SHUNSUKE:
まずは自己紹介からお願いします。
NALU:
DJ NALUです。BayKlangSquadというクルーに所属してます。1996年生まれです。出身は鎌倉です。鎌倉と藤沢の中間くらいの場所で育ちました。
海の家で行われていたパーティから強い刺激を受ける
SHUNSUKE:
DJを志したきっかけみたいなのは何だったの?
NALU:
地元は海がめっちゃ近いんですよ。自分が中学校の頃、夏になれば普通に海の家で、サウンドシステム入れてガンガンパーティーが開かれてる事を知ってたんで、そういうところに通いまくったのがスタートかなと思います。本当に、通いまくりました。竜宮っていう海の家とか、思い出深いです。RUDEBWOY FACEさんや色々な方が出てましたね。
SHUNSUKE:
当時は海の家でパーティするのが禁止されてなかったしね。ヒップホップのパーティも勿論あったんだけど、海ではレゲエのパーティがそれはそれは物凄い盛り上がりを見せてたなって思う。NALUの中ではレゲエが初期衝動になってるんだね。
NALU:
はい、日本のレゲエも聞いてましたし、完全に今の自分のルーツは全般的にレゲエって言いきれます。
あとは、子供のころからそういうカルチャーに触れる場所が身近にあって、自分もやってみよっかな、ってなりましたね。土地柄、元々レゲエやヒップホップ、スケボーとかそういうストリートカルチャーみたいなものは身近にあったので入りは自然だったかなと思います。
SHUNSUKE:
BayKlangSquadの仲間はそういう環境で出会った仲間??
NALU:
はい。今はクルーとしての活動はあまりしていなくて、個人個人のスキルを磨く時期に入ってるのかなと思ってます。別にクルーを解散する訳でも何でもないんですけど、今は個人での動きの方が活発です。ラッパーやオーガナイザーもいて昔は自分達でパーティも打ってました。またタイミングで何かやるんでしょうけど、焦って何かをしようとはだれも考えてないんじゃないかなと。
同じ振り付けでものすごい勢いで踊ってた
SHUNSUKE:
パーティカルチャーのようなものに影響を受けてキャリアをスタートしたとおもうんだけど、その中でも強く印象に残ってる曲とかってある?
NALU:
ELEPHANT MANのWILLIE BOUNCEです。中学上がる前とかに聞いたんですかね。海の家に覗きに行ってみんな同じ振り付けでものすごい勢いで踊ってたのを見て「うお!スゲエ!」ってなりましたね。今でも覚えてるんですけど、見に行ったのが水曜だったし、平日の昼間からこんなに人集まって踊るのかよ!みたいな衝撃もありました笑
1人でジャマイカに3か月滞在した事が今の自分を形成してる
SHUNSUKE:
東京をはじめとして色んな場所でDJを本当に沢山してると思うんだけど、今もレゲエをはじめとした音楽・クラブカルチャーにどっぷりな理由って何だと思う?
NALU:
ジャマイカに行ったことですかね。6年くらい前かな。1人でジャマイカに3か月滞在した事が今の自分を形成してると思います。観光ビザのギリギリまで行ってました。ジャマイカに、アフリカンシンボルというリアルラスタの方がいて、その方は日本人女性と結婚してるんですよ。その日本人女性が一旦日本に帰国するっていう流れになった時に「ジャマイカで私の代わりに仕事してくれない?」ってお話をいただいた事がきっかけで。
SHUNSUKE:
実際に滞在してみて、どういう影響を受けた?
NALU:
中々言葉で表現するの難しいんですけど、もうライフスタイルなんですよ。音楽が。そこが日本とは全然違うんです。まず日常に音楽が溢れてる量がまったく日本とは違うし。DJをすると言う事に対する価値観やリスペクトも全然違いましたね。滞在中に、近くのバーで「プレイさせてほしい!」って飛び込みで頼んだらやらせてくれて。それだけじゃなくて、きちんとギャラをくれたんですよ。勿論、手渡しでありがとなって感じでしたけど。お店側からしたら、いきなり飛び込んできた日本人じゃないですか?でもそれなりにみんなを楽しませたら、お金をくれて。DJに対するリスペクトが全然違うなって思いました。当時、プレイする事の難しさも感じたような気もするんですけど「これは辞められない!」って思う楽しさが遥かに勝ってたと言うか。今もその感覚は全く忘れてないですね。
あと、僕は観光ビザで行きましたけど、実際にはアフリカンシンボルの仕事を無償で手伝ってたので、地元の人が送るような生活もしてました。結構濃い経験だったなと今でも思います。車のタイヤ交換とかもしましたね笑
SHUNSUKE:
ダンスにも行きまくったとは思うけど、安全面ではどうだった?怖い経験とかはしなかったの?
NALU:
ありました。ジャマイカに到着した初日に遊びに行ったダンスで仲良くなったジャマイカ人が居て。そいつが最初はビールとか奢ってくれるんですよ、親切にしてくれたりして。こちらが信用したタイミングで「うまいビールが安く買える店があるから移動しよう。」って言われて路地裏に行ったらナイフ突き付けられてお金取られました。こんな怖い事が普通にあるんだって驚きましたね。やっぱり日本人だってだけで舐められたなって思うところもあるので、そこから堂々としていないとマズいなって思いました。堂々っていうよりオラついてるくらいじゃないと危ないなって。でもそれがあったからか、その先3か月間無事に過ごす事ができました。警戒心が生まれた出来事でしたね。
あとは、その3か月間を乗り越えた事で日本に帰ってからの厳しい出来事にも耐えられましたね。やっぱり、本当にこの音楽がやりたいって強く分かったのは大きな転機だなって。
SHUNSUKE:
リアルな経験や生活をしてみて、NALUとしてジャマイカやアメリカで活動してみたいとかって感情は生まれなかったの?
NALU:
そういう気持ちはあります。どこで何をやるとか、そういうのを考えてはいないですけどやってみたいっていう気持ちは少なからずありますね。
男性にはかっこよく遊んでほしい
SHUNSUKE:
今のクラブシーンに望むことや思う事、願う事ってある?
NALU:
クラブは出会いの場ではありますけど、男性にはかっこよく遊んでほしいなって思います。音楽関係なしに、もう次から次へとナンパする男とかいますけど、何しに来てるの?マジで思いますね。そういうナンパみたいなのばっかりになっちゃうと音楽好きな女の子たちも来なくなっちゃうし冷めちゃう。あくまで願いですけど、音楽という前提で遊びに来てほしいなって思ったりします。音楽を楽しみに来たうえで、スマートにかっこよく遊べる男が増えると良いなと。僕個人で言えば、もっともっと外国人のお客さんに遊びに来てほしいです。今インバウンドのお客さんがこれだけ来ている状態ですけど、もっともっと増えてほしい。もっともっとワールドワイドな選曲だったり音楽提示が出来たら楽しいんじゃないかなって思ってます。今遊びに来ている日本人のお客さんに物足りなさを感じているのかっていうとそういう訳じゃないけれど、外国人のようなバイブスで遊びに来るとより楽しめると思うんですよ。あとはクラブって曲を知れば知るほど、歌えるくらいに覚えてくると圧倒的に楽しさが変わると思います。無理やりじゃないですけど、絶対楽しいので勉強して遊びに来てくれたら良いなって思います。