Interview

2019.9.16 Mon

TAG : 

レペゼンインタビュー:Lil’Yukichi Soulja BoyからBAD HOPまで

トラックメーカーLil'Yukichi(リル・ユキチ)。その才能の原点に迫る。

FacebookTwitterLine

世はまさに”日本語ラップ戦国時代”。リリースされる曲全てを追うことが難しいほどに、日々新しい音源が、新しいラッパーからリリースされる。そんな目まぐるしいシーンを見て、ふと思う。トラックは誰が作っているのだろう?

READ ALL

レペゼンインタビュー第27回目の今回は、トラックメーカーのLil’Yukichi(リル・ユキチ)にスポットライトを当てる。KOHH(コー)、BAD HOP(バッドホップ)、KOWICHI(コウイチ)、SALU(サル)、JP THE WAVY(ジェイピー・ザ・ウェイビー)など、日本語ラップ界のそうそうたるラッパーたちから引っ張りだこのトラックメーカー。

前編は彼がトラックメーカーとして、今日の自分自身を築き上げるまでに、どんなストーリーがあったのか、その人生と人柄に迫る。

後編を読む→

自己紹介、趣味について

レペゼン:
まずは自己紹介をお願いします。

Lil’Yukichi:
Lil’Yukichiです。生年月日は1988年6月20日です。父がアメリカ人で母が日本人のハーフで、横須賀の米軍基地内で生まれました。血液型はO型です。

レペゼン:
基地内の病院で生まれたってことですか!!

Lil’Yukichi:
そうなんですよ。

レペゼン:
すごい!!今のお住まいはどこですか?

Lil’Yukichi:
横浜です。

レペゼン:
身長と体重、足のサイズ、利き手を教えてください。

Lil’Yukichi:
身長は183cmで、体重は…重めで。笑
足は29cmで、利き手は右手です。

レペゼン:
重めなんですね。笑
好きな食べ物はなんですか?

Lil’Yukichi:
タコスと寿司ですね。

レペゼン:
どちらもなんか似合いますね!嫌いな食べ物は?

Lil’Yukichi:
ひじきときのこ類、あとチョコレートです。

レペゼン:
チョコレートだめなんですね!珍しい!

Lil’Yukichi:
大好きすぎて、中学校の頃、毎日食べていたら食べれなくなっちゃっいました。笑

レペゼン:
食べ過ぎて気持ち悪くなる、あるあるですね。笑

Lil’Yukichiの趣味について

レペゼン:
趣味はなんですか?

Lil’Yukichi:
音楽を聴く事とアニメを観る事ですかね。

レペゼン:
アイドルも好きだと聞きましたが?

Lil’Yukichi:
アイドルはもう好きじゃなくなっちゃったんですよ。昔はももクロが好きだったんですけど。
取り憑かれてるかのようにファンでしたね。笑

レペゼン:
それはいつまで好きだったんですか?

Lil’Yukichi:
メンバーが1人脱退して、グループ名も改名したあたりから、個人的な感覚なんですけど、曲の方も微妙になっちゃって…段々と興味が薄れていったって感じですかね。

レペゼン:
誰推しだったんですか?

Lil’Yukichi:
しおりん推しでしたね。握手会行ったりしてました。笑

レペゼン:
それはガチですね。笑
では次は、現在の趣味のアニメについて、最近見て面白かったアニメを教えてください。

Lil’Yukichi:
リアルタイムでやっている作品をあまり観てないのですが、ここ最近だと『転生したらスライムだった件』、『Re:ゼロから始める異世界生活』、『攻殻機動隊』ですかね。

レペゼン:
おー!どれも何かと話題ですよね。

Lil’Yukichi:
昔の方がもっと見てたんですけど、最近はあんまり見れてないんですよね。

レペゼン:
そうなんですね…
最近ますますお忙しそうですもんね…!!

Lil’Yukichiの音楽について

レペゼン:
それでは音楽について聞きたいと思います。最近好きな楽曲はありますか?

Lil’Yukichi:
最近…そうですねぇ。SUPERNOVAAAA(スーパーノバ)の「You a Vibe」がすごい好きです。

レペゼン:
なるほど。ちなみに今日聴いてきた曲は何ですか?

Lil’Yukichi:
テクノなんですけどMarcelus(マーセラス)の曲を聴いて来ました。

レペゼン:
やっぱり色んなジャンルの曲を聴くんですね!!
では、ズバリ好きなアーティストは誰ですか?

Lil’Yukichi:
Three 6 Mafia(スリー・シックス・マフィア)ですね。

レペゼン:
お!なるほどー!!サウスなんですね!!では尊敬してるアーティストは誰ですか?

Lil’Yukichi:
Three 6 MafiaのDJ Paul(ディージェー・ポール)、Juicy J(ジューシー・ジェー)です。

レペゼン:
好き、かつ尊敬なんですね!!いいですねー!!
反対に、仲の良いアーティストはいますか?

Lil’Yukichi:
今一緒にビートとか作ってるNocoNoco(ノコノコ)って奴ですかね。

レペゼン:
マリオみたいですね。笑

Lil’Yukichi:
マリオのノコノコに似てるからそういう名前になったらしいです。笑

レペゼン:
本当にそうだったんですね!!笑
NocoNocoさんとの曲、楽しみにしています!!

人生グラフ①ラップを始める

レペゼン:
次は人生グラフで、Lil’Yukichiさんご自身のこれまでの人生を振り返って頂きます。

レペゼン:
それでは順番に聞いていきたいと思います。まず、小さい時はどんな子供でしたか?

Lil’Yukichi:
サッカーをやってましたね。プロになりたくてやってたんですけど。

レペゼン:
プロってことは、結構ガチでやってたんですね!!

Lil’Yukichi:
まあ、ガチっていうか、なんか頑張ってはいましたね。笑

レペゼン:
そうなんですね!めちゃ上手そうですよね!それから、頑張ってたサッカーをやめて、15歳でラップを始めたんですね?
始めたきっかけは何だったんですか?

Lil’Yukichi:
元々音楽は好きで、色々聞いてて、最初はバンドをやりたかったんですよ。でも一緒にやれる奴が誰もいなくて。

レペゼン:
なるほど。

Lil’Yukichi:
その頃に「8 Mile(エイトマイル)」を観てカッケー!!と思って、1人でも出来るしラップやってみようかなって感じで始めました。

人生グラフ②ビート作り

レペゼン:
17歳でラップもやりながらビートも作り始めたんですね。初めはどんな感じで作ったんですか?

Lil’Yukichi:
当時って誰かのインスト(インストゥルメンタル、歌詞なしの曲)かけて、その上でラップするってのが多くて。

レペゼン:
当時はそれが主流でしたね。

Lil’Yukichi:
俺もそんな感じでやってたんですけど、オリジナルのビートでやりたいなって思ったんですよ。

レペゼン:
なるほど。

Lil’Yukichi:
それでバイトして中古のMTR(録音する機械)を買ったんですよね。そのMTRにドラムパッドが付いていたのでそれを叩いてビートを数個作ってました。

レペゼン:
すごい!!まず買っちゃうんですね!行動力がすごい!!

Lil’Yukichi:
んで、その後もRoland SP-404を買ったりして。

レペゼン:
ほー。もう難しくなって来ました。笑

Lil’Yukichi:
あとは、Soulja Boy(ソルジャ・ボーイ)がめっちゃ好きで、彼がデビューする前から追っかけてたんですけど。

レペゼン:
はい。

Lil’Yukichi:
当時Sound Click(サウンド・クリック)ってサイトがあって、彼のプロフィール欄見たら、曲作りに使った使用機材とかが紹介されてて、「FL STUDIO」って書いてあって。それを調べたら作曲ソフトだったんで、そっからそのソフト買って、本格的に曲作りを始めた感じですね。

レペゼン:
17歳でその行動力はすごいですね。という事はある意味では、Soulja Boyがきっかけとも言えるかもしれないですね。

Lil’Yukichi:
そうですね。ビート作るようになったきっかけは彼ですね。

レペゼン:
その後はラッパーもビートメイカーどっちもやってたんですか?

Lil’Yukichi:
そうですね。両方ですね。TRILL GRILLZ(トリル・グリルズ)って言うグループを当時組んで活動していました。

レペゼン:
なるほど。
Lil’Yukichiさんと言えば、Cherry Brown(チェリー・ブラウン)名義もありますけど、ビートメークとラップで名前を使い分けているんですよね?

Lil’Yukichi:
そうですね。ちょうどこの頃からCherry BrownとLil’Yukichiの2つ名義を分けて使ってましたね。

レペゼン:
ビートメーカーとしてのLil’Yukichiの名前の由来は何だったんですか?

Lil’Yukichi:
当時、ネットのヒップホップの掲示板に入り浸ってたんですけど、その時のハンドルネームですね。
元々サウスのヒップホップが好きだったから「Lil’(リル)」は付けたかったんですけど、Yukichiの方は「1万円でいっか!」ぐらいの適当な感じで付けました。笑

レペゼン:
そうだったんですね!

Lil’Yukichi:
特に深い意味はないんです。笑

レペゼン:
ちなみにCherry Brownの方の由来は何ですか?

Lil’Yukichi:
当時、USのシーンではJoe BuddenとかBeanie Sigelとか”普通の人名っぽいラッパー”がたくさんいて、俺もそういうのが良いなーってて思ったんですけど。それでスヌーピー見たらチャーリー・ブラウンが出て来て、「あ!人名っぽい!」って思って。

レペゼン:
まさかのスヌーピーからですか。笑

Lil’Yukichi:
でも、当時の自分のラップスタイルって、めっちゃ周りをディスりまくってたんですよ。笑

レペゼン:
チャーリー・ブラウンなのに!

Lil’Yukichi:
そしたら先輩が、「そんなにディスるなら、名前だけでも可愛くしとけば?」って言ってくれて。「Cherryいいじゃん!」って。笑
だからこれも適当に決まりました。笑

レペゼン:
本当にこういう名前ってノリで決まっていくものなんですねー笑

人生グラフ③第1次Lil’Yukichiビートブーム ~メジャーデビュー~

レペゼン:
そのあと、グラフが上がっていきますね!!

Lil’Yukichi:
「第1次Lil’Yukichiビートブーム」です。笑
この辺りから色んな人がビートを使ってくれるようになったんですよ。

レペゼン:
「第1次Lil’Yukichiビートブーム」www
すごいですね!!それは何かきっかけがあったんですか?

Lil’Yukichi:
いやー分かんないですね。でも、とりあえず色んなジャンルの人たちから話を頂くようになりました。

横須賀出身なんで、地元の先輩のBIG RON(ビッグ・ロン)さんやGHETTO INC(ゲトー・インク)のRICHEE(リッチー)さんとかウェッサイ系の人たちから広まってというのと、インターネットというか特にTwitterでの数々の俺の”問題変態発言”が話題になって、そこから名前を知ってもらったというのもあります。その当時はミックステープも何個も出していたのでそれを聴いてくれたブロガーさんがブログに載せてくれたり。

レペゼン:
問題変態発言、気になります…笑
しかしいいもの作ると自然と広まって行くんですねー!!
しかもこの後Cherry Brownでメジャーデビューもしていたんですね!

Lil’Yukichi:
25歳でしました。

レペゼン:
でもデビューしたのに、グラフはすぐ落ちてますね。

Lil’Yukichi:
メジャーデビュー決まるまでは良かったんですよ。もともと、「25歳までに結果出なかったら、ラップ辞めて普通に仕事するって」母とも約束してたんですけど。でもギリギリでデビュー出来て。「何とか叶った!これで仕事もしないで済むー!」って喜んでたんですけどね。

レペゼン:
そんなビッグニュース上がる要因しか無さそうですけどね…

Lil’Yukichi:
そんなに甘くなかったですね。現実は厳しかったです。笑

レペゼン:
そうなんですか…

Lil’Yukichi:
鬱みたいな感じになって、音楽も辞めて死のう死のうって。そんな日々が何年か続きました。

レペゼン:
え…まじですか…そこまで落ちた原因はなんだったんですか?

Lil’Yukichi:
自分の中で良い物はできたと思ってたんですけど、実際に出したらセールスも良くなくて、通用しないなって落ちちゃって。メジャーデビューすれば金も沢山入ってくると考えてたんで、そのギャップに余計やられたっすね。

レペゼン:
理想と現実のギャップがそれだけすごかったってことなんでしょうね。メジャーデビューを経験した人にしかわからない想いですね。しかし、落ちていた2年、結構長かったですね。

Lil’Yukichi:
元々ネガティブ思考だったのもあって、悪循環にはまってました。結構ヤバかったですね。

レペゼン:
マイナスなマインドって抜け出せなくなりますよね…

人生グラフ④ドン底から這い上がり第2次Lil’Yukichiビートブーム

レペゼン:
それから27歳の時に1人暮らしを始めたんですね?

Lil’Yukichi:
ずっと実家暮らしだったんですけど、この時に初めて横浜に出て1人暮らしをスタートました。

レペゼン:
なるほど。何かいいことありましたか?

Lil’Yukichi:
自分でもっと行動しようって気持ちが出てきました。フットワークも軽くなって、もっとオープンにやって行こうって感じになれましたね。

レペゼン:
良かったー!!1人暮らしがドン底から抜け出たきっかけみたいな感じですか?

Lil’Yukichi:
明確にはそうではないですけど、1人暮らしを始めたことで、色んな人と話したりするようになったのは大きかったですね。

レペゼン:
自ら好循環に変えて行ったんですね!

Lil’Yukichi:
本当少しずつですけどね。

レペゼン:
で、そこから抜け出しての「第2次Lil’Yukichiビートブーム」ですね。笑

Lil’Yukichi:
ですね笑
これぐらいからBAD HOP(バッドホップ)とかの話が来たりして、他にも結構若い子達からも声をかけてもらってで、めちゃくちゃ嬉しいですね。

レペゼン:
いやー本当にすごいです!!「死のう死のう」っていうどん底抜け出して良かったです!!

Lil’Yukichi:
そうですね!自分は昔からサウスのヒップホップが好きで、トラップって今主流じゃないですか?
でも当時受けなかった頃からずっと続けてきて良かったなって。今になって通用する、需要があるみたいな感じですよね。

レペゼン:
好きなものが間違ってなかったなってなりますよね!時代が追いついたんですよ!!

 

終始、おおらかで、物腰も柔らかくインタビューに応じてくれたLil’Yukichi。しかし、その奥には確固たる音楽への愛と、トラックメークへの自信が感じられた。
一つ一つの発言の根拠、一つ一つの所作へのこだわりが全て彼の音楽に反映され、ラッパーはもちろんのこと、我々ヘッズの耳に、そして心に引っかかって離れない。

後編は、彼の職人技にフォーカス。実際にどうやって曲作りを行うのか、曲作りにはどんな苦労があるのか、リアルな制作の話を聞いた。

普段リリックばかりフォーカスしているあなたにこそ、読んで見て欲しい。

後編を読む→

 

Lil’Yukichi Instagram:lilyukichimoney

日本のストリートをレペゼンしよう。

FacebookTwitterLine

PICK UP

DOPE

  • 人気記事
  • 急上昇
  • NEW