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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.243。今回取り上げる英語は「tied in(タイド・イン)」。「結束している、繋がっている」といった意味で、仲間同士の絆などを表現する時に使える単語だ。今回はUSラッパーたちのリリックから「tied in」の使い方をチェックしてみよう!
まず取り上げるのはYoung Thug(ヤング・サグ)とLil Baby(リル・ベイビー)がコラボした「Bad Bad Bad」!
Young Thug「Bad Bad Bad ft. Lil Baby(2019)」
Paper tag, peanut butter seats, I’m ridin’
I be in the foreign, fuck with slime, we tied in新車のナンバープレート、ピーナッツバター色のシート、乗り回すぜ
外車に乗って、親友と遊ぶ、オレたちはガッチリ結束してるぜ
「Bad Bad Bad」からリル・ベイビーのリリック。
“paper tag”は新車に一時的につけるナンバープレートのことであり、“ peanut butter seats”とは茶色の皮を張った座席のことを意味する英語だ。
つまりリル・ベイビーは新車の高級車に乗ってドライブを楽しんでるってわけだね。
お気に入りの車でドライブということは可愛い女の子でも一緒に乗せているのかなと思いきや、彼が一緒にいるのは“slime(親友、マブダチ)”。やっぱりどれだけ売れても友達と一緒にいるのが一番楽しいってわけだ。間違いないよね。
続いてはヒップホップ草創期から活躍するカリフォルニアのレジェンド、E-40の「I Know A Guy 」!
E-40「I Know A Guy (2016)」
He don’t wear a suit and tie
But he tied into some guys that be wearing them suits and tiesあいつはスーツとネクタイをしていない
でもスーツとタイを着こなしている奴らと繋がってるぜ
E-40は普段スーツやネクタイをつけることはあまりない。でも彼はスーツとタイを着こなしている奴ら、つまり“ビジネスマン”たちと繋がっている。実はE-40は実業家としても有名であり、過去にはハンバーガーショップやナイトクラブを経営していたり、エナジー・ドリンクのブランド「40 Water」を立ち上げて、販売していたりしたんだ。つまりこのリリックはE-40のビジネスマインドを表した一節ってわけだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.243のラストを飾るのは、AZ(エー・ジィー)の「Mo’ Money, Mo’ Murder (Homicide)」。
AZ「Mo’ Money, Mo’ Murder (Homicide) ft. Nas (1996)」
Street addiction got me tied in thorough with boroughs
Still in the ghetto, but in the cut where it’s mellowストリートへの依存はオレをこの界隈に繋ぎとめる
いまだにゲットーにいる、でもオレにとっちゃここが落ち着ける隠れ家さ
90年代ニューヨークを代表するリリシストである、AZのリリック。
ストリートでは日々、危険な出来事が起きるが、それでもAZは自分が育ったゲットーにいる。彼にとってはなんだかんだそこが一番落ち着ける場所ってことだね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。