BMXとダンス、それぞれの“ビデオ・カルチャー”
SHADE:
さっきも話したんですけどBMXのストリートのカルチャーでは、みんなビデオを撮ることが一つの目標なんですか?
白石 大輔:
そうすね。各都市に、ローカルと呼ばれるチームみたいなのがあって、そのチーム単位で撮影して、YouTubeにあげたりしてます。まぁ最近はインスタが主流なんで、インスタで数分の映像を作ったりとかかな。
SHADE:
そのビデオカルチャーってあんまりダンスにはないんですよね。
白石 大輔:
でも結構インスタとかTikTokとかに上げてません?
SHADE:
そういうのはあるんですけど、しっかりチームとかで撮影して編集してアップするとか、それがきっかけでスポンサーがついてみたいな盛り上がりはあんまりないですね。
白石 大輔:
なるほど。
SHADE:
最近東京では“SIX STEP PROPAGANDA”、関西の方だと“DUKES HARDCORE”ていうチームがあって、ストリートで撮影した動画の上映会とかやってたりしていて、プレーヤーの若い子たちから超人気はありますけど、ほかはあんまり聞かないですね。
【SIX STEP PROPAGANDA】
【DUKES HARDCORE】
白石 大輔:
映像で遊ぶ人も増えてきてはいるけどって感じなんすね。
なんでなんですかね?
SHADE:
僕も白石さんの話聞きながら、なんでだろう?って考えてて。
まぁやっぱり備品とかパーツがない。まずそこが全然違うなと。
白石 大輔:
確かに。
SHADE:
パーツってダンスに置き換えたら、スニーカーくらいかなって。
でもそれもちょっと違うし。
何か自分の踊りのネタとかが引き継がれていくくらいかなみたいな笑
白石 大輔:
技の継承ってことすね。
シグネチャー・ムーブか。
SHADE:
そう。でもBMXの場合は、そこからパーツメーカーとかがスポンサー付いてくれたりとか可能性はあるじゃないですか。ダンスってあまり思い浮かばないんすよ。
白石さんはB-BOYが動画を使うなら、何をしたらいいと思いますか?
白石 大輔:
うーん、正直全然ブレイクダンスのこと知らないんで、失礼なこと言ったらごめんなさい。僕が面白いなと思うのは、例えばYouTubeの踊ってみた系の企画ですげぇバズってる子たくさんいるじゃないですか?
ああいう子とB-BOYが一緒にやるとかは見たいな。
SHADE:
面白いすね。
色んな層にも広がるかもしれないですね。
白石 大輔:
そうそう。
正直、何かB-BOYって結構怖いイメージ、アングラのイメージがあるんすけど、
逆に何かそこを崩しにいくことがヒップホップな感じがして面白いなって思うすね。
僕はわりとそういうのが好きです。
SHADE:
確かに。
ただそれができるB-BOYってなかなかいないかもすね。
白石 大輔:
まぁそれぞれブランディングもありますしね。
でも、最近なんかそれが崩れてきてんじゃないかなと思うんすけどね。
色んなヒップホップのジャンルを見てて、昔に比べて、シーンがより柔軟になっていってるのを感じるんすよね。
プロフィール
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群馬県出身・在住のブレイクダンサー。関東を中心に活動するB-Boy CREW「ARIYA」のメンバー。 ブレイクダンスの基礎的な要素であるトップロック、フットワーク、パワームーヴを全て高水準で行うスキルに加えて、クラシックバレエで培った関節の柔軟性を活かしたユニークなフリーズやフロア技で多くの人を魅了する唯一無二のスタイルを持つ。 15歳からブレイクダンスを始め、国内外の数多くの大会で結果を残し、現在はパリ五輪・ブレイクダンス強化選手に指定されている。また、地元・群馬県のブレイクダンス連盟「GBDA」に所属し、群馬でのブレイクダンスの活性化と普及に努めている。
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愛媛県出身、東京在住のBMXライダー。 高校卒業後からBMXに乗り始め、その後ビデオ制作を開始。 次第に海外のBMXメディアから注目され、2016年にはNYのBMXパーツブランド「animal」のインターナショナルチームにスカウトされる。 翌年から日本のBMXブランド「ALIVE INDUSTRY」のチームメンバーに。 現在はプロBMXライダーとしての活動しながら、BMXメディア「MOTO-BUNKA」の編集長として、日本にBMX文化を広めるためのアクションに力を入れている。