TKda黒ぶち × WINGZERO 【後編】|Cross Street

急速に進むヒップホップの大衆化に二人は何を思うのか?

ライター:TARO

「辞めなかったのは、チームのおかげなんですよね」

TKda黒ぶち:
WINGさんはブレイクダンスをしていて、その辺のおじさんとかに「おい、踊ってみろよ」みたいなこと言われたりってありました?

WINGZERO:
余裕であったすね。「ヘッドスピンしてみろよ」とか。その時に頭で回れない自分が悔しいと思って、絶対できるようにしたいと思って覚えました。

TKda黒ぶち:
サラッとできてるタイプだと思ってました。

WINGZERO:
全然です。パワームーブとか苦手なんで。練習は好きだったんですけど。得意じゃなかったので、一生懸命覚えましたね。

TKda黒ぶち:
どのくらいでダンスだけで食べていけるようになったんすか?

WINGZERO:
大学卒業後、コールセンターでのバイトはずっと続けてて、本格的にダンス関係だけで生活できるようになったのは本当に最近すね。それまではバイトで貯めたお金で毎年海外には行こうって決めてて、春夏冬には必ず自費で遠征してました。

TKda黒ぶち:
ある意味営業活動ですね。

WINGZERO:
そうですね。自分でバトルに行って、結果残して名前を覚えてもらうみたいな。
それを繰り返してるうちにだんだんチームも有名になってきて、自分自身もゲストで呼んで頂くことが増えてきたりしました。

TKda黒ぶち:
WINGさんの周りでもきっと仕事とかが忙しくてダンスを辞めていく人も多かったと思うんですけど、30代までダンスを辞めなかった理由ってなんすか?

WINGZERO:
楽しかったから笑

TKda黒ぶち:
やっぱそうすよね笑

WINGZERO:
あと自分はチームがあったからっていうのはあるかもしれません。
自分がリーダーだったので色々やらないといけなかったり、大変なこととかもあって。
でもやっぱり辞めなかったのは、チームのおかげなんですよね。

TKda黒ぶち:
大変な時もあったけど、なんだかんだその仲間がいたから続けて来れたってことすか?

WINGZERO:
そうですね。
仲間がいたからやらされていた時もあったけど、振り返ってみたらそれが良かったのかなって。
TKさんは、ラップと仕事の両立についてどう考えてたんすか?

TKda黒ぶち:
オレは、30になったら就職しようという人の逆の発想なんすよ。活動する為にサラリーマンやってるみたいなところもあったし。自分の好きなことをする為にお金を稼ぐって感じでしたね。それで食うことだけが正解じゃないかもと思ってたし、働きながらアルバムの一つぐらい出してやろうっていう変な意地もありました。
サラリーマンと並行しながらやってきて、30歳手前で色々考えて、やっぱ好きなことをやりたいなって脱サラした感じです。

WINGZERO:
それ聞いたら、オレ何も考えてなかったって思うっす笑

TKda黒ぶち:
それはないでしょ笑

WINGZERO:
いや、ほんと就職しないとヤバいとかも考えてなかったんですよ。バトル負けたから悔しいしやろうって考えしかなかった。
これ一本で食っていくとも思ってなかったし、別に食わなくてもいいと思ってたぐらいす。
別にバイトしながらでも時間作ってダンスで勝てればいいと思ってました。

TKda黒ぶち:
ある意味同じ感じですよね。仕事しながらやっていくでも良くて。とにかくカルチャーにずっと携わっていたいというか。
自分がそれをする為には、もう何でもいいんだっていう。

WINGZERO:
そうですね。あと自分はやっぱりチームのおかげすね。
みんなに気づかされたというか。チームをやってきて、僕がリーダーで上の立場なので、ちゃんとこれでみんなを食わせていけるようにしないといけないじゃんって。
自分だけのことで言うなら、今でも別にバイトしながらでも楽しければいいとは思ってます。そんなこと言ったら、メンバーにお前が何言ってんだって言われますけどね笑
そういうことを考えれるようになったのが、自分は大人になったんだなっていうことにしておきます笑

プロフィール

  • TKda黒ぶち

    TKda黒ぶち

    春日部のダテじゃないメガネの異名を持つRapper、Timeless Edition Rec.代表。 フリースタイルダンジョン3代目モンスター。2005年からマイクを握り今日現在に至る。 2015年末に1stアルバム「LIFE IS ONE TIME,TODAY IS A GOOD DAY.」、2018年に2ndアルバム「Live in a dream!!」、2019年にはキャリア初のEP「Good Morning EP」をリリース、2020年5月には日本のHIPHOPシーンを代表するプロデューサー陣を招き3rdアルバム”Don’t Let the Dream Die”をリリース。 また、日本初のHIPHOP専門ラジオ局”WREP”にて毎週月曜20時から放送されている”Timelessチャンネル”のパーソナリティーを務める。

  • WINGZERO

    WINGZERO

    日本が世界に誇るトップ・B-Boy。ブレイクダンスチームFOUND NATION(ファウンド・ネーション) のコアメンバー。基礎力の高いフットワークに加え、コミカルかつスタイリッシュなダンススタイルはジャンルを超え多方面のダンサーに支持されている。 オランダで毎年行われているブレイクダンスの世界大会・IBEのフットワーク部門で2012年・2013年と二年連続で優勝。2016年にはFREESTYLESESSION WORLD FINALの3vs3部門にメンバーのRYO-FLOW,ISSEIと出場し、日本人CREW初優勝を成し遂げた。現在は株式会社FNMDの代表として、ダンサーのマネジメントやキャスティングを行う他、YouTubeチャンネル「FLAVAJAPAN - ブレイクダンス TV -」のプロデュースを行なっている。