DJ世界チャンプであり、Creepy Nuts DJ松永氏の師匠。米農家・駒形宏伸が見据える次なる目標とは?

DJ 松永氏との衝撃的な出会いから、南魚沼市の一大プロジェクトまで、米農家DJのヒップホップ・ライフスタイルを紹介!

ライター:TARO

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。

今月のゲストは世界的なDJの二大大会、「DMC」と「IDA」の両方で優勝した経歴を持つDJであり、現在は新潟県南魚沼市で米農家「こまがた農園」を経営する“DJ CO-MA”こと駒形宏伸(こまがた・ひろのぶ)さんにお話を伺いしました。全国区のお米コンテストでも優勝するなど、お米農家としてもチャンピオンになるという偉業を成し遂げている駒形さん。Vol.4では、DJを指導したCreepy Nuts DJ松永氏との交流、また、現在携わっておられる、南魚沼市を巻き込んだプロジェクト「農/KNOW THE FUTURE」についてお伺いしました。

前回の記事はこちら→ 世界一のDJが米農家に!異色のキャリアを持つ駒形宏伸とは?

Creepy Nuts・DJ 松永氏との衝撃的な出会い

レペゼン:
DJの世界大会「DMC」と「IDA」のチャンピオンである駒形さんですが、Creepy Nuts DJ松永さんにDJを教えていたと伺ったのですが。

駒形宏伸:
松永は僕のDJスクールの最初の生徒なんですよ。農家って農閑期はあまり仕事がなくて、農業以外の仕事をすることが多いんですが、僕は何かDJを活かした仕事をしたいなと思ってて。それで地元でDJスクールを開校したんです。そしたら第1号の生徒が松永で。

レペゼン:
すごい!!

駒形宏伸:
彼は真冬に猛吹雪の中、上ダウン1枚、下は短パンで来たんです笑
すっごいヤバいやつが来たと思いました笑

レペゼン:

その時、松永さんはおいくつだったんですか?

駒形宏伸:
16〜17歳ぐらいだったような気がします。
当時、彼はなぜかずっと短パンサンダルでした笑

レペゼン:

DJをやりたいと?

駒形宏伸:
そうですね。DJやりた過ぎて、学校を辞めてきたって言ってましたね。
僕がちょうどスクール開いたのを聞いて、本気で習いたいって感じでした。

【DJ松永さんと】

レペゼン:
すごい覚悟ですね!
どんな方でした?

駒形宏伸:
本当に変わってましたね笑
練習してる時はすごく集中して自分の世界に入ってて。こっちがアドバイスしても、全然聞いてない感じなんですが、実はちゃんと聞いて内容を理解してて。実際、飲み込みがすごく早いんです。教えたら、全部吸収して、次に来る時には完璧になってました。それで1年ぐらいかな、ほとんど教えることなくなって。あとは彼が僕の家に遊びに来る時に、自由に練習してた感じでしたね。

レペゼン:
1年で。
すごいですね。

駒形宏伸:
本当にめちゃくちゃ飲み込みが早いなと思ってました。本人もすごく努力してたと思います。
そこからしばらくして彼は東京に出たんですが、今でも時々連絡を取ってますし、東京に行った時は一緒にご飯に行ったりしてますね。

前回までの記事はこちら→
世界一のDJが米農家に!異色のキャリアを持つ駒形宏伸とは?

南魚沼市を巻き込む一大プロジェクト「農/KNOW THE FUTURE」

レペゼン:
DJスクールを開校された時期、駒形さんはプレーヤーとしても活動されてたんですか?

駒形宏伸:
週末にはDJとしてイベントに出たり、大会にも出場したりしてたんですが、だんだんモチベーションが農業の方に向き始めて。そこからは主に米の大会でバトルに出ることが多くなりましたね笑
あと最近は、地元である南魚沼市の農業を盛り上げるプロジェクトにも力を入れています。

レペゼン:
どういったプロジェクトなんですか?

駒形宏伸:
南魚沼の農家やクリエイターで、地元の農業をPRする映像作品などを作るプロジェクトで、「農/KNOW THE FUTURE」というプロジェクトです。元々は地元の若手農家が遊びで始めたことがきっかけなんですが、今では結構いろんな方を巻き込んでやってます。

【「農/KNOW THE FUTURE」の映像】

駒形宏伸:
今回で5作目です。スタッフは全員南魚沼の人で、映像からデザイン、写真など全部南魚沼の若手で作るというコンセプトのプロモーション企画ですね。僕は音楽を担当してます。

レペゼン:
拝見したのですが、音、めっちゃかっこいいなと思いました。
地域のブランディングとしてすごく良いですね。

駒形宏伸:
ありがとうございます。
これを見て、農業の素晴らしさ、南魚沼市の良さをいろんな方に知ってもらえたらと思います。
あとは最近妻が自家製の米粉のシフォンケーキ屋をオープンして。

【奥さんの自家製シフォンケーキ】

レペゼン:
聞くだけで美味しそうです!

駒形宏伸:
精米時に出る割れたお米や、色彩選別機という、真っ白い米などを取り除く機械で弾いたお米を利用して、フードロスがないように製粉してるんです。南魚沼にお越しの際は、ぜひ遊びに来てもらえると嬉しいです。

お店のインスタはこちら

目標にたどり着くために大切なこと

レペゼン:
駒形さんはDJで世界チャンピオンになったり、お米のコンテストで賞を獲得するなど、常に自分の目標を達成してきておられます。レペゼンの読者も、ヒップホップのプレーヤーとして、またそれ以外の分野でも、自分が目指す場所へたどり着くために努力している人が多いと思うのですが、そういった方に向けて、メッセージをお願いします。

駒形宏伸:
まず徹底的なリサーチだと思います。どうやったら自分がそこにたどり着けるか。しっかりリサーチすることは大事かなと。あとはどれだけ夢中になれるかっていうのは、結構でかいなと思いますね。好きっていうよりも夢中になってる方がいいかな。やっぱり夢中な人にはなかなか勝てないような気がするので。僕も今お米作りにとにかく夢中です。

レペゼン:
ありがとうございます。
そんなお米作りに夢中になっている駒形さんが思う、お米に合うヒップホップソングはありますか?

駒形宏伸:
手前味噌になるんですが、「農/KNOW THE FUTURE」に南魚沼の農家で元ラッパーだった人がいて、彼と僕とで曲を作ったんです。「植えよう」っていうタイトルの曲で、それが一番お米のことも歌ってるんで良いかなと。

レペゼン:
では「植えよう」を聴きながら、駒形さんのお米を「食べよう」ってことですね。

駒形宏伸:
ぜひ笑
あとY0uTubeで「こまがた農園」ってチャンネルをやっていて。お米のほかにスイカも作ってるんですが、「スイカが取れるまで」っていう動画を上げたりしてるので、良かったら見てみてください!曲はEVISBEATSさんが作ってくれてます。

【YouTube「こまがた農園」】

駒形宏伸:
何か自分にしかできないようなことをやりたくて。DJやってた繋がりもあるから、音楽業界の方をフィーチャーすることもできると思うので。そういった取り組みを今後どんどんしていきたいなと思います。

レペゼン:
今後の活動も楽しみにしております!
この度は本当にありがとうございました!

駒形宏伸:
ありがとうございました!

前回までの記事はこちら→世界一のDJが米農家に!異色のキャリアを持つ駒形宏伸とは?

プロフィール

  • 駒形宏伸(こまがた・ひろのぶ)

    駒形宏伸(こまがた・ひろのぶ)

    米農家。DJ、ターンテーブリスト。新潟県南魚沼市の株式会社・こまがた農園の代表取締役。米農家としては全国区での米のコンテスト「お米日本一コンテスト inしずおか」で最高金賞受賞、「米・食味分析鑑定コンクール」で 特別優秀賞を受賞。DJは大学時代から本格的にスタートし、2006年のDMC WORLD FINAL優勝、そして、2009年のIDA WORLD FINALではアジア人初の世界チャンピオンになるなど、世界的な賞レースで圧倒的な成績を残す。また現在Creepy Nutsとして活動するDJ 松永氏が学生時代に、DJを指導した経験を持つ。

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