ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストは神奈川県金沢区で和菓子屋「たんの和菓子店」を開かれている丹野 耕太さん、丹野 ひかりさんご夫妻にヒップホップキャリアをお伺いしました。第4回の今回は「たんの和菓子店」が大切にしているマインド、そして和菓子に合うヒップホップについてお話しして頂きました。
前回の記事はこちら→ DJから屏風作りへ。異色の職人、片岡 孝斗とは?
「文化を伝えるのが私たちの使命」
レペゼン:
和菓子作りの魅力とはなんでしょうか?
丹野 耕太:
やっぱり四季を感じられるってところですね。作っている人もそうだし、買う人も感じられるし。
このお菓子があるってことは、この季節が来るんだと。毎年もうこの時期なんだねってお客さんと話ができたりして、関わることができるのが楽しいですね。
レペゼン:
そこはほんと魅力ですよね。そういうのって洋菓子とかにはないんですかね?
四季を表現するみたいな。
丹野 ひかり:
クリスマスケーキやハロウィン、季節のフルーツ等で表現されたりしますが、日本の和菓子は春夏秋冬、花鳥風月、四季折々のお菓子があるんですね。行事もそれぞれありますし、あとはやはり日本文化を学べるというところでしょうか。
レペゼン:
というと?
丹野 ひかり:
桜のお菓子を売っているんですが、桜って色んな別名があるんですよ。例えば夢見草とか。それを「これはこういう意味だよ」ってお客さんと話して、日本文化の伝統や教養を共有できるのがとても良い部分だと思います。
作る方も、売る方も文化を学べるというか。
レペゼン:
素敵です。
丹野 ひかり:
私たちのお店を通して日本文化を見直すきっかけになってくれたら良いと思います。
文化離れっていう言葉がありますが、今の時代、文化回帰をできたら素敵だなって思ってます。
レペゼン:
文化回帰、良いですね。
丹野 ひかり:
あとは食育ですかね。今、若いお母さん達は食育でお子様に和菓子をっていう方が意外と増えてるんです。
レペゼン:
そうなんですね!
知らなかったです。
丹野 ひかり:
和菓子は洋菓子と比べて乳製品を使ってなかったり、小麦をあんまり使ってなかったりするので、ヴィーガンですとか、アレルギーの対応とかがしやすいんです。
レペゼン:
なるほど。
丹野 ひかり:
教養って部分でも親御さんからお子さんに日本文化を伝えることになりますし。
なので食育の部分でも和菓子はオススメしたいですね。
和菓子に合うヒップホップで客が思わず踊り出す
レペゼン:
和菓子に合うラップソングはありますか?
丹野 耕太:
最近よく聴いているのは、Robert Glasper(ロバート・グラスパー)の『Black Radio III』に入ってる「Black Superhero」ですね。
【Robert Glasper – Black Superhero】
レペゼン:
この曲はなぜ和菓子に合うのでしょうか?
丹野 耕太:
心地良いっていうか前に出すぎず、邪魔しないっていうか。奥ゆかしさと心地良さがありますね。
主張の強いサウンドもかっこいいと思うのですが、やっぱり和菓子を食べながら聴きたいのはガチャガチャした音よりも、ジャジーな方が合うかなと思いますね。
レペゼン:
良いですね!
丹野 耕太:
店でヒップホップかけていると、お客さんで自然とのっちゃってる人もいますし。
うちは年齢層の若いお客様が多いので、10代ぐらいの男の子とか結構楽しそうですね。ここ何屋だっけみたいな感じで笑
ヒップホップ好き和菓子屋がこだわる独自の発信スタイルとは?
レペゼン:
今後何かチャレンジしてみたいことはありますか?
丹野 ひかり:
異業種の方と交流が増えてきたんで、そういう異業種の方とのいろいろなコラボに力を入れたいですね。私たちは老舗の和菓子屋さんと違うので、昔から伝統で受け継がれてきたものを伝えるみたいな、おこがましいことはできないので。
和菓子屋として、新たにどう発信するかを異業種の方たちといろいろ企画しながらやってますね。
レペゼン:
具体的にはどんなことがあるのでしょうか?
丹野 ひかり:
例えば、今考えているのは、アパレル企業とコラボして職人さん達のユニフォーム、ワークウェアをかっこよくしたいなと。
レペゼン:
良いですね。実際丹野さんたちが着られてるウェアもおしゃれですよね。
丹野 ひかり:
ありがとうございます。あとはバリスタのお友達がいるんで、コーヒーと一緒に和菓子を頂くワークショップをやったりしてます。和菓子を食べるハードルを低くしたいなと。
レペゼン:
確かに、今の時代、コーヒーの方がお茶より気軽かもしれません。
丹野 ひかり:
あとは、やっぱり自分達の店舗を広げたいとは思ってないので、「自分達が作ったものは自分の手で売りたい」っていうのも信念にあります。ありがたいことに催事とかも声を掛けてもらうんですけど、自分の目の届く範囲で販売したいと思ってますので、お断りすることもあったよね?
丹野 耕太:
そうだね。やっぱり自分たちの店で、自分たちのこだわりのスタイルで日本文化を伝えていきたいと思います。
レペゼン:
応援しております!
改めて今回はありがとうございました!
丹野 耕太・ひかり:
ありがとうございました!