ブームを迎えて、どん底に落ちて/トラックメーカー:Lil’Yukichiインタビュー③

人気が出始め、デビューしたのもつかの間…

ライター:レペゼン君

レペゼン:
一気にグラフが上がっていきますね!!

トラックメーカーのLil'Yukichi(リル・ユキチ)のRepresent人生グラフ

Lil’Yukichi
「第1次Lil’Yukichiビートブーム」です。笑

この辺りから色んな人がビートを使ってくれるようになったんですよ。

レペゼン:
「第1次Lil’Yukichiビートブーム」www。

すごいですね!!それは何かきっかけがあったんですか?

Lil’Yukichi
いやー分かんないですね。でも、とりあえず色んなジャンルの人たちから話を頂くようになりました。

横須賀出身なんで、地元の先輩のBIG RON(ビッグ・ロン)さんやGHETTO INC(ゲトー・インク)のRICHEE(リッチー)さんとかウェッサイ系の人たちから広まってというのと。

インターネットというか特にTwitterでの数々の俺の”問題変態発言”が話題になって、そこから名前を知ってもらったというのもあります。

その当時はミックステープも何個も出していたのでそれを聴いてくれたブロガーさんがブログに載せてくれたり。

レペゼン:
問題変態発言、気になります…。笑

しかしいいもの作ると自然と広まって行くんですねー!!しかもこの後Cherry Brownでメジャーデビューもしていたんですね!

Lil’Yukichi
25歳でしました。

レペゼン:
でもデビューしたのに、グラフはすぐ落ちてますね。

Lil’Yukichi
メジャーデビュー決まるまでは良かったんですよ。もともと、「25歳までに結果出なかったら、ラップ辞めて普通に仕事するって」母とも約束してたんですけど。

でもギリギリでデビュー出来て。「何とか叶った!これで仕事もしないで済むー!」って喜んでたんですけどね。

レペゼン:
そんなビッグニュース上がる要因しか無さそうですけどね…。

Lil’Yukichi
そんなに甘くなかったですね。現実は厳しかったです。笑

レペゼン:
そうなんですか…。

Lil’Yukichi
鬱みたいな感じになって、音楽も辞めて死のう死のうって。そんな日々が何年か続きました。

レペゼン:
え…まじですか…そこまで落ちた原因はなんだったんですか?

Lil’Yukichi
自分の中で良い物はできたと思ってたんですけど、実際に出したらセールスも良くなくて、通用しないなって落ちちゃって。

メジャーデビューすれば金も沢山入ってくると考えてたんで、そのギャップに余計やられたっすね。

レペゼン:
理想と現実のギャップがそれだけすごかったってことなんでしょうね。メジャーデビューを経験した人にしかわからない想いですね。

しかし、落ちていた2年、結構長かったですね。

Lil’Yukichi
元々ネガティブ思考だったのもあって、悪循環にはまってました。結構ヤバかったですね。

レペゼン:
マイナスなマインドって抜け出せなくなりますよね…

それから27歳の時に1人暮らしを始めたんですね?

Lil’Yukichi
ずっと実家暮らしだったんですけど、この時に初めて横浜に出て1人暮らしをスタートました。

レペゼン:
なるほど。何かいいことありましたか?

Lil’Yukichi
自分でもっと行動しようって気持ちが出てきました。フットワークも軽くなって、もっとオープンにやって行こうって感じになれましたね。

レペゼン:
良かったー!!1人暮らしがドン底から抜け出たきっかけみたいな感じですか?

Lil’Yukichi
明確にはそうではないですけど、1人暮らしを始めたことで、色んな人と話したりするようになったのは大きかったですね。

レペゼン:
自ら好循環に変えて行ったんですね!

Lil’Yukichi
本当少しずつですけどね。

レペゼン:
で、そこから抜け出しての「第2次Lil’Yukichiビートブーム」ですね。笑

Lil’Yukichi
ですね。笑

これぐらいからBAD HOP(バッドホップ)とかの話が来たりして、他にも結構若い子達からも声をかけてもらってで、めちゃくちゃ嬉しいですね。

レペゼン:
いやー本当にすごいです!!「死のう死のう」っていうどん底抜け出して良かったです!!

Lil’Yukichi
そうですね!自分は昔からサウスのヒップホップが好きで、トラップって今主流じゃないですか?

でも当時受けなかった頃からずっと続けてきて良かったなって。今になって通用する、需要があるみたいな感じですよね。

レペゼン:
好きなものが間違ってなかったなってなりますよね!時代が追いついたんですよ!!

Representインタビューに答えるトラックメーカーのLil'Yukichi(リル・ユキチ)

終始、おおらかで、物腰も柔らかくインタビューに応じてくれたLil’Yukichi。しかし、その奥には確固たる音楽への愛と、トラックメークへの自信が感じられた。

一つ一つの発言の根拠、一つ一つの所作へのこだわりが全て彼の音楽に反映され、ラッパーはもちろんのこと、我々ヘッズの耳に、そして心に引っかかって離れない。

後編は、彼の職人技にフォーカス。実際にどうやって曲作りを行うのか、曲作りにはどんな苦労があるのか、リアルな制作の話を聞いた。

普段リリックばかりフォーカスしているあなたにこそ、読んで見て欲しい。

…続く。

 Lil’Yukichi Instagramlilyukichimoney

日本のストリートをレペゼンしよう。