ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストは宮城県仙台市で「そば処登喜和」をオープンされている、そば職人、小川浩二(おがわ・こうじ)さん。元ヒップホップダンサーという異色の経歴を持つ小川さんのヒップホップキャリアについてお伺いしました。Vol.3の今回は小川さんがヒップホップで培ったマインドと、自分を奮い立たせてくれるラップソングについてお伺いしました。
前回の記事はこちら→ 元ヒップホップダンサーのそば職人、「そば処登喜和」店主、小川浩二とは?
元ヒップホップダンサーのそば職人が提示する、新しい蕎麦屋の形
レペゼン:
元ヒップホップダンサーという異色の経歴を持つ「そば処登喜和」店主の小川さんですが、お店を運営される上で特に意識されていることはありますか?
小川浩二:
蕎麦屋って敷居が高いイメージがあるので、まずは親しみを持ってもらえるようにSNSで色々な発信をしています。
特にメニュー開発は力を入れていて。イタリアンや中華の要素を取り入れたりして、新しいことを試しています。
それでお客さんが喜んでくれるのが嬉しいですね。
この投稿をInstagramで見る
レペゼン:
蕎麦屋でイタリアンや中華の要素を取り入れるのは珍しいですよね。
親方も最初はびっくりされたんじゃないですか?
小川浩二:
そうだと思います。でも、任せるって決めてくれたので、自由にやらせてもらっていますね。
レペゼン:
信頼を勝ち取ったんですね。
小川浩二:
最初は「何をやってるんだ?」って感じだったと思います笑
なので結果を出して、認めてもらおうと思って。で、結果を出すにはどうしたら良いんだろうと考えた時に、まずお店のことを宮城の人に知ってもらおうと思ったんです。創業39年なので、地元ではそれなりに知られていたんですが、宮城県全体ではそこまで知られていないなと思って。それで宮城の全テレビ局やフリーペーパーにDMで営業して、お店のことを営業していったんです。
【「そば処登喜和」のお蕎麦】
レペゼン:
営業もされていたんですね!
小川浩二:
自分がお店で取り組んでいることを伝えていって。「蕎麦をもっと身近なものに」というのをモットーにして、色々な人に知ってもらおうと思って。それでメディアでも取り上げて頂くこともありました。
レペゼン:
素晴らしいですね。
小川浩二:
あとはデザインもやりましたね。例えば、そば粉になる前の「蕎麦の実」って実は凄いカッコいい形をしていて、その形に惚れ込んで、Tシャツを作ったりもしました。
小川浩二:
そばは食べるだけじゃなくて、身につけることもできるんじゃないかなと思ってます。
ヒップホップから学んだDIY精神
レペゼン:
ヒップホップダンサーとしての経験は今に活かされていると思いますか?
小川浩二:
やっぱりヒップホップを通ってきたからこそ、デザインや発想の面でも影響があると思います。あと、クラブでの準備やイベントの感覚が、今の店の運営にも繋がってると思います。
例えばパーティーやイベントを打つときの段取りですよね。イベントを開催するからには、お客様に来ていただかないといけないですし、やっていること自体がカッコよくないといけない。もちろんパーティーの芯も必要ですよね。そういうこと全てが今の蕎麦屋の運営でも活きていると思います。
レペゼン:
ダンサー時代に主催されていたパーティーでは、フライヤーのデザインもご自身でやっていたんですか?
小川浩二:
フライヤーはデザイナーに任せていましたが、イベントの内容やブッキングは先輩・仲間と一緒にやってましたね。
レペゼン:
ちなみに何というパーティーを主催していたんですか?
小川浩二:
「beatific soul」というパーティーをやっていました。代々木の地下で、ビートメーカーをゲストに呼んで、ダンスのショーケースも交えて開催していました。かっこいいなと思うビートメーカーさんをゲストでお呼びしてましたね。
新たな蕎麦の価値観で、 “時代はより東北方向へ”
レペゼン:
今もヒップホップがモチベーションになっていますか?
小川浩二:
なってますね。特に仙台にきてからは、GAGLEさんをよく聴くようになって。
「雪ノ革命」って曲が奮い立たせてくれます。
【GAGLE – 雪ノ革命】
レペゼン:
間違いないクラシックですね。
僕も大好きな曲です。
小川浩二:
仙台に来てからの先輩方のお陰で、HUNGERさんとは交流があって。誕生会に参加させてもらったりして、お世話になってます。
HUNGERさんとは話してて、すごくインスパイアされることも多くて。特に「雪ノ革命」のリリックで好きなのが、
あまり気にしなくなった
他人の目
むやみやたらに
取り込まない他人の芸
だからとらない皆と同じ方向性
“時代はより東北方向へ”
の部分で。特に仙台に来てからその曲を聴くと「時代はより東北方向へ」というリリックがくらいますね。
「他人の意見を気にしすぎない」というメッセージもすごく響きます。
レペゼン:
まさに小川さんがされていることは蕎麦シーンの新しい波を東北方向から作り出してるって感じですもんね。
小川浩二:
自分がやりたいことにフォーカスするようになったタイミングで、その歌詞がしっくりきたんです。他人の目を気にせず、自分のスタイルで進むという姿勢が、今のお店作りにも繋がっていますね。
自分のスタイルで新しい蕎麦屋の形を提示する小川さん。次回は運営されているお店「そば処登喜和」についてより詳しく聞いていくよ!お楽しみに!