ラッパーたちに影響を与えた映画やアニメのキャラシリーズ「8 Mile – B・ラビット 」|ストリートヘッズのバイブル Vol.114

エミネムが演じた最強バトルラッパー

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回はラッパーたちに影響を与えた映画やアニメのキャラシリーズ「8 Mile – B・ラビット 編」。世界のラッパーたちに大きな影響を与えた映画『8 Mile』でエミネムが演じたキャラ ”B・ラビット”について紹介していくよ!

『8 Mile』とは?

舞台は1995年のデトロイト。都市と郊外の間に走る道路である“8マイルロード”は、そのまま中産階級の白人と貧困層のアフリカ・アメリカンが住む境界線となっていた。

そんな街で暮らすラッパーの“B・ラビット”(エミネム)は無職でアル中の母と幼い妹の3人でトレイラー・ハウスに暮らしていた。彼は昼間は自動車のプレス工場で働き、夜はヒップホップ・クラブ“シェルター”で行われるラップ・バトルでの優勝を目指しているラッパーだ。
才能がありながら、なかなかその実力を発揮出来ないB・ラビットは、果たしてラップバトルに勝ってヒップホップ・ドリームを掴むことができるのか?

①エミネムが演じた底辺ラッパー “B・ラビット”

当時人気絶頂だったエミネムが演じたのが無職でアル中の母と幼い妹の3人でトレイラー・ハウスに暮らし、昼間は自動車のプレス工場で働いていた底辺、B・ラビット。ラップというスキルで、自分の存在を証明しにいく姿は、観る者の心を勇気づける。そしてそのストーリーは実際にどん底の状態から世界のトップスターに成り上がったエミネム自身のストーリーであり、観るものに生きる力を与えてくれるんだ。

②ラップバトルで名をなしたエミネムの脅威のライミング

あまりに爆発的に売れたため、どうしてもメインストリーム寄りのラッパーと見られがちのエミネムだが、実は真逆。元々デトロイトのアンダーグラウンド・ラップバトルシーンで技術を高めてきた叩き上げであるエミネムは猛者がひしめくUSラップシーンの中でも、紛れもなくトップクラスのライミングスキルを持つラッパーだ。

エミネムは全米屈指のバトルラッパーであり、1997年にロサンゼルスで開催されたラップ・オリンピックで2位を獲得する実力者でもあった。ちなみにそのラップ・オリンピックを観戦に来ていたレコード会社のインターンがエミネムから受け取ったデモテープが最終的にドクター・ドレーの手に渡る。そのラップに衝撃を受けたドレーが「すぐにこいつを見つけてこい」と言い、その後プロデュースに至ることになったんだ。

ドレーを一発で惚れさせたエミネムのラップスキルをエミネムはB・ラビットとしてかましてるんだ。

③最強パンチライン

世界のキッズたちを魅了したB・ラビットのラップの中から今回は特にイケてるラインを紹介するよ。映画クライマックス、B・ラビットがライバルグループである“フリー・ワールド”と対決するシーン。敵のラッパー、Lotto(ロト)に対してのパンチラインがこちらだ。

“ My motto: Fuck Lotto!
I get the seven digits from your mother for a dollar tomorrow”
オレのモットー:ファック、ロト!
明日お前の母ちゃんの7桁、一ドルでもらってやるよ

Motto、lotto、tomorrowの3単語でしっかり韻を踏みながら言っている内容は超ドープ。まず“seven digits(7桁)”とは アメリカの電話番号のこと。電話番号を女性からもらうというのは、つまりその子をナンパするということだね。ただここでは、B・ラビットは“for a dollar (一ドルで)”と電話番号をもらうと言っている。つまりここでB・ラビットが言っているのは「お前の母ちゃんなんて、一ドルで抱ける安い女なんだよ」という意味なんだ。こんなパンチライン食らったら、立ち直れないよね。

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