順調なキャリアの最中、選手生命を脅かす大怪我を負うことに。どん底の知念選手を救ったラップソングとは?

リハビリ中の知念選手が励まされたのはZORNのあの名曲!

ライター:TARO

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人にインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月はラグビー・リーグ「リーグワン」の三菱重工相模原ダイナボアーズで活躍する知念 雄(ちねん・ゆう)選手に4回に渡ってお話をお伺いしました。

前回までの記事はこちら→ハンマー投げの選手からプロ・ラグビーに!?異色のキャリアのラガーマン 知念 雄とは?

三菱重工相模原ダイナボアーズへ移籍直後の大怪我

レペゼン:
知念さんはあまり落ち込んだりすることはないんですか?

知念 雄:
これまではあまりなかったんですよ。
わりとポジティヴ思考だと思ってたんですが、今季大きな怪我をして、初めてオレこんなにへこむんだと思いました。

レペゼン:
どういった怪我をされたんですか?

知念 雄:
大腿四頭筋腱断裂っていうものですね。
太腿にくっついている腱が切れてしまう状態です。

レペゼン:
怪我の名称を聞くだけでも、相当大変なものだと感じます..。
具体的にどういった状況で怪我をされたのでしょうか?

知念 雄:
去年僕は東芝ブレイブルーパス東京​​から三菱重工相模原ダイナボアーズに移籍したんですが、シーズンの開幕前に練習試合をしてたんです。そこでスクラムからセットして、ヒットした瞬間に膝に今までにない違和感があったんです。それでスクラムが崩れて足を見たら、足が全然曲がらないんですよ。

レペゼン:
曲がらない!?

知念 雄:
そう。90度には曲がってるんすけど、まったく動かせなくて。で、ちょっとずつ痛くなってきて。
そしたらトレーナーと医者の人が走ってきて、「膝の皿が脱臼してる」と言われたんです。

レペゼン:
膝の皿って脱臼するんですね…。

知念 雄:
そうなんです。僕も初めて聞いた症状で。精密検査をしたら、お皿にくっついてる太ももの腱が切れてたんです。
それが大腿四頭筋腱断裂ですね。

レペゼン:
それはラグビー選手の方によくある怪我なのでしょうか?

知念 雄:
それがかなり稀な怪我らしくて。チームドクターも12年間チームについてて、初めて見る怪我だと言ってましたね。
医療現場の人もあまり見たことがないってのを聞いた時はさすがにヤバいなと思いました。

入院生活の中で希望を与えてくれたZORN「いたいのとんでけ」

レペゼン:
その後の治療はどのようにされたのでしょうか?

知念 雄:
まずは手術をして、その後1カ月ほど入院しました。
その入院期間はめっちゃへこんでましたね。なかなか人とも喋れないし。
自分ってちゃんとへこむ人間なんだなっていうのに初めて気づかされました。

レペゼン:
人と喋る機会がないと気持ちも下がりますよね。
その当時、励まされたラップソングなどはありますか?

知念 雄:
励まされたというか、自分を投影できたのがZORNの「いたいのとんでけ」ですね。

レペゼン:
僕も大好きな一曲です。

知念 雄:
YouTubeを見てた時にオススメで出てきて。聴いてみたら、めっちゃ自分の気持ちを投影できたんです。当時は手術後全く動けない状態で入院してて、個室で天井をずっと見て過ごしてた時期で。この時間なにしてんだろうと。本当に心にぽっかり穴が空いた感覚だったんです。

レペゼン:
つらいですよね。

知念 雄:
自分が生きてる価値がないとまでは思わなかったですけど、移籍してこれからって時に怪我をして、オレは何やってるんだろうってなってて。
そんな時に、ZORNの「いたいのとんでけ」にオレの気持ちを共感してもらえた気がしたんです。

レペゼン:
曲に共感してもらえたってすごく良い表現ですね。

知念 雄:
こう思ってるのはオレだけじゃないんだって。変な安心感じゃないですけど。そこから落ち込んでるだけじゃ、時間がもったいなってなりましたね。

レペゼン:
「いたいのとんでけ」の中で好きなリリックはありますか?

知念 雄:

誰も無傷じゃ済まないのが人生
吹き荒ぶ嵐を走って
上がり下がりや泣き笑い
悩みがない日を探し足搔き

このフレーズ全部好きです。
最初の方とか当時の自分にめっちゃハマってるなと。
でも実際この曲の全部のリリックがすごく好きですね。

レペゼン:
おっしゃるように全ての歌詞が刺さる曲だと思います。

知念 雄:
僕自身は怪我をするまで、そこまで悩んだことなかったんですが、悩みごとって人に聞いてもらえるだけでも、ちょっとは解決した気になるみたいなことってあると思うんです。そういうことをしてもらえたみたいな感覚に初めてなったんですよね。そういった意味では、励まされた曲になるかもしれないですね。

復帰に向けてのリハビリ、そしてチームへの思い

レペゼン:
現在はリハビリ期間中ということでしょうか?

知念 雄:
そうですね。色々調べていたら、海外の選手で同じ怪我から復帰して元気に走り回っている人もいて。自分も復帰を目指してリハビリをしています。

レペゼン:
復帰されている方がいるというのは大きいですよね。
手術後はどういった状態だったのでしょうか?

知念 雄:
手術後、2週間ぐらいは膝を伸ばしっぱなしで装具で固定してました。
そこからだんだん曲げていく工程になるんですが、膝って2週間も固定したら、曲がらなくなるんですよね。きしんで、硬くて曲がらないんですよ。

レペゼン:
大変ですね…
そこから歩いたり、走ったりするまでリハビリするわけですもんね。

知念 雄:
そうですね。今は階段を登れるまでにはなったんで、そろそろジョギングを始めるって感じですね。

レペゼン:
リハビリ後、チームに復帰された後の抱負などをお伺いしたいです。

知念 雄:
やっぱりまずは自分の足をしっかり治してチームの一員としてプレーしたいってのが一番ですね。今所属している三菱重工相模原ダイナボアーズが良いチームだっていうのは胸張って言えるんで。

レペゼン:
三菱重工相模原ダイナボアーズの強みはどんなところなのでしょうか?

知念 雄:
チームとしても、個人としても皆がハードワークするところが強みだと思います。人間的にも素晴らしい選手が揃ってますね。復帰後は僕もしっかりハードワークして、リーグ内でも上位に食い込めるように、そして優勝争いに貢献できるようにしていきたいと思っています。

レペゼン:
応援しております!
今回はありがとうございました!

知念 雄:
ありがとうございました!

 

プロフィール

  • 知念 雄(ちねん ゆう)

    知念 雄(ちねん ゆう)

    幼い頃から野球、相撲、バスケットなどを経験し、陸上競技ではハンマー投げで那覇西高校時代にはインターハイや国体で優勝、順天堂大学時代には学生王者に。大学4年の陸上シーズン終了後に、助っ人としてラグビー部の公式戦に出場したことがきっかけで、ラグビー転向を勧められ、本格的に競技を始める。 大学院に進学後、練習生を経て、2015年東芝に入団。その後、一気に成長を見せ、2016年には日本代表として初キャップを獲得し、現在まで6試合に出場。昨季もリーグワンで15試合に出場し、チームのスクラムを支えた。

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