DJに起こる痛ましい事故の回 / RepresentライターDJ SHUNSUKE

クラブDJが一度は必ず経験する痛ましい事故とは?

ライター:DJ SHUNSUKE

好きなように書いて良いと編集長から許可を得ているこのコーナー。いつ「ふざけすぎです」と言われるか不安が過っているが、前回に引き続き好きに書かせてもらおうと思う。

さて今回はプロのクラブDJをしていればほとんどの人が一度は経験する事故について書いていく。

頻発する痛ましい事故

我々クラブDJは繁華街に住んでいるようなイメージを持たれている人もいるだろうが、実はそうではない。中には都心のど真ん中に住んでいるDJもいるが、実際は郊外と呼ばれる都心まで30分~1時間圏内の場所に住んでいるDJが大多数を占める。そうなると通勤は基本的に公共交通機関の王様「電車」だ。
ナイトクラブでの活動が多いクラブDJは仕事の後、お酒も入り肉体的に疲れ切った状態で電車に乗る。早朝でラッシュの始まる前の電車は割と席も空いており、座席に座る事が出来る事も少なくない。するとそこで高確率で発生する事故がある。そう「寝過ごし」だ。どんなに凄いプレイをするDJでも必ず一度は経験している(であろう)痛ましい事故である。

その多発性から申告をしない者も多いこの事故。正直、自分は寝過ごし事故多発の危険運転者である自負がある。「SHUNSUKEと言えば帰りに寝過ごしてどこか遠くに行っている。」というイメージを持つ友人もどうやら少なくないらしい。そこで今日は「DJ SHUNSUKEが寝過ごして到着してしまった場所TOP3」をご紹介しよう。

第3位
石橋(栃木県下野市)

この日は何の用もないのに目が覚めたら栃木県下野市の石橋という駅にいた。それまで、寝過ごしても横浜方面と埼玉方面を行ったり来たりすることが圧倒的に多かった自分にとって、栃木県に着いてしまったというのはとんでもない衝撃だった。普通に帰ろうとしたら絶対に着地し得ない栃木県、どこでどう間違えてしまったのだろう、今も謎が解けない。まあ、せっかく栃木県についてしまったのでレモン牛乳(美味い)を買って帰ろうと駅を出たら電車賃¥2900が表示されたのは驚愕だった。調べてみると下野市はかんぴょうが名物らしく食べて帰ろうと駅前をウロウロしたら不審者と思われ警察に職質された苦い思い出がある。

第2位
鷹ノ巣駅(東京都西多摩郡奥多摩町)

住所だけで言えば華の都大東京。しかしこの鳩ノ巣駅は奥多摩という秘境の一歩手前、直線距離では都心に行くより明らかに山梨の方が近い。到着時、思わず「ジャングルやんけ」と独り言を呟き、初めて自分の居場所をグーグルマップで調べたくらい東京感ゼロの渓谷沿いの駅が鳩ノ巣駅なのだ。電車は一時間に一本くらいしか来ず、駅は完全に無人。周囲からは大自然の奏でる音以外、何も聞こえなかった。露出の趣味はないが、「今ここで裸になっても誰にも気が付かれないだろうな。」と生まれて初めて思った場所でもある。

第1位
小田原駅(神奈川県小田原市)

栄えある第1位は小田原駅。観光地としても比較的知名度のある駅だ。小田原駅にはその年の春くらいにDJの仕事で訪問していたので、起きた瞬間「あ!ここ小田原だわ。」とすぐ気が付く事が出来た。ただ、改めてグーグルマップで調べてみると、突きつけられた現実はとてつもなく厳しく、どう見ても自宅に帰るより富士山の方が近かった。電車の寝過ごしには慣れていても富士山の方が家に近いとなると流石にパニック陥る事が分かった。箱根は目の前なので温泉に入って帰るべきか否か非常に悩ましかったが日曜の昼間は箱根までの電車が大変混んでいてとても乗る気にはなれなかった。それに、ヘネシーにまみれてゴリゴリの二日酔いの自分が今風呂に入れば再び酒が回りまくり、命に関わるのではないか?といった不安も過った為、断念せざるを得なかった。とは言え、せっかく小田原に着いたので駅から少しだけ見える小田原城の写真を撮り駅内にある海鮮料理屋で刺身定食を食べて帰路についた。帰りはロマンスカーに乗って帰った為、六本木から自宅まで計5000円の交通費を掛けて帰ったことになる。家に着いたのは夕方だった。二度と繰り返したくない自分史上最大の事故である。

DJの仕事はお酒を飲むことではないけれど…

どうだろう、寝過ごしが痛ましい事故と呼ばれる所以が分かると思う。これは私DJ SHUNSUKEの場合であって、もしかすると関東を脱出したDJもいるかもしれない。遠くに行ったことをバカ自慢のように書き記しているが、実際クラブDJと言うのは客商売でありお酒の売り上げが評価の対象になる事も少なくない。DJの仕事はDJだ。酒を飲むことではなく、酒を飲ませるプレイをする事だ。ただ、自ら進んで飲まなくても、お客さんに大量にお酒をいただくような機会がある。出されたお酒全てに応える必要はない。が、一杯くらい乾杯しないといけない瞬間も多少はあったりするので結構大変なのだ。気力も体力も使い果たした後に電車にライドオンするとこのような事故が起きるのでDJを志す人達はとにかく気を付けてほしい。

2024年は自分も未だ事故を起こさずに過ごせている。このまま無事故無違反で2024年は過ごせるよう頑張っていく次第である。

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