B-Boyすき焼き屋、横尾秀樹とは?

ブラジル・サンパウロから10歳で日本へ。ストリートで見つけた居場所と料理人という生き方

ライター:TARO

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストは神奈川県川崎市ですきやき屋「fabi」をオープンされている料理人、横尾秀樹(よこお・ひでき)さん。B-Boy・MACHIとしても活動する横尾さんのヒップホップキャリアについてお伺いしました。

前回の記事はこちら→ ラップ好き社長 田中時宗が創り出す新たなパラスポーツの可能性

B-Boyすき焼き屋、横尾秀樹とは?

レペゼン:
自己紹介をお願いします。

横尾秀樹:
料理人の横尾秀樹(よこお・ひでき)と申します。
川崎の溝口(みぞのくち)という街で、すき焼き屋「fabi」を営んでおります。ブレイキンもしていて、B-BoyネームはB-Boy MACHIです。

すき焼き「fabi」】

 
 
 
 
 
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レペゼン:
すき焼き「fabi」について教えていただけますか?

横尾秀樹:
「関西風のすき焼きを1名様から楽しめる、和牛をリーズナブルな価格で味わうことができる」がコンセプトのお店です。すき焼きや和牛ってどうしても値段帯が高いイメージがあると思うのですが、若い人にも美味しいものを知ってほしいなと思い、学生の方でも手が届くぐらいの価格帯で、美味しくて、クオリティーが高いものを提供しています。

レペゼン:
良いですね。拝見したところ、日本酒も豊富に揃えていらっしゃるんですね。

横尾秀樹:
そうですね。旬の酒を揃えております。ずっと料理人としてやってきた経験を活かして、季節の野菜を使ったおつまみメニューも用意してます。すき焼きを頼まなくても、ふらっと居酒屋感覚で使ってもらえればと思います。

レペゼン:

ありがとうございます。
そんな横尾さんの学生時代からお伺いしていきたいんですけれども、まず地元はどちらなんですか?

横尾秀樹:
実は生まれが元々ブラジルで、日系4世です。

レペゼン:
そうなんですね!

横尾秀樹:
サンパウロのマリリアが地元なんですよ。

レペゼン:
ということは元々ポルトガル語が第一言語?

横尾秀樹:
そうですね。マリリアは日系人が多い街だったんですが、基本はポルトガル語でした。それから10歳の時に静岡の浜松に来ました。
当時、日本語は喋れなかったので、小学5年生から日本語をスタートするみたいな感じでしたね。

レペゼン:
かなり苦労されたんじゃないですか?

横尾秀樹:
めちゃくちゃいじめられましたね笑
日本人の顔をしてるのに、全然喋れないという。こいつ何なんだって思われてめっちゃいじめられて。だから学校にあまり行けずに、悪い子達と遊んでたらこうなっちゃいました笑

レペゼン:

現場で鍛えた料理とストリートで学んだB-boyイズム

レペゼン:
料理の世界にはいつ頃から?

横尾秀樹:
高校を中退してすぐ16歳から飲食店で働き始めたんです。
それから飲食一本ですね。16年ぐらいずっと飲食で仕事をしています。

レペゼン:
そうなんですね。
元々料理に興味はあったんですか?

横尾秀樹:
ありましたね。食べるのが好きだったので。
あとは当時からタトゥーも入れていたのもあって、他のアルバイトの面接になかなか通らない。でも飲食店は昔も今もゆるゆるというか。タトゥーしてても入りやすいというところから始めたのがきっかけですね。

レペゼン:
なるほど。
ブレイクダンスもされていると思うのですが、ダンスは何がきっかけで始められたのですか?

横尾秀樹:
当時働いていた浜松の飲食店の店長さんがB-Boyで。
営業終わりに練習行くというので、面白半分でついて行ったら、始めちゃったみたいな感じです。昼は料理をしつつ、仕事が終わってからは夜中、ずっとストリートでダンスをやっていました。

レペゼン:
良いですね!
当時の浜松のストリートダンスシーンはどんな感じだったんですか?

横尾秀樹:
周りの先輩達は有名な方ばかりでしたね。現REAL AKIBA BOYZの涼宮あつきさんや世界三連覇したTHE FLOORRIORZの元メンバー・YUYAさんとか。すごい方が多かったんで、その人たちからストリートで教わりましたね。レッスンには通ったことがないです。

レペゼン:
みなさん浜松なんですね!

横尾秀樹:
そうですね。「浜松バッカーノ」っていうコミュニティでした。
最初の方は「ザザ前ブレイキン」っていうあつきさん主催のバトルに出たりとか、あとは近くの愛知、名古屋とかのバトルにも出てましたね。

初めて聴いたヒップホップはAK-69「Ding Ding Dong〜心の鐘〜」

レペゼン:
初めて聴いたヒップホップを教えてください。

横尾秀樹:
僕はAK-69さんの「Ding Ding Dong〜心の鐘〜」ですね。

【AK-69「Ding Ding Dong〜心の鐘〜」】

レペゼン:
名曲ですね。

横尾秀樹:
やっぱりファーストインパクトが強すぎて、カッコいいので、何度も聴いてました。

レペゼン:
周りもヒップホップを聴いていましたか?

横尾秀樹:
ヒップホップの曲は、意外とB-Boyからじゃなく、他の先輩や仲間達から教えてもらってましたね。
ブレイクダンスってどっちかっていうとヒップホップっていうより、ファンクとか、ジャズで踊るじゃないですか。もちろんそこから、90sのヒップホップとかに派生してきましたけど。

レペゼン:
特に横尾さんがいらっしゃった静岡は東海地域ですし、愛知、名古屋のヒップホップの影響も強かったんじゃないかなと思います。

横尾秀樹:
そうですね。DJ RYOWさんとかも岐阜ですし。周りもAKさんを聴いている先輩が多かったと思います。
最近もずっと活躍されていて、かっこいいですね。

高校を中退し、料理人として、そしてB-Boyとして人生を歩み始めた横尾さん。次回は修行時代のエピソードや勇気をもらったヒップホップソングについて聞いていくよ!お楽しみに!

 

プロフィール

  • 横尾秀樹(よこお・ひでき)

    横尾秀樹(よこお・ひでき)

    料理人。ブラジル・サンパウロで生まれ、10歳の時に静岡県浜松市へ。高校中退後、料理人としてのキャリアを開始。さまざまな飲食店で経験を積む。また16歳からブレイキンを始め、B-Boyクルー、SGM、NAT、THEONEZなどに所属、B-Boyバトルでは「Station vs Station」優勝、「UK B-Boy Championships 2017」 関東予選 準優勝などの結果を残す。 浜松から上京後は、天王洲アイルでの 特別企画「ブルーピリオド展×天王洲 ‐天王洲の青を探せ‐」の企画でシェフを担当。2023年7月には神奈川県川崎市ですきやき屋「fabi」をオープン。関西風のすき焼きを手頃な価格で楽しめる料理店として幅広い世代にファンを持つお店になっている。

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