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「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回はラッパーたちに影響を与えた映画やアニメのキャラシリーズ「スカーフェイス – トニー・モンタナ 編」。USラッパーたちに大きな影響を与えたの名作映画『スカーフェイス』の大人気キャラ、トニー・モンタナとラップミュージックのリンクについて紹介していくよ!
『スカーフェイス』とは?
アメリカ・マイアミを舞台に、キューバ移民のトニー・モンタナ(アル・パチーノ)が無一文の身からマイアミ暗黒街の頂点へと上りつめる様を描いた作品。アル・パチーノの迫真の演技とバイオレンス描写、そして成り上がりストーリーが当時の若者に絶大な人気を得て、マフィア映画の金字塔となった映画だ。
アル・パチーノが演じたギャングスタ “トニー・モンタナ”
アル・パチーノが演じるキューバ移民トニー・モンタナは無一文の身からマイアミ暗黒街の頂点を目指す男。
貧困の中から自分の力だけで成り上がるトニー・モンタナの姿に特にアメリカ社会での格差や貧困に苦しんでいたアフリカン・アメリカンの若者が共感し、ヒップホップのコミュニティにおいてもトニー・モンタナはアイコン的存在になったんだ。
ヒップホップバイブス溢れる究極の成り上がりストーリー
トニー・モンタナの魅力はなんといってもその成り上がりストーリー。
無一文のキューバ移民、トニー・モンタナが腕一本で成り上がっていく様に多くの若者が憧れたんだ。
ギラついたヤンチャな感じと、男臭いオラオラなバイブス、そして何より怒った時のイカつさがまさにリアル・サグな雰囲気を醸し出しているんだ。またそれがめちゃめちゃかっこいいのよ。
持ち前の度胸を武器に、暴力と金で欲しいものを手に入れ、マイアミ裏社会の頂点に登り詰めたトニー・モンタナの生き方はもちろん僕たちには真似できるものではないけれど、その根性とハングリー精神からは人生を生き抜くパワーをもらえるよ。
USラッパーたちへのインパクト
貧困の中から自分の力だけで成り上がるトニー・モンタナの姿が、ヒップホップコミュニティに与えた影響は大きく、特に公開当時の1980年代に子供だったラッパーたちへの影響は絶大。Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)のRaekwon(レイクォン)、JAY-Z(ジェイ・Z)、Nas(ナズ)などレジェンドラッパーたちも楽曲の中で、『スカーフェイス』について歌ったり、お気に入りの映画として挙げているんだ。特にナズの名曲「The World Is Yours」は映画のラストシーンで出てくる「World Is Yours」にインスパイアされて名付けられた曲。映画を観れば、USラップに対する理解も深まること間違いなしだよ。
ヒップホップシーンで多くサンプリングされているパンチライン
パンチラインの多いこ『スカーフェイス』の中でも特に有名なのがこのトニー・モンタナのセリフ。
“you gotta make the money first. Then when you get the money
(まず金を作らなきゃいけない。そして金を手にしたら、権力を手にすることができる)”
このセリフはラップのリリックでも多く引用されている。
Nipsey Hussle「Last Time That I Checc’d(2018)」
I’m the streets’ voice out West
Legendary, self-made progress
Last time that I checked (Checked)
First, you get the money, then respectオレは西のストリート・ボイス
伝説的、叩き上げは前に進むぜ
さっき確認した
まず金、そしてリスペクトさ
『スカーフェイス』ではこの他にも“I come from the gutter. I know that. I got no education, but that’s okay. I know the street(オレはゲットー出身だ。自分でわかってる。まともな教育も受けてない。でもいいんだ。ストリートを知ってるからな。)や、“You wanna play rough? Okay! Say hello to my little friend!(派手にいきたいか?いいだろう、オレの小さな友達に挨拶しな!)”など多くの名言がある。そしてその多くがUSラップのリリックでサンプリングされているんだ。