ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人にインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。
ヒップホップカルチャーを愛し、自分のやりたい事と仕事を両立する。そんなアツいHIPHOP PEOPLEにインタビューしていく企画です。
今月は横浜のネオンサイン専門店「スマイルネオン」の代表、ネオン職人・高橋秀信(たかはし・ひでのぶ)さんに4回に渡ってお話を伺います。第3回目は『初めて触れたラップソング』や『ネオンのスタイル』について話して頂きました。
>過去回はこちら 第1回『ネオンを作る時のラップソング』 第2回『移動中に聴くラップソング』
10代の頃に通い詰めた新宿のディスコ
レペゼン:
今回のテーマは「初めて触れたラップ」です。
高橋さんは、ディスコ世代かと思うのですが、やっぱり若い頃はディスコ行ってました?
高橋秀信:
行ってましたねー。
特に10代の高校生のときはめっちゃ行ってました。
レペゼン:
横浜とかですか?
高橋秀信:
横浜もあったんですけど、自分はちょっとツッパってたんで、新宿とか。
そういう所のディスコに行ってましたね。
レペゼン:
へー!なんていうディスコですか?
高橋秀信:
カンタベリーハウス・ギリシャ館とか。
レペゼン:
カンタベリーハウス・ギリシャ館!渋い名前ですね!
高橋秀信:
週末に行って、朝まで遊んでました笑
レペゼン:
当時のディスコってどんな感じだったんですか?
高橋秀信:
あの頃ってそんなにヒップホップな人っていなかったんですよ。アメリカンかサーファー。あとツッパリ。多分ヒップホップ、レゲエとかっていなかったです。
レペゼン:
当時はどういう曲が流れてたんですか?
高橋秀信:
もう40年くらい前だからかなり古いですよね。
Arabesque(アラベスク)とか、Earth, Wind & Fire(アース、ウインド&ファイア)とかが流れてましたね。
レペゼン:
良いですね!
ダンスとか当時やってたんですか?
高橋秀信:
ダンスはやってないんです。
ただカルチャー好きなマブダチとクルーを組んで、グラフィティとかやってました。
【当時の高橋さんとクルーのメンバー】
レペゼン:
かっこいい!
高橋秀信:
桜木町のガード下。あそこによくグラフィティ描いてました笑
今はキレイになってしまって、若い方はわからないかもしれないけど、昔は東横線の終点が桜木町だったんですよ。
週末になるとホームセンターでスプレー缶買って、ラジカセ持って夜な夜な描いてましたね笑
レペゼン:
すごい!リアル・ワイルドスタイルですね!
NYのラジオ音源のテープで曲を探していた日々
レペゼン:
当時はディスコ音楽を中心に聴いていたと思うんですけど、そんな中で最初に聞いたラップって覚えてます?
高橋秀信:
いろいろ聴いてたので、これが初めてのラップっていう曲は正直覚えてないのですが、衝撃的だったのはやっぱり、Slick Rick(スリック・リック)。「Teenage Love」とか大好きですね。
レペゼン:
それはクラブとかで聴いてたんですか?
高橋秀信:
いや、もうニューヨークのFMのテープだったり。
レペゼン:
え!ニューヨークのラジオのテープをゲットしてですか!?
どういう風に手に入れてたんですか?
高橋秀信:
今もあるけど、渋谷警察の坂の上のZiPPY!っていうお店とか。ああいうとこでも売ってたんですよ。
FMのレゲエチャンネルだったり、ヒップポップだったりいろいろ。
レペゼン:
でもそれは全部英語ですよね?
高橋秀信:
そうです。
聴きながら、曲のタイトル言ってるのを聞いて、これじゃないか?みたいな…笑
それでレコード屋に行って探すみたいな感じでしたね。
今はもう携帯で調べれば何でもわかるけど、当時はないからこそ求めに行ってました。でもそれが楽しかったんですよね。
レペゼン:
ラジオのカセットがあったってビックリです。
初めてラップ聴いたときの衝撃とかって覚えてます?
高橋秀信:
めっちゃクールってか、カッケー!みたいな。
レペゼン:
今までの音楽とは違うなと。
高橋秀信:
違いましたね。
もうとにかくかっこいいなと。
もちろんレゲエとかファンクも好きだったんだけど、そこからヒップホップも調べるようになっていったかな。
「作品に自分自身のライフスタイルが入ってる」
レペゼン:
やはりヒップホップやレゲエなどの音楽や文化は、高橋さんが作るネオンサインに影響を与えていますか?
高橋秀信:
そうですね。作品には自分自身のライフスタイルが入ってると思うんですよ。
そのノリをわかってくれる人にはすごいウケると思う。
僕もやっぱこだわってるんで。アメリカ好きなんで、アメリカっぽい仕上げにしたりとか。
レペゼン:
それが、もしかしたらこの曲線であったりとか色とかに出てるってことですよね。
高橋秀信:
そう。配線に使うパーツとかも海外製のものを使ったりするんで。
色も変わるし、配線の仕上がりも変わる。それがわかる人にはわかると思います。
レペゼン:
僕も今後、街でネオンをパッてみた時に、スマイルネオンのかな?なんか違うな?とかも感じるかもしれないですね。
高橋秀信:
そう言ってもらえると嬉しいです。
自分なりの長年作ってきたスタイルには、やっぱり自信があるんで。
今はお客さんもインターネットなどで色んなタイプのネオンを見てきて、違いがわかってきてるんですよね。そんな中でも「スマイルネオンさんにお願いしたい」って言ってくれる。それが一番嬉しいですよね。
次回は「仕事終わりのラップソング」について聞いていきます。お楽しみに!
プロフィール
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ネオン職人。横浜・新山下のネオン看板工房「スマイルネオン」を構える。 高校卒業後、自動車、看板デザイン製作会社を経て、NYなどのネオンサインの美しさに魅了され、東京蒲田のネオン工房へ弟子入り。2000年より横浜市新山下に「スマイルネオン」を設立。その他個性派ショップやレストランなどの大小サインを数多く製作する。確かな技術と経験に裏打ちされた精巧な仕上がりに、温かみとグルーヴ感を併せ持つネオンは唯一無二であり、現在はショップやレストランの看板にとどまらず、企業の看板やオフィス用の装飾、そして結婚式のウェルカムボードやアーティストのロゴに至るまで幅広い作品を手がけている。