兄弟のサンプリングセンスと
鬼持ち込み

『ストレンジャー・シングス』の制作総指揮を担当したのが、元々アメリカ映画業界で脚本家、監督として活動していたマット・ダファーと、ロス・ダファーのダファー兄弟。
彼らは80年代生まれであり、自分たちが少年の時に感じたポップカルチャーや映画の要素を取り入れ、企画したのが『ストレンジャー・シングス』だ。

今ではNetflix最大のヒット作として知られる本作だけど、ダファー兄弟によると、元々この企画を放送局に持ち込んだところ、なんと15局に断られたとのこと。最終的にNetflixが気に入り、世界的な大ヒットを記録したわけだけど、やはり諦めないことって大事だよね。

そしてなんといってもダファー兄弟の最大の功績は80年代〜90年代にかけてのハリウッドの絶対アイコン、ウィノナ・ライダーを主演の一人にキャスティングしたこと。

確かな演技力を持つウィノナの参加によって作品の説得力が増したことはもちろん、何より80s、90sのカルチャーのノスタルジーをよりリアルに感じることができるんだ。

④子供たちの成長物語

『ストレンジャー・シングス』でストーリーの主軸として描かれてるのは、SFファンタジーな展開やアクションシーンなのだけど、サイドストーリーとして少年少女の心の成長を描いているのが本作品が多くの人を魅了している要素だ。

当初小学生ぐらいだった子供たちが友情や恋愛などを通して様々な経験を経ながら、シーズンごとに大人になっていく様子は見所だね。

⑤世界中で巻き起こった
『ストレンジャー・シングス』旋風

世界中で社会現象にもなった『ストレンジャー・シングス』はもちろん関連グッズも豊富。Tシャツなどのアパレルはもちろん、フィギュアやボードゲームまでドラマの世界観を楽しめるグッズが盛りだくさんだ。最終シーズンとなるシーズン5は今年2025年に公開予定ということでまた世界で『ストレンジャー・シングス』が巻き起こること間違いなし。

シーズン５の公開に向けて、今のうちに再度シーズン1から見直してもいいし、グッズやゲームなどで改めてドラマの世界観を楽しんでみては？

画像出典元：Netflix