実は嫉妬の塊!?最強女芸人・ゆりやんレトリィバァのジェラシックパークとヒップホップ愛

『Bad B*tch 美学 Remix』の音源を初めて聴いた時のエピソードも紹介!

ライター:TARO

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについて全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。
今月のゲストは日本のお笑い、いや世界のコメディシーンを背負って立つコメディアンであり、先日リリースされた「Awich -Bad B*tch 美学 Remix ​​」でラッパー顔負けのパンチラインをかまし、ヒップホップシーンでも一躍話題をかっさらった、お笑い芸人のゆりやんレトリィバァさん。Vol.2では若手時代の話や先輩芸人との親交、そして気分をアゲテくれるヒップホップや「Bad B*tch 美学 Remix ​​」の音源を最初に聴いた時の話など、ヘッズなら必読のエピソード盛りだくさんです。

前回の記事はこちら→ お笑い芸人・ゆりやんレトリィバァのヒップホップ・キャリアとは?

最強女芸人・ゆりやんレトリィバァの若手時代とは?

レペゼン:
今回は若手時代の話をお伺いします。
当時、テレビで見ててゆりやんさんがNSCを首席で卒業されたということを知って、本当にすごいなと思ってました。
このときってNSCで私イケるなみたいな感覚はあったんですか?

ゆりやん:
首席取ったっていうか、歯石取ったというか。

レペゼン:

ゆりやん:
全然イケるとかはなくて。当時、NSCって同期が大阪だけで500人、東京だけで500人いたんですけど、すぐみんな辞めていくんですよ。最初は「全員面白そう、私なんて」みたいな感じやったんですけど、なんか「あれ?ここって、普通に大きな声を出して真面目に授業受けてたら、前に出れるかも」って思ったんですよね。
ラッキーなことに大学行かしてもらってからいったんで、バイトも経験してるし、20歳超えてある程度大人だったんで。

レペゼン:
最低限のマナーとかはできてたと。

ゆりやん:
はい。でも高校出てすぐの子とかって、マナーとかわかってない子がめっちゃ多いんで、その部分でも怒られたりしてて。
まだ私は真面目に受けれたら大丈夫かもみたいなのはありました。ただ自分が面白いとか誰よりもみたいな感じは、そのときなかったですね。

レペゼン:
なるほど。あと、卒業後すぐに関西の「ロケみつ」とかテレビ番組に出ていて、当時からロケで英語を使ってましたよね。

ゆりやん:
A Little bit.

レペゼン:
この方、英語使えるんだって思って見てたんですけど。英語の勉強はしてたんですか?

ゆりやん:
You know, I haven’t studied in the U.S…you know what I mean?
But when I was in university, my friends go abroad to study, and we are talking in English.
They gave me vibes,  you know, like, リュウガクシテルヒトオオクテ、イッショニシャベッテ、
I’m interested in English.. 

(対訳:まぁ、アメリカで勉強したわけじゃないんだけど、でも大学で、友達が留学とかしてて、で、英語でしゃべったりしてて。まぁバイブスもらったりはしてたよね。英語に興味があったってわけ)
それです。

レペゼン:
ありがとうございます笑

ゆりやんのマインドを変えた先輩芸人からの金言とは?

レペゼン:
若手時代、お笑いについてはどのように勉強してたんですか?舞台袖から見たりとか?

ゆりやん:
全然勉強したり人のネタを分析とかできなかったんで、とにかくどうしたらいいかわからなくて。
しかもめっちゃ尖ってたので、ほんとに「何でウケへんねん。それはみんながわかってないからや」とか思ってました。

レペゼン:
特に若い時ってそういうもんですよね。

ゆりやん:
そう。でもやっぱり芸人やらしてもらってる中で先輩を見て、「そっか。よりこういうふうに言った方がウケるんや」とかわかってくるんですよね。こう作らないといけないとかはなくて、自分が楽しいと思うことをもっと出していった方がいいなとか。分析はできないんですけど、なんとなく自分の経験でやってみたり、いろんな人に助けてもらって、形づくっていけたのかなと思います。

レペゼン:
例えば分析してノートとかに書かれる人もいると思うんですけど、そうじゃなくて、コミュニケーションの中で感じて作るみたいな?

ゆりやん:
そうですね。なんか楽屋でしゃべってて、思いついたこととか。
結構私、人に見てもらうことが多くて。「ちょっとこれどう思いますか?」みたいなのを見てもらって、先輩が笑ってくれたらOKみたいな。友達が笑ってくれたらOKみたいなそういう気持ちでネタ作ってきました。

レペゼン:
周りに嫉妬したりとかはあったんですか?

ゆりやん:
ありました。私はもう、ジェラシックパーク、ジェラシーの塊みたいな人間なので。もう全員のことを悔しいと思ってて、心から人の成功とか喜べなかったですし、人が売れてるのとかも全く面白くなかったんですよ。
勝手に人のことをライバル視して自分がしんどくなるくらい、追い込まれるぐらいライバル視しちゃってた時期があって、めっちゃしんどかったですよ。

レペゼン:
そうなんですね!
意外です!

ゆりやん:
めっちゃそうです。でもある時先輩の小藪さんに相談したら、「この椅子埋まってるとか、このあともうないでとかよく言われたりすることあるけど、そんなん全くないよ」って言われて。「ライバルと思ってる人が100仕事あっても、ゆりやんが100頑張ったらちゃんと欲しい仕事をもらえるし、ちゃんとできるよ」って言ってもらえたんですよ。

レペゼン:
素敵ですね。

ゆりやん:
そうかと思って。逆に「ライバルと思ってる人が仕事ゼロになっても、ゆりやんが頑張らへんかったら仕事ゼロになるだけやで」って言われて、「そうか」ってそのときにめっちゃ納得できて。

レペゼン:
素晴らしい。

ゆりやん:
人は人で私は私で、私が頑張ったら私のやりたいようにできるんだって思わせてもらえたっていうか。そこからどんどん自分が変わってきたんです。いろんなことが重なってちょっとずつジェラシックパークが閉園していきました。

レペゼン:

気持ちをアゲてくれるのはやっぱりAwichさん!『Bad B*tch美学 Remix』の音源を最初に聞いた時の衝撃とは!?

レペゼン:
若手時代によく聴いていたヒップホップや、出番前によく聴いてるヒップホップがあればお伺いしたいです。

ゆりやん:
当時からNasとかやっぱりかっこいいと思ってたんですけど、絶対これ聞いてたとかは特になかったんですね。
ただやっぱりAwichさん!心を震わしてくれました!Awich様。

レペゼン:
間違いないですね。Awichさん。

ゆりやん:
よく街で「私もAwichさん好きなんですよ」とか「Awichさん好きやで〜」みたいな人いて。
「にわかちゃうやろな??ちゃんと歌詞の意味とか全部聴いて好きって言ってんのか!」って。
「私はAwichさんのフォロワーがまだ1万人とか、そういってないときからフォローしてたよ。50万人超えてからフォローしたんちゃうやろな!」っと。あっすみません、ありがとうございます。

レペゼン:

出番前はよくヒップホップ聴くんですか?

ゆりやん:
めっちゃ聴いてます。私ネタ前になんかやるとかあんまないんで、特にネタ前やから絶対聴くとかじゃないんですけど、街歩いてるときとか、腹立つねんって思ったときとかにもヒップホップを聴きますね。Awichさんの『洗脳』を聴いて電車とか乗って「バカばっかだ全く」って、その歌詞に自分の今の感情を乗せてやっちゃいますね。

 


レペゼン:

今もノッてきてますね。

ゆりやん:
『Bad B*tch 美学 Remix』に参加させてもらうことになって、「この曲です」って最初送ってもらったとき新幹線だったんですけど、「なんじゃこのすごい曲は!」と思って。AIさんと私がリミックスから入れていただいたんですけど、それまでのAwichさんとNENEさんとLANAさんとMaRiさんの曲を新幹線で聴いた時に、無意味に周り睨んでましたもんね。
そういう気持ちにさせてくれます。

 

若手時代の話や小藪さんとのエピソード、そしてヒップホップ愛を語ってくれたゆりやんさん。次回は斬新なネタを生み出し続けるゆりやんさんのネタ作りについてや、お笑いとヒップホップの共通点などについて聞いていくよ!お楽しにみ!

プロフィール

  • ゆりやんレトリィバァ

    ゆりやんレトリィバァ

    お笑い芸人。奈良県出身。 小学生の時に観た吉本新喜劇がきっかけでお笑いの世界を志す。NSC大阪校35期生・首席卒業。2017年には「第1回女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝、2021年には「第19回R-1グランプリで」優勝するなど、名実共に日本を代表する女芸人の一人。また2019年にはアメリカのオーディション番組「America's Got Talent(アメリカズ・ゴット・タレント)」に出演。角刈りのかつら、星条旗模様の際どい水着を身に着けてのダンスで大きな話題となる。 近年は俳優、アーティストとしても活動の幅を広げており、2023年公開Netflixのドラマ「極悪女王」では、主役のダンプ松本を演じた。またアーティストとしては、Awich 「Bad Bitch 美学 Remix」に参加し、強烈なリリックとラップスタイルを披露。ヘッズたちの間で大きな支持を集めている。