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「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回はラッパーたちに影響を与えた映画やアニメのキャラシリーズ「ミュータント・タートルズ編」。
『ミュータント・タートルズ』とは?
『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』として1984年にスタートしたアメコミ・シリーズ。アニメ、映画、ゲームなど展開する人気シリーズだ。ニューヨークを舞台に下水道に地住む4匹の亀のミュータント、レオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロが、師匠のスプリンターとともに悪と戦う物語。下水道でのたゆまぬ鍛錬によって身につけたカンフーや忍者?を駆使しながら、ユーモアあふれる会話とチームワークで敵に立ち向かう姿が、多くのファンを魅了している。
ヒップホップの聖地、ニューヨークが舞台!
「タートルズ」の舞台はヒップホップが生まれた街、ニューヨーク。また時代背景的にもヒップホップが進化してきた時期と同じ時代を歩んできていることから、
作中ではヒップホップバイブスを感じるシーンが要所要所で登場する。今回はタートルズが生まれた時代背景も振り返りながら、ヒップホップとのリンクをチェックしてみよう!
①東洋文化とアメリカンバイブスの融合
「タートルズ」は原題 “Teenage Mutant Ninja Turtles”からもわかるように、現代のニューヨークに生きる忍者。彼らが操るのは忍者やカンフー映画からサンプリングされた武術だ。実はタートルズがスタートした1980年代は日本の侍映画を始め、香港のカンフー映画などアジア系のカルチャーがアメリカのテレビなどで放映され、人気を博していた時代。また80年代は日本が空前の好景気に沸いていた時代であり、お金を持った日本企業が外資企業や海外資産を買い漁っていた時代。有名なものだと、1989年10月、日本の企業である三菱地所がニューヨークのシンボルであるロックフェラーセンターを所有するロックフェラーグループの株式51%を取得して、ニューヨーク市民に衝撃を与えたことがある。つまりタートルズが生まれた時代はアメリカ社会において、文化、経済ともに日本やアジアの影響が強かった時代なんだ。タートルズもそういった東洋文化とアメリカンバイブスをうまく融合させた作品として当時のキッズに絶大な人気を得たんだ。そしてその当時盛り上がってきていた文化、ヒップホップだ。
②ラップソングでストリートダンスをかますタートルズたち
ヒップホップが盛り上がっていく時期とともに、そのストーリーを展開させてきた「タートルズ」。忍者であると同時に、イケてる“ティーンエイジ”であるタートルズたちも当然ヒップホップの影響を受ける。そんなヒップホップとタートルズのリンクの代表的なものが1991年、当時爆発的な人気を誇っていたラッパー、Vanilla Ice(ヴァニラ・アイス)と”タートルズ”がコラボした一曲「 Ninja Rap 」だ、
敵をぶっ倒しながらしっかりクラブで踊るタートルズたち。近年の映画シリーズでも「Gwen Stefani – Hollaback Girl」に乗せてブレイクダンスのステップであるトップロックを決めている。
さらに雑談でラッパーのドレイクのことをGOAT(Greatest Of All Time)と話すタートルズたち。
そう、タートルズはしっかりヘッズなのだ!!
③USラッパーたちのタートルズ愛
忍者であり、武術の達人であり、ニューヨーカーであり、そしてヘッズであるタートルズたちは当然ラッパーたちにも大人気。The Game、JID、Lil Wayne、ScHoolboy Q、Casey Veggiesなど本当に多くのラッパーたちがリリックでタートルズをシャウトアウトしてるんだ。そんな中でも今回はJuicy J, Wiz Khalifa & Ty Dolla $ignが歌う2014年公開の映画「ミュータント・タートルズ」の主題歌「Shell Shocked」からウィズ・カリファのリリックをチェック。
Juicy J, Wiz Khalifa & Ty Dolla $ign「Shell Shocked(2014)」
Uh, ain’t nothin’ that can come in between me and my brothers
俺と仲間の間に分け入るものなんて何もない
We all around if it’s goin’ down
もし何か起これば、俺たちは全員でいくぜ
It’s just us, all for one, yeah you hearin’ right
みんなは一人のため、聞こえるだろ?
Our business done, we disappear into the night
やるべきことを終えたら、夜の闇に消えていく
Came up together, so we all down for the fight
共にのし上がってきた、戦いには全員で挑むぜ
かっこいいぜ。。。!まさに自主レーベル、テイラー・ギャングのリーダーとして仲間たちと成り上がってきたウィズの生き方とタートルズの熱い兄弟愛を重ね合わせたリリックだぜ。