「BLUEPRINT™」が提示するヒップホップと ”ものづくりの本質” とは?

写真家・小田駿一が仕掛けるヒップホッププロジェクトが描く新たなシーンの青写真

ライター:TARO

ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストはヒップホップ文化をこよなく愛するフォトグラファー、小田駿一(おだ・しゅんいち)さん。ヒップホップにフォーカスしたマルチモーダルなプロジェクト「BLUEPRINT™」のファウンダーとしての顔も持つ小田さんのキャリアについて伺いました。Vol.4の今回は小田さんが仕掛けるプロジェクト「BLUEPRINT™」のビジョンについて。

前回の記事はこちら→ ヒップホップ文化をこよなく愛するフォトグラファー、小田駿一

ラッパーの生き様を伝えたい。ヒップホップ・プロジェクト「BLUEPRINT™」創設秘話

BLUEPRINT THE MAGAZINE vol.0 W COVER

レペゼン:
運営されているマルチモーダル・ヒップホップ・プロジェクト「BLUEPRINT™」についてお聞かせください。このプロジェクトが始まったきっかけはどんなものだったのでしょうか?

小田駿一:
カメラマンとして活動してる中で、ラッパーの写真を撮ることが多くなって。で、彼らと話していると、みなさん人間として本当に素晴らしくて、一本筋が通ったカッコいい人たちが多いなっていうのを感じることが多くて。

レペゼン:
なるほど。

小田駿一:
自分が納得いってないことには、どんなにお金をもらっても絶対にやらないっていう姿勢とか。自分に嘘をつかず、正直でいることを大切にしていることとか。あと、ユニティーというか、自分が大切だと思う仲間に対しては、お金や損得じゃなくて、純粋に助け合うっていう行動をしている人も多かった。

レペゼン:
ヒップホップマインドですね。

小田駿一:
そうなんです。知れば知るほど、彼らの魅力に惹かれていきました。それで最初はラッパーの写真展をやろうかと思ったのですが、それだと限られた人たちにしか届かない気がして。ヒップホップのカルチャーやアーティストたちのストーリーをもっと広い範囲に伝えるために、ヒップホップ専門の雑誌も無くってしまっていたので、まず雑誌を作ろうとなったんです。

「本物とは何か?」雑誌を通して提示する
フィジカルの価値

BLUEPRINT THE MAGAZINE vol.1 W COVER

レペゼン:
ネットが主流になっている中、なぜ雑誌という形を選んだのでしょうか?

小田駿一:
デジタルコンテンツももちろん魅力的なのですが、やっぱり「もの」として残る何かを作りたかったんです。僕は古本が大好きで、ヴィンテージの写真集や雑誌なんかも集めてて。
フィジカルでこだわった装丁や印刷を施したものはやっぱり長く残りますよね。作るからには、しっかりと納得のいくプロダクトを作りたかったし、それを残していきたいという気持ちが強くあったので、雑誌という形にしました。

レペゼン:
良いですね。『BLUEPRINT™』というプロジェクト名の由来についても教えてください。

小田駿一:
このタイトルに決めたのは、プロジェクトを始める時にお世話になった友達のラッパー、ワンさん(ELIONE)の影響が大きいです。彼は本当に力を貸してくれて。僕が好きなワンさんの曲の一つに SALUさんと出している「Blueprint」っていう曲があって。「Blueprint」は英語で「青写真」という意味なのですが、ラッパーとしての生き様や人生の青写真を伝えるという意味でも、すごく良いなと。あとJAY-Zの名盤『The Blueprint』もありますよね。あの時、JAY-Zが当時若手だったKanye WestやJust Blazeをフックしたように、若い才能を応援していく意味でも、この名前はすごく意味があるし、支えてくれたELIONEさんの楽曲でもあるので、このタイトルに決めましたね。

レペゼン:
素晴らしいです。実際、発刊されて反響はどうでした?

小田駿一:
予想以上にポジティブな反響がありました。創刊号で協力してくれたZEEBRAさんやSEEDAさんをはじめ、皆さん好意的で協力的だったことが大きかったです。ヒップホップコミュニティって、真正面からしっかり思いを持ってぶつかると、共感してくれるし、心温かい人たちが多いなと感じました。本当にありがたいですね。

シーンと共鳴するメディア
「BLUEPRINT™」のアンセム

レペゼン:
マルチモーダルに雑誌、SNS、グッズなど数種類のプラットフォームを横断して展開されているのは本当にすごいことだと思います。その中で、今後の展開のイメージはありますか?

小田駿一:
やりたいことはいっぱいあるし、一方でやりたくないことも結構あって。例えば、雑誌の記事広告みたいな形でのマネタイズは、あまりやりたくないんですよ。いろんな広告が入ると雑誌の雰囲気が変わる気がして。自分の思うカッコよさはやっぱり貫いていきたい。だから、雑誌に関しては、理想的には、冠スポンサー数社にサポートして頂く形が良いかなと思っています。共感できる企業としっかり握手をして、長期的にスポンサーとして支援をお願いできたら良いなって感じですね。

レペゼン:
間違いないですね。

小田駿一:
あと今後のビジョンとしては、まず継続していくこと、そして少しずつですけど、制作側、読者の方、そしてラッパーとヒップホップに携わるコミュニティーのみんなが「三方よし」になると良いなと思ってるんですよね。

制作側も自分たちが本気で作った写真、文章、ライブが残っていく。読者の人もヒップホップに関わる人の生きざまを知ることで、もっとヒップホップが好きになる。そしてそれがラッパーやヒップホップに携わるコミュニティーの人々に、よりライブに来るファンが増えたり、プロップスが上がったりっていう形で還元されいく。
それでみんなが良いプロジェクトだねっ思ってくれる感じで継続できたらいいなと思います。それが目標ですね。

レペゼン:
ありがとうございます。では、最後にそんな「BLUEPRINT™」のテーマソングとなるような一曲を教えてください。

小田駿一:
一曲選ぶのは難しいですが、あえて選ぶとすると、やはりお世話になったELIONEさんと SALUさんの「Blueprint」ですかね。今後のヒップホップシーンの青写真を提示できるようなメディアになっていきたいと思います。

【 SALU & ELIONE – Blueprint 】

レペゼン:
めちゃ良いですね。改めてこの度はお忙しい中、ありがとうございました!

小田駿一:
ありがとうございました!

【BLUEPRINT™ THE LIVE vol.2 開催決定!】
ヒップホップにフォーカスしたマルチモーダルなプロジェクト「BLUEPRINT™」のLIVE 第2弾が決定!3月29日、ヘッズはHARLEMに集結せよ!

2025年3月29日(土) OPEN16時 / START17時
東京 HARLEM(東京都・渋谷)
▼各チケット料金
・ADV ¥4,500
・ADV W/ BLUEPRINT THE MAGAZINE vol.1 ¥5,500
・ADV W/ BLUEPRINT THE MAGAZINE vol.0&1 ¥6,000
・DOOR ¥5,000
未成年の方もご参加頂けます。

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プロフィール

  • 小田駿一(おだ・しゅんいち)

    小田駿一(おだ・しゅんいち)

    2012 年に渡英し独学で写真を学ぶ。 2017 年独立。2019 年に symphonic 所属。人物を中心に、雑誌・広告と幅広く撮影。ヒップホップにフォーカスしたマルチモーダル・プロジェクト「BLUEPRINT™」のファウンダー。

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