DJ SHINSAKU|カルチャー・キャリア・リサーチ

パーティーをこよなく愛するDJ SHINSAKUのキャリアとは?

ライター:Lee

パーティーを通して人の心を強く揺さぶり続ける人達がいる。
彼らは何故、今の仕事を選んだのか?
このコーナーではパーティーというカルチャーに関わり続ける演出家たちの過去から現在まで続くキャリアを紐解いていきます。

第五回は、都内、関東各地のナイトクラブでパーティーを盛り上げるDJ SHINSAKUさんのキャリアについてお送りします!今回も「DIG!かばんの中身」でもお馴染み、DJ SHUNSUKEがインタビューを行ってきました。

SHUNSUKE:
自己紹介をお願いします。

SHINSAKU:
DJ SHINSAKUです。千葉県出身なんですけど、福岡で生まれて一度インドネシアに住んでから千葉県に来たという特殊な育ちです。

SHUNSUKE:
へーそうなんだ!全然知らなかったです。

SHINSAKU:
年齢は30歳で、これから新しいことにもいろいろ挑戦していこうという気持ちでやっています。

DJを志したきかっけ

SHUNSUKE:
DJを志したきっかけを教えてください。

SHINSAKU:
大学の先輩がDJをやっていて「ヒップホップ好きなら一回来なよ」ってイベントに誘われて遊びに行ったら、同じ大学のDJ FRIPさんがいて。それから彼と一緒にやることになって、その繋がりでATOMに入りました。最初はDJをやるつもりはなかったんですけど、DJ FRIPさんのもとでいろいろやってたら、だんだんDJをやりたいと思うようになって。DJ FRIPさんもかっこいいですし、憧れてた感じですね。

SHUNSUKE:
そうだったんですね。ヒップホップに触れたのはいつなんですか?

SHINSAKU:
高校生ぐらいです。高校の友達がヒップホップ好きで、そこから自然と好きになっていきました。

衝撃を受けた楽曲

SHUNSUKE:
ヒップホップを聴き始めた頃に印象に残ってる曲とか、初めてかっこいいなと思った曲はありますか?

SHINSAKU:
元々バンドが好きだったんですけど、好きなバンドマンが紹介してた、SHIN-SKIがリミックスやってる『CL SMOOTH』を聴いておしゃれだなと思って。ヒップホップってこんなのがあるんだと知ってから、TSUTAYAのレンタルでMITSU THE BEATSさんのミックスCDを聴いて、おしゃれなものにハマっていって。意外とそういうところから入っていきました。

SHUNSUKE:
ジャジーな感じが好きだったんですか?

SHINSAKU:
そうですね。完全に高校の友達の影響です。インストバンドも好きだったので、その流れもあったんですけど。元々メロコアから入って、そこから日本語ラップを好きになって、KAMINARI-KAZOKU.とか聴いてました。

SHUNSUKE:
バンドは何を聴いてたんですか?

SHINSAKU:the band apartっていうおしゃれ系のバンドが結構好きでした。メロコアだと王道のHi-STANDARDを聴いてましたね。

DJ SHINSAKUのプレイスタイル

SHUNSUKE:
ご自身のDJスタイルを教えてください。

SHINSAKU:
パーティーバイブスDJですかね。オープンアップからメインタイムへ突入する時間帯に入ることが多かったんで、ブチ上げにいかなきゃっていう気持ちから、そういうプレースタイルになったのかもしれないです。基本的には新譜をうまくかけたいと思いながらやってますね。とはいえ、固まりすぎずにいろいろやるようにしています。

SHUNSUKE:
プレイスタイルに対するこだわりはありますか?

SHINSAKU:
定番をかけすぎずに、盛り上げてる中で自分が推したい曲をはさめるようなスタイルでやっていきたいと思ってます。盛り上げるスタイルだけど全く同じプレイリストではなく、その場のお客さんに合わせて常に違うことをやっていきたいですね。

DJを10年続けてこれたワケ

SHUNSUKE:
DJは20歳ぐらいからやってますよね。

SHINSAKU:
そうですね。もうすぐ10年です。

SHUNSUKE:
10年も続けずに辞めていってしまう人の方が多いと思うんですけど、10年間続けてこられた理由はなんですか? 好きだというのは前提として、それ以外に何かあれば教えてください。

SHINSAKU:
やるべきことを当たり前にやるということを、意識せずにできたからかもしれないですね。やっぱりそれができない子も多いと思うので。全力でやってたら「頑張ってるね」って言ってくれたり、いつの間にか助けてくれる人や、チャンスを与えてくれる人たちが出てきてくれて。何よりもパーティーを一番大事に一生懸命やってきたので、それがよかったかもしれないです。

SHUNSUKE:
10年続けて1人前みたいなところもありますもんね。

SHINSAKU:
こんなに続いたものはないですね。サッカーはやってましたけど、仕事とかバイトもコロコロ変えてましたし。やってて一番しっくりくるというか、人生で一番ハマったものがDJですね。たまたますごい先輩たちに囲まれた環境にいれたおかげもあると思います。先輩の真似をして、いろいろやってきた結果ですかね。

SHUNSUKE:
環境は大事ですよね。

SHINSAKU:
そうですね。そこに自分から行けたのも大きかったと思います。

SHUNSUKE:
なかなかそれができずに辞めていっちゃう人たちも多いと思います。ここ10年の間にレッドブルとかのショーレースが出てきてからは、コネクションがない人の名前もポンとハネるようになったけど。クラブDJは今も昔も、コミュニティの中に飛び込んで行けないと結構キツいと思いますね。

DJを志す人に伝えたいこと

SHUNSUKE:
これからDJの世界に飛び込もうと思っている人に対して、アドバイスがあればお願いします。

SHINSAKU:
結局は自分次第のところがあると思うので、「このイベントに出たいんですけど、どうしたらいいですか?」と先輩に聞きにいったり、いろいろな人に意見を聞いた方がいいですね。自分はDJ終わった後に、いろんな人に「どうだった?」って聞いちゃいます。

SHUNSUKE:
SHINSAKUといえばそうだよね。「どうでした?」ってよく聞いてる。

SHINSAKU:
やっぱり気になってしょうがないので。そこでもらったアドバイスは自分のプラスになったことしかないです。説教みたいなこともありましたけど笑

でもそれも全部含めて言ってくれる人がいる環境にいれてよかったなと思ってて。自分がどういう環境に身をおけばいいのか最初はわからないと思うので、人に聞ききながら探していければいいと思いますね。

SHUNSUKE:
飛び込んだ方がいいですよね。

SHINSAKU:
そうですね。あと、遊びに行った方がいいですね。気になった場所には行くべきだし。これは自分が後悔してることなんですけど、海外にすぐに行けばよかったなと思ってます。いまはもう行ける時間がなくなってしまったので、そこは本当に後悔してますね。お金がなくてもいろいろ工夫しながら行けばよかったです。

SHUNSUKE:
確かに。コロナも落ち着いてきたし、今行けるんだったら若い子は行った方がいいですよね。

SHINSAKU:
絶対行った方がいいですね。やっぱり海外に行ってる人は「あのDJはこうだった」とか「あの地域はこういうところだから盛り上がるんだよね」とかがわかっていて。海外のお客さんが来ても、その人たちのフッドの音楽をかけて盛り上げたりするじゃないですか。ああいうのかっこいいなと思います。僕は真似しますけど笑

SHUNSUKE:
やっぱり行った人にしかわからないものはありますよね。

SHINSAKU:
そうですね。海外のクラブカルチャーを知ってるのはやっぱりデカイなと感じますね。でも単純に、もっとみんなやれることがあるから一緒に頑張ろうぜって思います。

SHUNSUKE:
ちなみにSHINSAKUは先輩たちに圧倒的に可愛がられてるけど、その理由はなんだと思いますか?

SHINSAKU:
キャラ的な部分が強いとは思うんですけど、ノリだけは誰にも負けないぐらいいいと思ってて。先輩の話は聞いてて楽しいですし、やっぱりかっこいい先輩と一緒にいたい気持ちがありますね。一緒にいる人はみんなかっこいいし、尊敬してる人たちなんで。だから自分から遊びに誘いますし、後輩とも遊びにいきます。人は選ばないですね。

ヒップホップDJになったターニングポイント

SHINSAKU:
シュンスケさんともATOMに誘わせてもらってからの関係ですよね。

SHUNSUKE:
2016年ぐらいかな、「ATOMで毎月やりましょう」って誘われたのは。そこからずっと一緒にやってますよね。当時のATOMは若い子たちがやる場所って感じで、年代が上の人はヒップホップ箱に遊びに行ってもATOMにはあんまり行かない風潮がありましたよね。でもヒップホップ箱でやってる先輩たちを、SHINSAKUたちが積極的にATOMに呼ぶようになった時期があって。

フレッシュな力がパーティーに必要だったからSHINSAKUがいろいろまとめてるのを見て、当時HARLEMでやっていたパーティに声をかけて。

SHINSAKU:
ATOMで箱DJ的なことをやってたので、そのタイミングでシュンスケさんに出会えたのはすごく大きかったですね。

SHUNSUKE:
いろんなものが重なったタイミングもあって、自分と同じフィールドに引き込みました。いま振り返ると、SHINSAKUにとってそれがターニングポイントのひとつですよね。

SHINSAKU:
そうですね。ちょうど23〜24歳くらいの時で、これからもっと動かなきゃと思ってた時期でもあったので。もともとオールミックスの部類だったんですけど、ヒップホップの人たちと一緒になる機会が増えて、そこから結構変わりましたね。

自分はやっぱりヒップホップが好きだったしやりたかったので、他のジャンルを気にせずやれるのは、やっててすごく楽しかったですね。

これからのシーンに望むこと

SHUNSUKE:
これからのシーンに望むことや期待することを教えてください。

SHINSAKU:
いまヒップホップは流行ってますけど、若い子たち含めてヒップホップが好きな人やパーティーが好きな子たちを増やすために、いろんなことを教えられるDJが増えるといいですね。今は結局お客さんに合わせるだけになってしまっているので「こういう曲もあるよね」とかそういう提案ができるパーティーがいっぱい増えたらいいなと思います。

自分がDJを始めた10年くらい前は、お客さんがそれぞれ「俺がイケてる」みたいに踊ってる光景があったんですよね。踊りすぎて疲れちゃってるとか、音楽の話をして盛り上がってる人たちがいるとか、過去に自分が見てきた光景を超える状況になったらいいなと思ってます。

やっぱりちょっと音楽愛が足りていないと感じるので、もっとみんなの音楽愛が伝わるようなパーティーがいっぱい増えたらと思います。

SHUNSUKE:
それが一番ですよね。

プロフィール

  •  DJ SHINSAKU

    DJ SHINSAKU

    20歳から本格的にDJを始め、 渋谷・六本木を中心に全国で活躍している。 HIPHOPを中心に幅広い選曲でお客さんを盛り上げることに定評がある。 また、親しみやすいキャラクターでPARTY VIBEZが高いDJとして愛されている。 NIGHT CLUBはもちろんのことPOP UPイベントなど年間約200本以上の現場を持ち、イベントオーガナイズも手掛ける。 今後も注目のDJの一人である。

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