ストリートカルチャーの異なるジャンルのプレーヤー2人がカルチャーのディープな部分について対談する「クロス・ストリート」。
ラッパーのTKda黒ぶちさんとブレイクダンサーのWINGZERO(ウイングゼロ)さんの対談、後編です。
後編のテーマは「ヒップホップと大衆化」。ラップとブレイクダンス、それぞれのシーンでバトラーとして結果を残し続けてきた2人が考える「ヒップホップの大衆化」とは?どこよりもリアルなトークの始まりです。
>前編はこちら
ヒップホップの最前線で戦ってきたラッパーとブレイクダンサーが語る「バトル論」とは?
「罵倒」優勝の2時間後、上司にこき使われる
WINGZERO:
TKさんはずっとサラリーマンをしながら、ラッパー活動を続けていたって聞いたんですけど。
TKda黒ぶち:
そうですね。10年弱くらい、30歳くらいまではサラリーマン続けてました。
最後の方はもう、ほぼ仕事はフェードアウトしてましたけど。
WINGZERO:
会社の同僚はTKさんがラップをやっているって事にどんな反応だったんですか?
TKda黒ぶち:
実はオレ、ラッパーってことをマジでひた隠しにしてたんです。
WINGZERO:
そうなんですね笑
TKda黒ぶち:
今だから言いますけど、地方のライブに行くために、架空の親戚を何人も葬っています。
WINGZERO:
マジっすか笑
TKda黒ぶち:
福岡でライブの時は「すみません、福岡の方にいる親戚が亡くなっちゃって」とか。
親族代表で僕しか行けないので2、3日休みくださいって言って。それで現地でライブしてお土産を買ってきて渡すっていう。
WINGZERO:
笑
TKda黒ぶち:
メディア露出が増えてからはダメになっちゃったんですけど。それまではひた隠しです。
WINGZERO:
「フリースタイルダンジョン」出てた時も隠してたんすか?
TKda黒ぶち:
全然隠してます。有休取ったりして出てました。
WINGZERO:
結構あの番組って見られてましたよね笑
TKda黒ぶち:
そうですね。
なんで、眼鏡外して仕事してる時期ありました。
WINGZERO:
笑
TKda黒ぶち:
ただやっぱり仕事とイベントとかの兼ね合いは大変でしたね。
「何でそんなに休むの?」とか言われますし。
それこそ2012年の「罵倒」というバトルで優勝して、すごい歓喜に満ち溢れていた2時間後、
上司にこき使われてるみたいなこともありました。
WINGZERO:
きついですね。
TKda黒ぶち:
5時クローズで、寝ないで7時に出社してました。
ダッシュで地元帰って準備してみたいな。
数時間前まで優勝ムードだったのに。
そんな日常でしたね。
プロフィール
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春日部のダテじゃないメガネの異名を持つRapper、Timeless Edition Rec.代表。 フリースタイルダンジョン3代目モンスター。2005年からマイクを握り今日現在に至る。 2015年末に1stアルバム「LIFE IS ONE TIME,TODAY IS A GOOD DAY.」、2018年に2ndアルバム「Live in a dream!!」、2019年にはキャリア初のEP「Good Morning EP」をリリース、2020年5月には日本のHIPHOPシーンを代表するプロデューサー陣を招き3rdアルバム”Don’t Let the Dream Die”をリリース。 また、日本初のHIPHOP専門ラジオ局”WREP”にて毎週月曜20時から放送されている”Timelessチャンネル”のパーソナリティーを務める。
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日本が世界に誇るトップ・B-Boy。ブレイクダンスチームFOUND NATION(ファウンド・ネーション) のコアメンバー。基礎力の高いフットワークに加え、コミカルかつスタイリッシュなダンススタイルはジャンルを超え多方面のダンサーに支持されている。 オランダで毎年行われているブレイクダンスの世界大会・IBEのフットワーク部門で2012年・2013年と二年連続で優勝。2016年にはFREESTYLESESSION WORLD FINALの3vs3部門にメンバーのRYO-FLOW,ISSEIと出場し、日本人CREW初優勝を成し遂げた。現在は株式会社FNMDの代表として、ダンサーのマネジメントやキャスティングを行う他、YouTubeチャンネル「FLAVAJAPAN - ブレイクダンス TV -」のプロデュースを行なっている。