今回紹介するスラング
racks
札束
目 次
WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.223。今回取り上げる英語は「racks(ラックス)」。
もともとは「棚」という意味だが、スラングでは「札束、女性の胸」という意味になる言葉だ。
早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!
まずはPost Malone(ポスト・マローン)と 21 Savage(トゥエニーワン・サヴェージ)の大ヒットソング「rockstar」から「racks」の使い方をチェック!
Post Malone & 21 Savage「rockstar(2017)」
Green hundreds in my safe, I got old racks
L.A. bitches always askin’, “Where the coke at?”オレの金庫の緑の数百枚、古いラックスも持ってるぜ
LAの女どもはいつも聞いてくる、“コカインはどこ?”って
トゥエニーワン・サヴェージのリリック。
“green hundreds(緑の数百枚)”とは アメリカのドル札のこと。
アメリカのドル札は緑色であり、ヒップホップシーンでは“green(緑)”はドル札を表す単語としてよく使われているんだ。
そして“ I got old racks(古いラックスも持ってるぜ)”で歌われている「古いラックス(札束)」とは2013年に発行された新紙幣(真ん中に青色のストライプが入ってるもの)以前のドル札のこと。実はこの部分はその後に続く“L.A. bitches always askin’, “Where the coke at?” (LAの女どもはいつも聞いてくる、“コカインはどこ?”って)”に繋がっている。
トゥエニーワン・サヴェージはもともとドラッグ・ディーラーとしても活動していたラッパーであり、「LAの女どもはいつも聞いてくる、“コカインはどこ?”」はそれを暗示するライン。つまり「古い札束を持っているぜ」というのは、昔のドラッグを捌いてた時の金をまだ持っているぜという意味にもとれるんだ。
続いてはAriana Grande(アリアナ・グランデ)の「7 rings」をチェキ!
Ariana Grande「7 rings(2019)」
I don’t mean to brag, but I be like, “Put it in the bag,” yeah
When you see them racks, they stacked up like my ass, yeah自慢するつまりはないわ、でも私は、“それバッグに入れといて”って感じ
私のラックスを見たら、まるで私のケツみたいに盛り上がってるのわかるでしょ?
アリアナ姉さんのブリンブリンなリリック。
アリアナレベルになると、もはや手に入れられないものはない。
お店に行けば、 “Put it in the bag(それバッグに入れといて)”って感じで高級品をバンバン買っちゃうってわけだね。
そして “When you see them racks, they stacked up like my ass, yeah(私のラックスを見たら、まるで私のケツみたいに盛り上がってるのわかるでしょ?)”の部分で使われてるラックスは「胸」と「お札」のダブルミーニング。彼女のおっぱいも手持ちのキャッシュもまるで彼女のお尻のように分厚いわよって感じだね。
可愛らしい見た目のアリアナだけど、言ってることはめちゃめちゃハードだぜ。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.223のラストを飾るのはMustard(マスタード)と Roddy Ricch(ロディー・リッチ)の「Ballin’」!
Mustard & Roddy Ricch 「Ballin’(2019)」
I keep a hundred racks inside my jeans
I remember hittin’ the mall with the whole teamジーンズの中に常に入ってる100ドルのラックス
全員でモールに乗り込んだのを覚えてる
「Ballin’」からロディ・リッチのリリック。
昔は貧乏で、仲間達とともにショッピングモールを襲撃するほどのギャングだったロディ・リッチは、今ではアーティストとして大成功。ジーンズに分厚い札束を入れるほど稼いでいるって感じだね。まさにヒップホップドリームなリリックだぜ。