『パブリック・エネミーズ』を観るべき理由|ストリートヘッズのバイブル Vol.141

ジョニー・デップが演じる伝説のアウトローが魅せる漢の美学

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのはジョニー・デップ主演のギャング映画『パブリック・エネミーズ』!

『パブリック・エネミーズ』とは?

1930年代にその名を全米に轟かせた伝説の銀行強盗、ジョン・デリンジャー を描いたクライムドラマ。監督を『ヒート』『コラテラル』などで知られるマイケル・マン、主人公の“ジョン・デリンジャー”をジョニー・デップ、デリンジャーを追う捜査官の“メルヴィン・パーヴィス”をクリスチャン・ベールが演じる。

①“パブリックエネミー ”と呼ばれた
実在の銀行強盗を描いたクライム・ムービー

ジョン・デリンジャーは1930年代のアメリカで “パブリック・エネミー・ナンバーワン(社会の敵No.1)”と呼ばれた実在の銀行強盗。” Dillinger Gang(デリンジャー・ギャング) ”と呼ばれたギャング団を結成し、アメリカ中西部の銀行を次々に襲撃していった凶悪犯だ。ただ襲撃中に人を殺さない、銀行の客からはお金を奪わないなどの義賊的な行動から金持ちに天罰を下す“ダーク・ヒーロー”的な人気を得ていた人物でもある。『パブリック・エネミーズ』はそんなジョン・デリンジャーと彼を追う捜査官たちの攻防を男臭く描いたギャング映画だ。

② アメリカで最もセクシーな男、
ジョニー・デップ。その色気、犯罪級

主役であるジョン・デリンジャーを演じるのはジョニー・デップ。ただの悪人ではなく「大衆のヒーロー」でもあったデリンジャーのセクシーかつデンジャラスな魅力を、これでもかと言わんばかりのとんでもない色気で演じ切っている。特に恋人であるビリーに対しての言葉や接し方はオラオラながら、ロマンチックさもあり、そんな態度されたら全世界の女性が好きになってまうやろというレベル。映画公開当時の2009年には米ピープル誌が選ぶ「最もセクシーな男(Sexiest Man Alive)」に選ばれたジョニーの圧倒的な色気に惚れてしまうこと間違いなしだ。

③徹底したこだわりによって
再現された1930年代のアメリカ

『ヒート』『コラテラル』などのクライム・アクション映画で知られるマイケル・マン監督によるリアルなガンアクションや、緊張感のある演出はこの映画の大きな見所。ロケ地に実際にデリンジャーが捜査官たちと銃撃戦を繰り広げた場所などを使用。また映画内で登場するクラシック・カラーも全米のコレクターや美術館などから集めるなどし、1930年代のアメリカをリアルに再現しているんだ。特にすごいのは、ジョニーが劇中で乗っている1932年型スチュードベーカー・コマンダーは実際にデリンジャーが逃走時に使用していた現物だということ。美術館に保存されていたものを借りて使用したんだって。凄まじいこだわりだよね。

④反逆者の美学。
アメリカン的ヒーロー文化とは?

ジョン・デリンジャーは銀行強盗でありながら、権威に対する反逆者として市民の人気を集めた人物。日本だとなかなか見られない傾向かもしれないけど、国家よりも一人一人の主義や主張を重視するアメリカでは、法律を破ってでも、権力に抗う姿勢が支持されることが多くあるんだ。ルールを破っててもそこに理由があったり、筋が通っていると逆にイケてるやんってなるわけだね。

ヒップホップもカウンターカルチャー的側面を持つ文化であり、アメリカでここまで大きな人気を得たのも元々の国民性とマッチしてるってのもあるのかもしれないね。

⑤ Jay-ZからChief Keefまで
デリンジャーはラッパーたちのお気に入り

そんな伝説的ギャング、ジョン・デリンジャーはラップシーンでも大人気。Jay-ZやEminemといったレジェンドラッパーたちのリリックでも言及されているし、シカゴ・ドリルの立役者、Chief Keef(チーフ・キーフ)の「Cause I’m Gettin Money」では“Bustin’ like a Dillinger (デリンジャーみたくぶっ放す)などと名前を挙げられているよ。アクション映画として超面白いものだし、アメリカ的国民性やラップリリックの理解に繋がるギャングの歴史を知るにもオススメの『パブリック・エネミー』。まだ観たことがない人はぜひチェックしてみてね。

画像出典元:Universal Pictures

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