プレイヤーの知られざる一面に光を当てる。映像ディレクター・菊池謙太郎の独自の視点。

数々のドキュメンタリー映像を手掛けてきた菊池謙太郎とはどんな人?

ライター:ほりさげ

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについて全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。
今月のゲストは、『ラップスタア』の撮影・編集も務める映像ディレクター・菊池謙太郎(きくち・けんたろう)さん。音楽番組以外にお笑いの映像コンテンツなども手がける菊池さんの仕事に迫ります!

前回の記事はこちら → こんな時、君ならどうする?ジェーン・スーが説くストリートカルチャーの知恵

『ラップスタア』からエレキコミックまで!
独自の路線をゆく映像ディレクター

レペゼン :
まず自己紹介からお願いいたします。

菊池謙太郎 :
菊池謙太郎(きくち・けんたろう)と申します。青森県のむつ市で生まれて18歳で上京し、今は映像ディレクターをしています。

レペゼン :
映像ディレクターというのは、どういった仕事なんでしょう?

菊池謙太郎 :
いろんなスタイルの方がいますが、自分は音楽番組を作ったり、お笑い関連の映像を作ったり、イベントのドキュメンタリー映像を作ったりしています。現在進行形で担当している番組でいうと、ABEMAで配信中の『ラップスタア』ですね。

レペゼン :
『ラップスタア』、いつも拝見しています!それから、お笑い関連の映像にも長く携わられてきたと伺いました。

菊池謙太郎 :
そうですね、お笑い寄りの仕事だと、エレキコミックが定期的にやっている単独ライブで流される映像や、彼らが毎週配信しているメルマガ「エレマガ!」の映像の制作を担当させてもらっています。過去には、スペースシャワーTV(*)でエレキコミックと一緒に番組を作ったりもしました。

※ … 1989年に開局した日本最大の音楽専門チャンネル。最新ヒットMVから、旬なアーティストのライブ映像、オリジナルチャート番組などを放送する。

レペゼン :
地上波のテレビ番組に関わられた経験はあるんですか?

菊池謙太郎 :
いわゆる地上波の番組はほとんどないです。だから、いわゆるテレビマンという感じとはちょっと違っていて。普段担当しているお笑い関連のコンテンツだと、撮影・編集・グラフィックデザインなどほぼ全てを担当したり。でもできないこともたくさんあって、ディレクターとしては歪なタイプだと思います。

若手プレイヤーたちの
子ども時代の話を書籍に

レペゼン :
音楽番組に携わる映像ディレクターは、どこまで関わるものなんでしょうか?

菊池謙太郎 :
番組によって関わり方が違うと思いますが、『ラップスタア』には何人かディレクターがいて、ラッパーの地元に取材に行ったりします。カメラマンがいる時もあれば、ディレクターが自分で回すこともあったり。そしてその素材の編集を行って完成したデータを納品します。

レペゼン :
ドキュメンタリーパート・「HOOD STAGE」は、若いラッパーたちの生い立ちや素顔に迫る人気パートですが、どういった流れで作られるんですか?

菊池謙太郎 :
出演する各ラッパーに担当ディレクターが決められ、その子の地元に行って取材を行い、編集するという流れですね。スタジオ収録の時は僕らディレクター陣も撮影を手伝います。『ラップスタア』のロケ映像は、総合演出の方とディレクターで話し合いながら、映像の方向性を作り込んでいきます。僕が関わるなかでは、かなり規模の大きい番組ですね。

レペゼン :
カメラを持って1人に密着する日もあれば、スタジオ収録のサポートに回る日もあったりと、同じ番組内でも規模が変わるのが面白いですね。そんな『ラップスタア』に関わった流れで、書籍もリリースされたとか?

菊池謙太郎 :
はい。『LIFE HISTPRY MIXTAPE』というタイトルで、ラッパーたちの子どもの頃の話を集めた本です。今、「01」と「02」まで出ていて、さらに「03」の制作を進めているところです。

レペゼン :
この書籍を作られた背景についてはvol.3の時に詳しくお聞きしたいと思います。ちなみに書籍の中で取り上げられたラッパーは、どのように選ばれたんですか?

菊池謙太郎 :
『ラップスタア』で出会ったラッパーも多いですが、それ以外の方も取り上げています。例えば神戸拠点のヒップホップユニット「Neibiss」のDJ/ビートメイカーであるratiff君とか。もともと繋がっていなくても「話を聞いてみたい」と思ったらお願いしています。

レペゼン :
素敵ですね!

トレンドに迎合しない
スタンスが好き

レペゼン :
映像から書籍まで幅広いメディアの制作を通してヒップホップに携わっている菊池さんですが、最近よく聴いているラップソングを教えていただけますか?

菊池謙太郎 :
最近だと5lackが最近出したアルバム『花里舞』が好きで、聴いていますね。明確に「この曲のここのリリックが」みたいな説明はできないんですが、5lackは何かリリースがあるとしばらく聴いてしまいます。フロウもリリックも好きだし、トレンドに迎合せず自分のスタンスやスタイルを貫いている感じがかっこいいですね。

【 5lack – Zoon To Ton 】

 

レペゼン :
多彩なトラックにラップを乗せたり、バンドセットでのライブを披露したりと変幻自在なフロウを操る5lackさんですが、その抜群のラップセンスを存分に感じられる1曲ですね!

『ラップスタア』にディレクターとして関わる携わるだけでなく、若手プレイヤーの生い立ちを掘り下げた書籍を通してアーティストの人生を伝えている菊池さん。vol.2では、そんな菊池さん自身のヒストリーにフォーカス!どんな10代を過ごし、どんな音楽や映像に影響を受けてディレクターの仕事にたどり着いたのか、紐解いていくよ。
菊池さんの書籍『LIFE HISTORY MIXTAPE』は、こちら  からチェック!

プロフィール

  • 菊池謙太郎(きくち けんたろう)

    菊池謙太郎(きくち けんたろう)

    青森県むつ市出身、東京在住の映像ディレクター。主にお笑いと音楽関連の映像を手掛け、特に近年は『ラップスタア』のディレクターとしてラッパーたちの実情や心情を映し出す仕事が高い評価を受けている。また映像にとどまらず、ラッパーの子ども時代のエピソードを綴った書籍『LIFE HISTORY MIXTAPE 01』(まわる書房)を2024年6月に自主制作で刊行し、翌年には同『02』をリリース。アーティストの生い立ちやライフスタイル、また心の機微を伝える優れた聞き手・撮り手として、映像・書籍・トークショーなど多様な場で発信を続ける。 (photo by 白鳥建二)