これまでに明らかになった、彼のヒップホップへの探究心、そして行動力。仮にラッパーを志していない我々にとっても学ぶべきことがたくさんあった。
しかし、驚くべきは前編だけでは留まらない。後編に紹介するのは。ここ最近、彼が仕掛けてきたこと。
時代の変化がもちろんある中で、その時々に何を”提示”できるか。ラッパーとして、一人の男として、リスペクトフルなELIONE(イーライワン)の生き様をしかと見届けよ。
レペゼン:
東京に出て来て、ファーストアルバムを出して、いろんなラッパーと友達になって…そのあとのことを教えてください!!
ELIONE:
そのあとは、セカンドアルバム出すんですけど、セカンドの時はクラウドファンディングを使って作ったんですよ。
レペゼン:
おー!!そうなんですね!!お金はどのくらい集まったんですか?
ELIONE:
100万円くらいですかね。
レペゼン:
すごいですね!!
ELIONE:
BOOK OFFで僕の好きなアルバムが250円で売られてるのにムカついて。「CDである事をやめればそんな低い価値が付けられないでしょ」と思って、クラウドファンディングでお金を募ってUSBで発売しました。音楽の価値を見直させたかったんですよね。
レペゼン:
すごい!!そういうアツい思いがあって、自ら動くスタイルほんと尊敬です!!
でも確かに、今ではCDをなかなか聴かなくなりましたよね。
ELIONE:
そもそもパソコンにCDを入れるところないじゃないですか!笑
ディスクドライブも別になっちゃってるし。だからそういう社会への”提示”っていう意味でも、「USBでの発売」をやってみたかったんですよね。
レペゼン:
素晴らしいです。
ELIONE:
同じ頃にWU TANG CLAN(ウータンクラン)のRZA(レザ)が、自分達で作ったアルバムの権利をオークションに出したんですよ。原盤権を売ってやるって。確か数億円?とかで売れたと思うんですけど。
レペゼン:
なんかそう言う事ありましたね。
ELIONE:
結局、富豪がそれを買って、あとはそいつがレコード会社に持って行ってリリースして世界中に聴かせても良いし、1人で聴いてても良いみたいな事だったんですけど。RZA好きなのもあったし、良いなと思って、その動きをちょっとサンプリングした感じですね。
レペゼン:
その活動すらサンプリングしたって事ですね!
ELIONE:
インディーズのアーティストと言うか、インディペンデントで自分達でやるなら販売方法もプロモーションになると思ったんですよ。
レペゼン:
なるほど。
ELIONE:
この間亡くなりましたけど、Nipsey Hustle(ニプシー・ハッスル)が一枚100ドルのアルバムを出して、JAY-Z(ジェイ・ジー)が”いいムーブメントだね”って100枚買って、、、RocNationのオフィスで写真を撮って、、、とかってエピソード、確かあったじゃないですか?
売り方も自分達で選べるって言うか、音楽の値段って結局は音楽業界とレーベルが勝手に値段決めただけなんで、関係ないんじゃないかなってのは思います。
レペゼン:
確かにその通りですね。
ELIONE:
なんならライブ終わりに手売りで、「これ1枚50万なんですよ」ってCD売っても良いわけじゃないですか。だから「決められてる物」、「既存の概念」に常に疑問を抱くべきだって思って、そういうことをやっていました。
レペゼン:
さすがすぎます!!
ELIONE:
いくらで売るべきなのかを誰かが決めてるだけなんで、自分で決めたいじゃないですか。で、そういう思考とかが詰まって「UNCHAINED」、「誰にも縛られない」ってタイトルで次のサードアルバムに行ったぽいですね。笑
レペゼン:
ぽいんですね。笑
ELIONE:
これもビート流して、その時に出た言葉を歌詞にして、曲になったみたいな感じで作りました。だから、そういう思いが詰まってたんでしょうね。この頃のELIONE君には。笑
レペゼン:
その頃のELIONE君。笑 ご自身のストレートな思いが詰まったアルバムなんですね。
レペゼン:
その頃、フリースタイルダンジョンに出てましたよね!反響ありましたか?
ELIONE:
面白く思ってくれたのか、反響はありましたね。
レペゼン:
観てる人も多いですもんね。フリースタイルは今でもやってるんですか?
ELIONE:
全然してます!無限にしてます!
なんか、みんな勘違いをしてて、「楽曲制作」と「フリースタイル」を分けるんですけど。そもそもヒップホップの前身にあるジャズって即興じゃないですか。だからフリースタイルも音楽だし、むしろフリースタイルの理解がないとパンチラインの演出がうまく出来ないんですよね。
レペゼン:
なるほどー!!
ELIONE:
フリースタイルで盛り上げる事が出来る人、ちゃんとパンチラインで盛り上げられる人は、言葉の演出が上手いって思います。バトルに関してはどっちでも良いんですけど、「フリースタイル」っていうものはすごく音楽的なものだし、愛して欲しいなって思いますね。
レペゼン:
たまに「フリースタイルやってる人は楽曲がダメだと」かみたいな意見があるのはもったいないですね。
ELIONE:
そうですね。皆が大好きなBiggie(ビギー)もフリースタイルの動画、めちゃくちゃ有名だし、MOS DEF(モス・デフ)とかTalib Kweli(タリブ・クエリ)とかPharoahe Monch(ファラオ・モンチ)とかみんなフリースタイル残ってるし。
あとはKanye West(カニエ・ウエスト)だってフリースタイルしてる映像が残ってるし、JAY-Zもフリースタイルしてる音源とかが引っ掛ったから有名になってるわけですしね。フリースタイルは世界に通じるし、大切なんじゃないかなと思います。
レペゼン:
その通りかもしれません!ヒップホップを愛していれば自然とフリースタイルをやることになるってことですね!!
ELIONE:
うーん。そうですね。出来なきゃダメというわけではないですが、出来たらもっと楽しいよ。って、思ってます。
▼ELIONE
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Interview:ABE HONOKA
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