レペゼン:
DJと言っても、今では色々な活躍の仕方があると思います。KEKKEさんのDJはどんなフィールドをメインにしていますか?
DJ KEKKE:
やっぱりメインはクラブDJですね。あとはDJの講師もやってます。これもタローさんの縁でやらせてもらってるから、本当に全部が縁ですよね。あと最近ちょっと強めてるのは、企業パーティーのDJ。
レペゼン:
クラブ以外の仕事も色々やられているんですね。
DJ KEKKE:
そういうのが大事だと思ってます。クラブDJだけやってても幅が広がらないので。だから最近ではクラブ以外のフィールドに力入れてますね。
レペゼン:
最初の頃はLAスタイルと言ってましたが、今のご自身のDJスタイルはご自身で分析するとどんな形でしょうか?
DJ KEKKE:
今はスタイル的にどこのスタイルってのは分からないけど、お客さんを1番大事にしたいなとは思っています。お客さんを尊重しつつも、シーンの事を考えながらやって行きたいですね。
レペゼン:
KEKKEさんのDJって、どこでどんな人が聴いても、みんなが納得できるなって、いつも聴いてます。
DJ KEKKE:
それはかなり意識してますね。例えば超大きな箱とかでやる時も、かけてる曲はチャラくてもその中に玄人を唸らせるポイントは絶対に入れようって心がけてますね。
レペゼン:
なるほど。お店の事もお客さんの事も考えながらも、自分のやりたい事はこうですよって提示できるのって本当にすごいと思います。
DJ KEKKE:
VILLAGEを経験して、お店の事をすごい考えるようになりましたね。俺がDJしてて、お酒とか滞在時間とか全部含めて売上げが上がったら嬉しいですし。
レペゼン:
なるほど。
DJ KEKKE:
だからVIP席もめっちゃ見ますね。VIPの奥の方とかでも、バースデーのプレートが上がったらすぐバースデーソングかけるとか。クラブ全体を誰よりも見てるっていう自信はありますね。
レペゼン:
すごい!そういうのも大事なんですよね。他のDJに負けない点、自分にしか出来ない強みみたいな部分、他にもありますか?
DJ KEKKE:
空気を瞬時に察することができるっていう、今言ったところはもちろんですけど、あとは選曲の幅ですね。
ヒップホップが得意だしそれを軸にやってるけど、ハウスでもEDMでもバッチリ合わせることはできると思います。
レペゼン:
なるほど。
DJ KEKKE:
俺は自分のことを「ヒップホップ DJだ」って謳いたくないところがあって。酔った勢いで言っちゃってるかもしれないけど。笑
ジャンルはフランクに考えてますね。
レペゼン:
柔軟にということですね?
DJ KEKKE:
そうですね。例えば10代しかいないクラブとか、50代のディスコ世代しかいないクラブってなっても盛り上げられる。誰がいようと、どこの現場だろうと、カマす自信はあります。
レペゼン:
そういう安定感があるから仕事も色々来るんでしょうね!!DJをしていて「こんな時嬉しい」ってどんな時ですか?
DJ KEKKE:
当たり前だけどお客さんが盛り上がってくれた時ですね。ただ盛り上がるだけじゃなくて”盛り上がる質”も大事なんですけど。手を挙げてるだけじゃなくて、なんていうか、お客さんの笑顔かなー。
レペゼン:
心から楽しんでる感、ですよね。
DJ KEKKE:
そうですね。あと一体感っていうか。「この曲で盛り上がってください、ドカーン!」じゃなくて、”共有”ですよね。
レペゼン:
あと例えば、「今のスクラッチはヤバい!」みたいな技術的な事と、「選曲やばい!」って言われるのはどっちが嬉しいですか?
DJ KEKKE:
やっぱり選曲ですかねー。技術的な事が付随した上での選曲で盛り上がってるのが嬉しいですね。そこは1つの武器でしかないから技術的な部分への感心もありがとうございますだけど、選曲良かった?って聞きたくなっちゃいますね。
レペゼン:
ではいよいよ、ワンマンについてお伺いします。なぜワンマンをやろうと思ったんでしょうか?
DJ KEKKE:
BULL(ブル)から背中を押されたのも大きかったけど、今のシーンを見てた時に色々と思う事があったって言うのがデカいですね。
レペゼン:
どんな事を思ったんですか?
DJ KEKKE:
SNSで何回も言ってるんですけど、クラブの楽しみ方を関係者がちゃんと教えれてないと思うってのが1番デカいですね。別にお客さんが悪いとかじゃないんですよ。クラブの楽しみ方って音楽だし、酒だし、出会いだし。でもそれ以外の部分が大きくなっちゃってる気がするんですよ。
レペゼン:
なるほど。
DJ KEKKE:
DJにスポットライトが当たり過ぎてるとか、フェスみたいになってるクラブが多いと感じるんですよ。ずっとDJばっかり見て写真撮って、踊らずにいる女の子とか。それきっかけでクラブに来てくれるなら良いけど、それは本質的な楽しみ方じゃないし、俺らが教えてあげないとお客さんが可哀想ですよね。
レペゼン:
撮られるのが嫌っていうより、それより踊ってくれた方が嬉しいってことですね?
DJ KEKKE:
そっちの方が嬉しいってのもあるけど、それ以上にその子が可哀想だなと。写真を撮ってSNSに上げてる事がクラブに来てる目的なら、別にクラブじゃなくて良いと思うんですよ。フェスで良いと思う。クラブはもっと違う楽しみ方が絶対にあると思ってるから。
レペゼン:
確かにそうですね。
DJ KEKKE:
俺は高校生の頃からクラブ行ってて、クラブシーンってのが1番好きだし大事な部分だと思ってるから。自分が行き始めの時に感じてた感覚を、今の子達にもちゃんと伝えてあげたいんですよ。写真なんて撮ってる暇なかったですもん!!
レペゼン:
間違いないです。
DJ KEKKE:
出会いとか、音楽とか、お酒飲みながらの会話とかが楽しい訳じゃん。それを分からずに写真撮ってる女の子とかに、なんで関係者が教えてあげないのかなって思う。ずっと写真撮られてるDJとかいるけど、たぶん有頂天になってるんでしょうね。別にイケてないのに。笑
レペゼン:
おーそういうことですね!!
DJ KEKKE:
そういうのが日本のクラブ文化、DJ文化をダメにしてると思うんですよ。写真撮られたら調子に乗るけど、それって全然リアルじゃない。お客さんのリアルな反応を見て、DJやるのがDJだから。そうじゃないとDJも上手くならない、イコールそのクラブも良くならない、お客さんも育たない。
レペゼン:
悪循環ですね。
DJ KEKKE:
どんどんクラブ文化が悪くなっていく。きっかけが一杯あるからクラブ人口は増えてるけど、今の増え方が本当に良くないと思うんですよ。そこがすごい気になってます。あのDJ見たいってので来てくれるのもありがたいですけど、でもどうせ来るならもっと良いきっかけを与えたいじゃないですか。
レペゼン:
そうですね。
DJ KEKKE:
それをもっとアーティストとかDJ、関係者が発信しないと、たぶん今後ダメになって行くと思ったんですよ。だからこそ誰かが提示しないとってのが、ワンマンをやるきっかけになったきっかけですね。
photo by @d.iam
レペゼン:
クラブの本質についての提示の場だったんですね。
DJ KEKKE:
ワンマンは、「俺がオープンからラストまでクラブを一晩作ったらこうなりますよ」ってことを、お客さんってよりも関係者や若いDJに見せたかったから日曜日に開催したんですよ。関係者は金、土は自分の現場で忙しいから来れないけど、日曜なら来れる人も多いので。
レペゼン:
なるほど!!そのワンマンを迎えるまで、どのような心持ちで迎えましたか?
DJ KEKKE:
準備が楽しくて、全然緊張はしなかったですね!!
レペゼン:
あれだけの大舞台なのに、緊張しないんですね!!
DJ KEKKE:
周りの人たちが準備からすごくサポートしてくれたからそれは本当に嬉しかったですし、安心できました。準備段階から一体感が生まれてましたね。ワンマンをやる事で、俺が思ってる目標に向かってみんなで動いて、感動してくれた事が1番の宝です。
レペゼン:
素晴らしいです!!
DJ KEKKE:
当日来てくれた人も嬉しいけど、それまでに集まって一緒に考えてくれて、皆で意見を出し合うってがマジで良いなって思いましたね。
レペゼン:
当日の反響や周りからの反応はどうでしたか?
DJ KEKKE:
それもめっちゃ良かったです。終わった後にLINEとかストーリー見てすごかった。地方の来れなかったDJとかもすごい連絡くれたし、遠方から来てくれた人も多かったですし。
レペゼン:
地方からわざわざ1人で来てくれた人もいたようですね。
DJ KEKKE:
そうなんですよ。しかもそういう人たちから、「やっぱクラブってこういう物ですよね」とか、「久々にこういうクラブ体験しました」とか言われたのが本当に嬉しかったです。
レペゼン:
最高の反応ですね。
DJ KEKKE:
DJとかリアルな関係者達から「近年稀に見るパーティーだった」とかって言われたのも嬉しかったですね。「狙い通り、よし!」って。
レペゼン:
提示したいことが提示できたんですね。色んな人クラブシーンを考えるきっかけになってるといいですね。
DJ KEKKE:
そうなってくれたら嬉しいですね。あとはもっといろんなDJがワンマンやりたいって言ってくれたら嬉しいですね。
レペゼン:
そうやってどんどん日本のクラブシーンがいい方向に向かってくれると嬉しいですね。
DJ KEKKE Instagram:dj_kekke
Interview by : bullmatic
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