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ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについて全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストは、料理人/DJという2つの顔を持つTOMYPさん。他に類を見ない五感で楽しめる会員制餃子専門店「冫(NISUI)」は、どのように完成に至ったのか。その誕生秘話に迫ります!
前回の記事はこちら→ 自分の好きな音楽と料理の腕をひたすら追求していく。TOMYPのタフな下積み時代
最高の物件との出会いが
斬新な店づくりの第一歩

レペゼン :
「冫(NISUI)」立ち上げの話について。場所選びや、お店のコンセプトを作り上げていった流れを教えていただけますか?
TOMYP :
今のお店の場所となる良い物件を紹介してもらったのが始まりです。20mくらいの古い路地の突き当たりにあるテナントで。
レペゼン :
おお!またすごい場所に。お店のコンセプトはどう決めていったんですか?
TOMYP :
もともと刺青が好きで、そこから浮世絵や伝統的な和の文化を学んでいった部分が大きくて。若い時に出会った彫り師をやっている仲間がいるんですが、彼らと日常的に一緒にいて遊んでいるうちに、僕も浮世絵に興味が出て勉強するようになっていったんです。そして物件が見つかった時に、彼らと「ヒップホップとやばい“和”を表現しよう」って話したのがきっかけですね。「餃子専門店」というのも、当時大阪にもあまりなかったから面白いんじゃないかなと。
レペゼン :
「和」な雰囲気がベースになったのは、和彫がきっかけだったわけですね。そこから、今お店で扱われているような骨董などにも興味が出てくるんでしょうか?
TOMYP :
お皿はお皿で、和食の修行時代に出会った「wad」さんというお店がきっかけです。カフェアトリエみたいなところに現代作家を呼んで展示会をするという試みを、誰もそういうことをやっていない頃からやっているところで。そこで展示会をされていた作家さんの作品を買ったのが、初めて現代アート作品を買った経験です。その頃から「良い器で料理を表現すると、やっぱりおいしく見えるよな」と思うようになり、そこに古物もだんだん混ざっていきました。

一見お断り&完全予約制
のスタイルになったワケ

レペゼン :
「冫(NISUI)」を会員制にされたのは何か経緯があるんですか?
TOMYP :
物件の向かいに老舗の料理店があったんですけど、例えばうちの店の前にお客さんが溜まると、そちらのお店の迷惑になってしまうなと思っていて。店先のスペースも限られていますからね。なのでご迷惑をかけないよう、「完全予約制にして、逆に店の間口を狭める」という形を思いついたんです。
レペゼン :
あえてひっそり落ち着いたスタイルになったわけですね。とはいえ、「冫(NISUI)」は、世間からの注目度の高さがうかがえます。会員制で営業されていくなか、認知が広がっていったのは何かきっかけがあったんでしょうか?
TOMYP :
僕の周りの仲間、そして内装を手伝ってくれた建築家さんや作家さんからのサポートが大きいです。店の立ち上げは2019年なんですが、インスタグラムのフォロワーさんもかなりいらっしゃる方々が、「マニアックな餃子店を担当しました」と拡散してくださったことで一定数の方が気になってくれていたみたいで。ある時、会員を解放するイベントをやったタイミングで、一気に予約も増えた感覚がありました。
レペゼン :
なるほど。
TOMYP :
そこからは紹介から紹介が繋がって、少しずつ話題になっていった気がします。予約も埋まってきて、もう少しで絶頂期いくかな?という時にコロナ禍がきて緊急事態宣言が発令されました。3ヶ月近く先まで予約をいただいていたところから一気に全て止まってしまって、予約もお断りするしかなかったので悔しかったですね。
“五感エンタメ型”の演出力を
パーティに当てはめる

レペゼン :
コロナ禍は飲食業界の方々にとって本当に厳しい時期だったと思うんですが、その時期に何か挑戦されていたことはありますか?
TOMYP :
イベントの企画ですね。そこが自分の転機でした。当時は時短営業なども含め、まともな営業ができなかったんですが、その頃もレコードもずっと買い続けていて。その時に「何かしたい」ということで、イベントを組んでみようと思ったんです。
レペゼン :
新たな活動に挑戦されたんですね。
TOMYP :
そうですね。しかも自分は空間作りも好きやし、自分が好きな「和」のコンセプトを入れて、空間、料理、酒にもこだわったパーティを立ち上げていきました。普段から、良い空間で、良いお酒を飲んで、良い音楽を聴いてもらうという、五感エンタメ型のお店をやってるので、それをパーティでも表現しようと考えたんです。
レペゼン :
「和」なコンセプトを取り入れたパーティというのも、日本の美を吸収してきたTOMYPさんだからこそできることですね。
餃子作りをしながら
聴き込んだSnoop Dogg
レペゼン :
そんな時期に力をもらった曲はありますか?
TOMYP :
コロナ中、やたら聴いていた曲があって。Snoop Doggの「I Love To Give You Light」です。
【Snoop Dogg – I Love To Give You Light】
レペゼン :
どういった部分が好きですか?
TOMYP :
分からないんですが、その当時マイブームだったんでしょうね。ソウルフルで。シンプルに餃子を作りながらテンション上がってましたね。サンプリングネタもゴスペルで、良い曲です。
レペゼン :
ありがとうございます。改めて、これまで触れてきたヒップホップカルチャーが飲食店経営のなかで生きていると思うことはありますか?
TOMYP :
「ヒップホップが生きている」というよりも、僕は生き方がヒップホップやと思っています。なので「ヒップホップに影響を受けた」というよりも「僕のヒップホップがこういう感じやから、こういうお店になった」という言い方がいいかもしれないですね。
レペゼン :
素敵な表現ですね!また、同じくヒップホップから学んだことはありますか?
TOMYP :
それもライフスタイルなので、「学んだ」というよりも「一緒に楽しんでる」という感覚かもしれないですね。ヒップホップって良い意味でノールールじゃないですか。誰もやってないこともやれるので。あとは育った感覚でみんなスタイルも変わっていくので、それをそのままライフスタイルにはめていくのがヒップホップだなと思います。
最後まで読んでくれた読者に…

レペゼン :
最後に何か告知があればお願いします。
TOMYP :
今、Representさんをチェックされている若い世代の方にも来てもらえたらと嬉しいなと思っていて。今、一見さんお断りという商売をしている一方で、お客様ありきというのも現実なので、「レペゼンの記事を読みました」と言ってもらえれば、予約を取らせてもらおうかなと思います。
レペゼン :
素晴らしい提案ですね!ありがとうございます。ここまで読んでくださった方で、お店が気になる方は、ぜひご予約いただければと思います。
TOMYP :
いつでもいらしてください。オーナーとして、しっかりお迎えさせていただきます。
無二の感性を武器に、料理人/DJとして活動を展開しているTOMYPさん。そんな彼のライフスタイルやこだわりが感じられる餃子店「冫(NISUI)」に行ってみたいという方は、ぜひ店舗のインスタグラムのDMからお問い合わせください!

