ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人にインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月はラグビー・リーグ「リーグワン」の三菱重工相模原ダイナボアーズで活躍する知念 雄(ちねん・ゆう)選手に全4回に渡ってお話を伺いしました。
ハンマー投げの選手からプロ・ラグビーに!?異色の経歴のラガーマン、知念 雄とは?
レペゼン:
自己紹介をお願いします。
知念 雄:
リーグワン・三菱重工相模原ダイナボアーズでラグビー選手としてプレーしている知念 雄(ちねん・ゆう)です。
レペゼン:
ありがとうございます。
現在はプロラグビー選手として活躍されている知念さんですが、元々学生時代は違うスポーツをされていたとお伺いしたのですが?
知念 雄:
そうですね。ラグビーは大学院の後半からです。
小学校では野球と相撲、中学はバスケ、高校は陸上をやってましたね。
レペゼン:
すごい。幅広いですね!
知念 雄:
両親が体育教師だったのもあって、スポーツは全体的に好きでしたね。
その中でも高校から始めた投てきはかなり頑張ってました。
レペゼン:
なぜまた高校から陸上をやろうと?
知念 雄:
きっかけは中学生時代、陸上大会にかり出されて、砲丸投げに出場したんですよ。
父親が投てきの選手だったんで「親が投げれるんだから、お前も投げれるだろ」みたいなノリで。
レペゼン:
なかなか無茶振りな気もしますが笑
知念 雄:
そうですよね笑
ただそれがそのまま優勝しちゃったんです。
レペゼン:
えー!
すごすぎる笑
知念 雄:
その時におばあちゃんが試合を見に来てくれたんですが、試合後にご褒美みたいな感じで3万円くれて「あなたは砲丸投げで日本一になりなさい」って言ってくれて。
レペゼン:
おばあさま気前良いですし、おっしゃることもアツいですね。
知念 雄:
ですよね笑
正直それまでは高校でもバスケやろうと思ってたんですけど、それがきっかけで投てきをやろうかなと。
おばあちゃんの3万円で僕の進路は変わりました笑
親子二人三脚で目指したインターハイ。最強の父の元で鍛えられた高校時代
レペゼン:
高校では陸上部に入って、砲丸投げをされてたんですか?
知念 雄:
結局、同じ投てき種目のハンマー投げをメインでやってましたね。
実はその時の部活の親父が顧問で。
レペゼン:
そうなんですね!
お父さんが顧問だと気まずくなかったですか?
知念 雄:
当時はとにかく結果を出したくて親父も自分も必死だったんで、そこまで気にしてなかったです。親父も円盤投げの元日本王者だったので、子供にも結果を出させないと面目が立たないという感じで。お互いに必死でしたね。親父もめちゃくちゃ厳しかったですし。
レペゼン:
リアル・巨人の星すね…。
ハンマー投げはどういった成績だったんですか?
知念 雄:
最終的にはインターハイで優勝まで達成できました。
レペゼン:
高校から始めて、そこまで行くってすごいです!
親が厳しかったりすると、逆に反抗してグレるみたいな話も聞いたりしますけど、それはあまりなかったんですか?
知念 雄:
グレたいという願望はあったんですけど。両親が強すぎてもう反抗期がなかったんですよ。この二人には勝てないなと。もう真っ当に陸上頑張ろうと思ってました。グレる隙間がなかったですね笑
中学生の時にやってきたラップブーム
レペゼン:
ヒップホップはいつ頃から聴いていたんですか?
知念 雄:
小学生の時にRip Slyme(リップスライム)を聴いたりしたのが最初ですね。その後中学校に入ったら、周りのやつらがNas(ナズ)とか50 Cent(フィフティー・セント)とかバンバン聴いてて。そこから影響を受けて、アメリカのヒップホップを聴くようになりましたね。
レペゼン:
特によく聴いていたラップソングはありますか?
知念 雄:
一番初めて友達から借りたのがNasの「I Can」で、よく聴いてました。
スタートがピアノ入りですごくインパクトあって。歌詞とか全然わかんなかったですけども、とにかく衝撃で後ろのビートもめっちゃ覚えてますね。
レペゼン:
確かに。
すごく記憶に残るトラックですよね。
知念 雄:
そこから日本語のラップも面白いらしいというのを聞いて、DS455(ディーエス・フォーダブルファイブ)とかOZROSAURUS(オジロザウルス)とかにどんどん派生していきましたね。SOUL’d OUT(ソールド・アウト)には頭グチャグチャにされました。「ウェカピポ」はほんと衝撃でしたね。
レペゼン:
アツい時代ですよね。
知念 雄:
あと先輩たちが部室の裏でたむろしながらANARCHY(アナーキー)を聴いてたりしてて。
そういう人たちを見て、グレてるのカッコいいなと思っている自分はいましたけど。でもグレなかったですね笑
レペゼン:
笑
知念 雄:
学校はそういう面で好きでしたね。家は親がやっぱり厳しくてピリピリしてたので、不良っぽい先輩も見れたり、皆でたむろしたりできる学校は結構息抜きになってたかもですね。あとはスポーツも自分を解放できる場所でしたね。グレるには親二人が強すぎました笑
高校ではハンマー投げを頑張りながら、ヒップホップバイブスに触れていた知念さん。次回はラグビーを始めてから影響を受けたラップソングについて聞いていくよ!お楽しみに!