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ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストはお笑いコンビ、インポッシブルとして活動するお笑い芸人のひるちゃんさん。「有吉の壁」など多くのテレビ番組に出演する人気芸人のひるちゃんさんは、実は生粋のヒップホップ・ヘッズであり、ストリート上がりのスケートボーダー。今回はヒップホップやスケートボードとの出会いを中心にひるちゃんさんのキャリアをお伺いしました。
前回の記事はこちら→ ヒップホップ好き和菓子屋「たんの和菓子店」が伝える日本文化
川崎生まれ、ヒップホップ育ち。お笑い芸人・ひるちゃんの生い立ちとは?
レペゼン:
自己紹介をお願いします。
ひるちゃん:
インポッシブルというコンビでお笑い芸人をやってます、ひるちゃんです。
38歳、神奈川県出身。おでこが狭すぎて冷えピタが貼れないです。
【インポッシブル 相方のえいじさんと】
レペゼン:
ありがとうございます。ひるちゃんさんは90年代ヒップホップが大好きで、さらにスケートボーダーということをお伺いし、取材させて頂くのを楽しみしておりました。早速で恐縮なのですが、自己紹介ギャグをお願いできますでしょうか。
ひるちゃん:
いきなり!?
えー…どうしよ…ちょっと今、この部屋暑くて、汗かいちゃうなぁ。
良い汗をかいた金剛力士像。あ〜良い汗、かいたぁぁ!!
レペゼン:
最高です笑
無茶ぶり対応ありがとうざいます!!笑
ひるちゃん:
すげぇ恥ずかしかったです笑
レペゼン:
ありがとうございます笑
最初のテーマは、学生時代とヒップホップとの出会いというところなんですが、地元はどんな場所でどういう学生だったんですか?
ひるちゃん:
地元は神奈川県の川崎市 北部の方です。
南部はイケイケなんですが、あっちじゃなくてわりと緩やかな感じでしたね。
レペゼン:
あんまりヤンチャな人とかもいなかったんですか?
ひるちゃん:
僕のところは比較的落ち着いてましたね。ちらほらカラーギャングとかはいましたけど。
ただ隣り町の東京都町田市に行くと、もうウェッサイみたいな人たちが多かったですね。
たまに買い物に行く時とか、カツアゲされないように、靴下に1000円札を隠して行ってました。
レペゼン:
アメリカスタイル笑
ひるちゃんさんはどういった学生だったんですか?
ひるちゃん:
普通に真面目な学生でしたね。
一応生い立ちから言うと、小学校4年ぐらいで、すね毛は生え揃ってました。
レペゼン:
笑
だいぶ早いですね笑
ひるちゃん:
毛むくじゃらな感じでした。めっちゃ沖縄出身でしょとか言われて。
でも小学校の頃にはお笑い芸人になりたいなとは思ってましたね。
レペゼン:
何がきっかけだったんですか?
ひるちゃん:
「めちゃイケ」とかの世代だったので、やっぱり最初はナインティナインさんでしたね。
僕自身ちょっとお調子者キャラみたいな感じだったので。
ただ最終的に、おぎやはぎさんに憧れてました。
レペゼン:
今と全然違いますね笑
ひるちゃん:
そうなんです笑
人間向いてることと向いていないことがあるなとわかりました笑
団地で拾ったスケボーから始まったスケーター人生
レペゼン:
ひるちゃんさんはいつ頃からスケートボードをされていたのですか?
ひるちゃん:
スケボーは中2ぐらいからですね。
団地のごみ捨て場にあったスケボーを拾って、そこから始めました。
レペゼン:
めっちゃストリート笑
ひるちゃん:
そうなんです笑
周りの友達も結構やってて、そこから意気投合して、みんなで練習してましたね。
レペゼン:
今もそうですけど、ストリートでやってると結構怒られたんじゃないですか?
ひるちゃん:
めっちゃ怒られてましたね。練習場所にしてた敷地に、スケボーの台を作って勝手に置いて、友達と遊んでたんですけど、次の日に行ったら、そこの地主の人がぶっ壊して燃やしてるみたいな。
レペゼン:
笑
20年以上前ですし、風当たりが強かったですよね。
毎日やってたんですか?
ひるちゃん:
毎日やってましたね。サッカー部に所属してたんで、部活と並行してやってたんですが、スケボーを好きになって、部活そっちのけでやってました。
初めて聴いたヒップホップは、The Notorious B.I.G.
レペゼン:
スケボーに夢中になっていった中学生時代ですが、当時からヒップホップも聴いていたんですか?
ひるちゃん:
聴いてました。初めて聴いたのはたしか、中1か中2の時で、The Notorious B.I.G.(ザ・ノトーリアス・ B.I.G.)の「 Notorious B.I.G.」です。“ No-no-notorious “ のフックのやつ。
【 The Notorious B.I.G. – Notorious B.I.G.】
レペゼン:
最初がビギーなんですね!
ひるちゃん:
そうです。友達でめっちゃ洋楽好きなやつがいたんすけど、そいつのお姉ちゃんが翻訳の仕事してて。
アメリカの兵隊さんというか、アメリカ軍の人と結婚したような人で。
その友達におすすめされて聴いたら衝撃を受けて。あの時もうBad Boy全盛期だったじゃないですか。
レペゼン:
それこそ今話題のPuff Daddy(パフ・ダディ)が。
ひるちゃん:
そうそう。
で、自分でもBad Boyのやつを買おうってなって、まずMase(メイス)を買って。
レペゼン:
懐かしい笑
ひるちゃん:
そこからBad Boy系を結構聴き出して。で、ビギーってもう死んでいるの!?みたいな。そこからBig Punの「Still Not a Player」とか好きになって。あとその流れでJa Rule(ジャ・ルール)とかも聴いて。
レペゼン:
Ashanti(アシャンティ)がフィーチャリングしてた「Mesmerize」とかね。
ひるちゃん:
アシャンティ!!
懐かしい!!
レペゼン:
周りも結構ヒップホップ聴いてたんですか?
ひるちゃん:
聴いてましたね。その洋楽に詳しい奴が地元のリーダー的な存在で、そいつが言うんだったら、聴いてみようかなって感じでみんな聴き始めた感じです。それで地元でヒップホップブームが起きてましたね。
思春期、ギャルと話すためにJ-POPを聴き始める
レペゼン:
J-POPとかは聴いてたんですか?
ひるちゃん:
いや、まったく。もう音楽というものが、ビギーから始まっちゃったので。みんなが共有できるあの時の思い出のJ-POPとかがわからなくて。むしろバンドの曲なんて聴かねぇよみたいな感じで、尖ってました笑
レペゼン:
めっちゃ分かります笑
ひるちゃん:
ただそれがヤバいなと思ったのが、高校に入った時で。女子の方が生徒数が多くて、ギャル多めの高校だったんです。
彼女作りてぇってなって。入学した初月に5人に告白したんです。
レペゼン:
攻めますね笑
ひるちゃん:
で、全員に振られて。
レペゼン:
笑
レペゼン:
彼女を作るためにはどうしたら良いのかって考えたら、もう女の子と話を合わせるためには、J-POP聴くしかないと。それでJ-POPも聴き始めました笑
ヒップホップとスケートボードにどっぷりハマっていた中高生時代のひるちゃんさん。次回は吉本興行の養成所、NSCのお話や若手時代に元気をもらったヒップホップについて聞いていくよ!お楽しみに!